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その5
ライオン鳥
鳥かごの中。
そこには三人の幼女がいた。彼女たちは囚われているわけではなかった。囚われているのはわたしたちのほうだ。パースペクティブがノートに会話を記入している。
「混沌が成りましたね」
と、大統領のライオン鳥が言った。
「そうじゃな。前回とは違い、わしらが3人も顕現できたことを見れば、混沌といってよかろう。何人かの成長も確認できたしのう」
と、総会屋のライオン鳥が言った。
「けっ」
銀行員のライオン鳥が吐き捨てた。
「それで、どうしましょうか」
「なにがじゃ?」
「後処理ですよ。まさか、このままというわけにはいかないでしょう」
「いつものようにパラノイヤということでいいじゃろう。それ以外に考えられまい。まさか、こんなバカげた出来事を現実と思う奴などいないじゃろうからな」
「ではいつものように」
「さよう。ムキシス・ムンデイを使用し、混沌に脈絡を、文脈をつくろうぞ」
「けっ」銀行員のライオン鳥が吐き捨てた。彼女は、誰に対してというわけではなく、全世界にむかって言った。
「地獄に墜ちろ」




