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「ちくちく姫」

 広い広いお花畑にちくちく姫というハチのお姫様がいました。


 ちくちく姫は、毎日毎日お花畑を飛び回り花のミツを集めるのが大好きでした。


 でも、ちくちく姫にはひとつの大きな悩み事がありました。


 それは、このお花畑に遊びに来る人間の女の子ことです。


 女の子は、毎日お花畑に来ては一人で遊んでいます。


 女の子はお花の冠を作ったり、指輪を作ったり、時には花のじゅうたんを作ったりと遊んでいましたが、ずっと一人で寂しそうでした。


 ちくちく姫はそんな女の子の様子を遠くで見ながら、「彼女とお友達になりたい」と思うようになりました。


 でも、女の子はちくちく姫が近づくとびっくりして逃げてしまいます。


 ちくちく姫は女の子とお友達になりたくて、お話がしたくて、一緒に遊びたくて、何度も何度も近づきましたが、なかなかうまくいきません。


 ある日のこと、ちくちく姫はいいことを思いつきました。




 女の子がお花畑に遊びに来ました。


 女の子は病気がちで、空気のきれいな村に療養に来ていたのです。


 でも、彼女にはお友達がいませんでした。


 家の中に閉じこもり、ふさぎこんでいた彼女に最近楽しみなことができました。


 それは、近くに広い広いお花畑があることに気づいたことです。


 女の子は、お花畑に遊びに行くことが楽しみになりました。


 でも、この頃女の子にはひとつの悩み事がありました。


 それは、彼女がお花畑に行くと一匹のハチが彼女を追いかけてくることです。


 毎日毎日、女の子がお花畑に行くと必ずハチがやってきます。


 その度に、女の子は悲鳴を上げて家に逃げ帰るのです。


 もっとお花畑で遊びたいのに、もっとお友達ができたらいいのに。


 女の子はそんなことを思いながらお花畑に遊びに行きました。




 女の子がお花畑に遊びに来ました。


 すると、そこに一匹のハチが現れました。


 女の子はびっくりした顔でその場から逃げようとしました。


 しかし、ハチの姿を見て女の子は動きを止めました。


 そのハチは一枚の花びらを持っていたからです。


 女の子は驚いたままハチを見ていました。


 ハチは女の子の前で、ゆっくりと空に8の字を描きました。


 女の子は手をたたいて喜びました。


 女の子が恐る恐る手を伸ばすと、ハチは女の子の手のひらにちょこんと乗りました。


 ハチは女の子の手のひらに花びらを乗せると、飛び上がりまた花びらを持ってきました。


 女の子はハチに向かって言いました。


「ハチさん、私に花を届けてくれてありがとう」


 ハチは女の子の手のひらで8の字を描きました。


「ハチさん、このお花畑好き?」


 ハチは女の子の手のひらで8の字を描きました。


「ハチさん、雨の日は好き?」


 ハチは女の子の手のひらでくるりと回りました。


「私も雨の日はあまり好きじゃないの。だって、お花畑に遊びに行けないもの」


 女の子はそういうとくすくすと笑い出しました。


「ハチさん、私とお友達になってくれる?」


 ハチは女の子の手のひらで8の字を描きました。




 広い広いお花畑にちくちく姫というハチのお姫様がいました。


 ちくちく姫は、毎日毎日お花畑を飛び回り花のミツを集めるのが大好きでした。


 ちくちく姫にはひとつの大きな楽しみがありました。


それは、彼女の大好きなお花畑に遊びに来る人間の女の子と一緒にお話して、遊ぶことです。

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