「サンダーボルト」
ある天才科学者が、ひとつの大発明をしました。
世界中のエネルギー問題を解決する大発明です。
それは、空を飛び、大気中の電気を吸収して地上へ送電するというものでした。
「サンダーボルト」と名づけられたその装置は、ふわふわとした雲のような形をしています。故障しても自己修復し、雷のエネルギーを使って自己を複製することもできました。
その発明のおかげで、地上から発電所が消え、エネルギー問題は一気に解決しました。
サンダーボルトは雷雲を発見すると、すぐに雲に向かいその雷のエネルギーを吸収していきます。
しかし、ある時サンダーボルトが故障してしまいました。
それは、自己修復でも直らないものでした。
サンダーボルトは大気のエネルギーを吸収しながらどんどん増殖していきました。
人間たちは、サンダーボルトを破壊しようとしましたが、破壊しても破壊してもサンダーボルトはその兵器のエネルギーをも吸収してどんどん増えていきました。
それは大地を覆い、海を覆い、やがて世界のすべてを飲み込んでしまいました。
そして、それから数百年。
サンダーボルトがその機能を停止したとき、地上には何も残っていませんでした。
「ロンよりショウコ」
ロン「…この世界にはかつて悪魔たちが住んでいたという」
ショウコ「今はこの地上にいないということですか?」
ロン「この世界を覆っている白い大地、汚れをすべて覆いつくす天の大地だ。この大地の力によって悪魔たちは根絶やしにされたらしいな」
ショウコ「天の大地といっても人間の姿はないですね」
ロン「今は『天空人』と呼ばれる種族がこの大地に住んでいる」
ショウコ「この雲みたいなふわふわした生き物ですね」
ロン「体の主成分はこの大地を同じだそうだ。大地が先か、この生命体が先か…」
ショウコ「人間を滅ぼしたサンダーボルトが今では『天空人』と呼ばれているこの世界…なんだか複雑な気分です」
不可思議な話になってしまいました。
サンダーボルト…意味は「稲妻」




