「女の子とカギ」
ある所に、秘密のカギを持った女の子がいました。
いつからそのカギを持つようになったのか、周りの人も女の子も誰も知りません。
女の子にしか見ることのできないカギでした。
誰にも見えない、誰も触ることのできない。それは秘密のカギでした。
ある日のこと、女の子が道を歩いていると、女の子の前に強盗が現れました。
女の子は誰にも見えないカギを取り出して言いました。
『カッチリチリチリ カチリチリ
あなたの心にカギかけた
悪いココロにカギかけた』
するとどうでしょう。
強盗は急におとなしくなると、そのまますごすごと逃げ出してしまいました。
女の子が道を歩いていると、今度は重そうな荷物を持ったお年寄りに出会いました。周りにたくさんの人たちがいましたが、見て見ぬふりをしています。
女の子は誰にも見えないカギを取り出して言いました。
『カッチリチリチリ カチリチリ
あなたの心のカギあけた
優しいココロのカギあけた』
するとどうでしょう。
周りの人たちが、荷物を持ってお年寄りを助けてあげました。
女の子が道を歩いていると、道端で動物が死んでいました。
とても悲しくて、悲しくて。
女の子は誰にも見えないカギを取り出して言いました。
『カッチリチリチリ カチリチリ
私の心にカギかけた
悲しいココロにカギかけた』
するとどうでしょう。
女の子は泣き止みました。
でも、なんだかもっと哀しくなってしまいました。
女の子は誰にも見えないカギを取り出して言いました。
『カッチリチリチリ カチリチリ
私の心のカギあけた
悲しいココロのカギあけた』
女の子はまた泣き出しました。
ずっとずっと、動物のことを思って泣きました。
そして、女の子は動物のお墓をつくってあげました。




