3.立花直のお説教タイム
どうしてお説教が始まったかは「どう打つの? 森」第十話をご覧下さい
直「はい、一香もう一度自分の和了った役を見なさい!」
一香「えっ……、はい……」
2ツモ→ 3344567888999 ツモ2
一香「これでリーチツモ清一ドラ2。倍満4000・8000ですよね」
直「うん、役も点数も合っている。それじゃあこのリーチの待ちは?」
一香「えっ? 「25」の二つじゃないですか?」
〔1〕5でツモ 5ツモ→ 33445567888999
〔2〕2でツモ 2ツモ→ 23344567888999
一香「〔1〕だとイーペーコーがつきますが、〔2〕は「234」と「345」の順子なので、イーペーコーとはなりません。「5」が「赤5」だとさらに一ハンアップします」
直「うん、その二つについては完璧だな」
一香「えっ、『その二つ』ですか?」
直「じゃあもう一つ聞こう、上の二つにおいて雀頭となるべき対子は何だ?」
一香「「8」です。「8」は三つありますが、そのうち一つは「678」の順子の一部になります」
〔1〕345∥345∥678∥88∥999
〔2〕234∥345∥678∥88∥999
直「そこまで分かっていてなぜ待ちが二つしかないんだろうね……」
一香「えっ!?」
直「あたしが言いたいのは、「25」だけじゃなくてあと二つ、つまり全部で四つの待ちがあったってこどだよ」
〔3〕3でツモ 3ツモ→ 33344567888999
〔4〕4でツモ 4ツモ→ 33444567888999
直「〔3〕の場合、「3」が暗刻・「4」が雀頭。そして〔1〕〔2〕では順子の一部と対子だった「8」が暗刻になる」
直「〔4〕の場合は「3」が雀頭・「4」が暗刻と逆だ」
一香「あ……、「678」だった順子が「567」になるんですね。8は暗刻になる……」
〔3〕333∥44∥567∥888∥999
〔4〕33∥444∥567∥888∥999
直「そうだな、〔1〕〔2〕は三順子二刻子だったのが、〔3〕〔4〕だと一順子三刻子になるってことだよ」
直「しかも三刻子ってことは……、ツモったらどうなるか……、一香は分かるよな?」
一香「あ……、三暗刻!!」
直「リーチ一発ツモ清一三暗刻。裏ドラ関係なく三倍満でトップだ。しかも裏ドラは「3」だったろ?「裏ドラ3」がついて数え役満。仮にツモが「4」でも一発ツモなら数え役満だ」
一香「私……、またやってしまったんですね……」
直「そう、本来なら最高の和了り牌なのにお前はツモ切ってしまったんだよ」
一香「うわーっ、またやっちゃったー!!」
直「いや、そこまで言った後でなんだけど、結果として和了れたんだからいいんだ。問題は待ちの数をしっかりと認識していなかったこと。麻雀部員たるもの待ちの数を間違えてそのままチョンボってことになったら恥ずかしいだろ?」
一香「はい……、私「3」切った後でも誰かから「25」が出たら裏ドラ期待でロンするつもりでした。だから……、あん子が見ている前で二回目のチョンボをしてしまうところでした……」
直「清水とあん子が一緒だったんだから、清一に三暗刻つけて和了ったら最高だったのに……」
一香「えっ、何かおっしゃいました?」
直「いや……、なんでもないよ……」