6/10
灯りのそばで
暗い部屋にひとつだけ灯りをつける
それだけで少し安心する
灯りは
広い場所を照らさなくていい
手元だけでも顔だけでも
そこにいることが分かればいい
虫が光に集まるように
人も明るい方へ向かう
本能かもしれないし
さみしいからかもしれない
誰かの部屋の窓に明かりが見えると
今夜は一人じゃないと
思えることがある
灯りをともしている人が
気づいていなくても
その光が誰かを支えていることがある
消える前に
ゆらゆらと揺れる炎が
いちばんきれいだと
思うのはなぜだろう
灯りのそばにいたい夜がある
声もなくていい
ただその光のそばに




