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被害者が加害者で

作者: 凜古風
掲載日:2026/01/25

ちょっとだけホントの話を混ぜて書いたホラー。

 この冬、一人の男が自ら命を断った。

「あの子のために、最善だと思ったんだ」

 電話口で、彼はそう言い残していた。


 死因は自殺。規模の小さな通夜と葬式が、ひっそりと執り行われた。


「この、泥棒」

「会社のカネを返せ」


 僧侶の読経の合間に、ヒソヒソと、そんな声が聞こえてくる。


「絶対返すって。あの子は言ってたんだ」


 彼は、生前そう言っていた。


「あの子って、誰だよ?」

「ネットで知り合ったんだけど、すごく良い子なんだ。若いのに謙虚で、苦労人でさ」

「会ったことはあるのか?」

「まだないよ。忙しいみたいだし。でも、そのうち会いたいな」

「チャット友達くらいならいいけど、気を付けろよ」


 俺は、そうやって警告したつもりだった。


「あの子を助けられるのは、俺しかいないんだ。カネ、貸してくれ」

「無理だ。どう考えてもロマンス詐欺だろ」


 彼は、どんどん深みにハマっていった。


「この、分からず屋。友達の縁を切るっ」

「金を貸さないだけで、友達をやめるのか。……そうか、残念だな」


 もう、助けようがなかった。

 だが、「絶対返すって言ってたから」という理由で、

 会社のカネに手を出すのは、違うだろう。


「どうしよう、あの子と連絡が取れない」

「だから言っただろう。俺はもう知らん」


「俺は悪くない。絶対返すって言ってたもん」

「……『もん』とか言ってる場合じゃない。子供かよ」


「カネを返せなくて、会社をクビになった。退職金を没収されても、まだ足りない」

「業務上横領で刑務所に放り込まれなかっただけ、まだマシな会社だ」


「……今までありがとう。じゃあな、親友」

「おい、待て。早まるな」


 それが、最後の電話だった。


 「あの子を助けたい」という正義感を焚きつけられた暴走が、アイツを犯罪者にし、死に追いやったのだろう。

 悪にはブレーキがあるが、正義には、それがない。


(おしまい)

ロマンス詐欺の女性にすら、見捨てられた私ですが。

投資関係の電話もね……事実確認をか優先させたら、電話切られたし。

まぁ「ヒマつぶし」で相手しただけなんだけど。

距離をとってアウトボクシングに持ち込むと、詐欺師は弱いみたいですね。

いや、普通の営業担当の場合は、ブチギレるんだけどさ。

つくづく営業の人と相性が悪い。

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― 新着の感想 ―
バカとしかいえない←暴言 でも、心の綺麗なひとだったんだろうな(*´ω`*)
「私はただ、夫がお金をくれるから受け取っていただけ。何が問題なの?」  こんな名台詞もありましたね。 「私は誰にも何も借りはない」  まあ、この作品の場合これは成り立ちませんが。  実際同情系の詐欺…
きっと「あの子」は「こんな事、あなたにしか頼めない。」みたいな事を言って視点人物の友人に金をせびったのでしょう。 こうしたロマンス詐欺の怖い所は、たとえ視点人物のような親しい人間が警告しても「自分が好…
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