4.Land of discrimination.
「はぁ、どうしてこんなことになったのやら」
牢屋。石造りのもので囲まれていて壁の上らへんに人が通れないくらいの大きさの空気の通り道がある。が、格子で塞がれていて通れないようになっていた。
藁のベットに鉄製のドア。
「まぁ、寝床にしては上等か」
うん、石で囲まれているからかほんのり冷たいし、しかもベットもある。
「あとはご飯があったら最高なんだけどな」
ぐ〜
ぐ〜
ぐ〜
「デカすぎるだろ、なんだこの音!」
「うん?」
そういえばここに入る前におんなじような鉄の扉があったが
「だれですか〜」
「なんだ、新入りか!もしかして今日入りか?」
「まぁそうですね」
「俺の名前はジャスティン。お前は?」
「佐藤潤」
「サトオ・ジュン?なんだお前、苗字があるってことはてめぇ貴族か」
「けっ、お貴族様が独房たぁいいざまだな!」
「いや、俺は平民さ。俺のところじゃみんな苗字はあったぜ」
「……はぁ〜そんな場所もあるもんなんだな。いやぁ〜すまんかった、俺も大して知見があるわけじゃねぇんだがそんなユートピアがあるのか」
ここはちょっと流させてもらおう
「いいさ、誰にだって勘違いはある」
というか今更だが全然人と喋れてるな、言語体系日本と一緒なんだなここ
「それにしたってジュン、お前一体何やらかしたんだ?なんだかお前が入る前まで見張りどもが「嘘だろ?(笑)」」「なわけあるか!(笑)」って話しているのを聞いていてなんだなんだと気になっててよ見張りに教えてくれよと言ったって話してくれないし」
「うーん…なんというか、城壁にちょっと大きめの穴を開けちゃってな」
「はぁ?なんでそんなバカなことを」
「いや、故意じゃないんだけどな」
「う〜んそれにしたって時期が悪い、悪すぎる。今以上に悪い時期を俺はしらねぇ」
なんだ、妙に含むように。
「へぇ〜…悪いのか」
「……なんだお前しらねぇのか」
「この国に来たのは初めてだからな。この国の情勢なんてしらないんだ」
「それはそれで変な話だが……まぁどこの国にしたって似たようなもんさ。悪いのは国や貴族にしたって権力を持ったやつがどんなやつかによる」
「俺は、人間はみんな等しく人で、人以上も人以下もそんなのは存在するわけがねぇって思ってる。だがよ、それじゃあ偉い奴らは気に食わないんだってな」
「国は、平民を差別することを合法化した」
「は?そんなことが許されるのか!?」
「俺らの許しなんて必要ないってよ」
ん?となりからまた、別の声が聞こえてきた
「ん?なんだ起きてたのかトオル」
「あぁ、くそ!あいつら衛兵も同じ平民だってのに!なんであいつらにまで蔑まれなきゃいけないんだ!」
「国や貴族はそういうことに関してはよく頭が回るからな、衛兵に優しくしとけば謀反は起こさねぇだろとかいうアホらしい思惑なんだろ。まぁそんな思惑にのった衛兵どもはクソアホ野郎だがな」
「そもそも前から貴族による平民への差別自体はあったんだ。法律でそれが正当化されてそれがどんどんとエスカレートしていった」
また声がする
「国にからしたら私たち平民なんて家畜なんだわ!」
声がする
「俺らがいなきゃ国なんて成り立たないっていうのに!」
声が広がる
「ふざけるな!」
「おかしいだろ!」
「私たちがなにをしたっていうの!」
「静かに」
あれだけ騒がしかった声が、一人の男の一声で一瞬にして鳴り止んだ。
「ジュン、そういや俺がここにいる理由を言ってなかったな。」
「俺が革命を起こそうとしたからだ」
To be continued