3. I just want to eat food.
「んん〜………」
床が硬い、背中と首元がズキズキと痛む。
「あぁ〜…んん〜朝か」
どうやらあれから一日中寝ていた様だ。
日が昇ってから3時間ぐらいだろうか。
「もうちょっといいベットで眠りたかったな」
まぁ仕方がないけれど、
ぐ〜〜
「腹、減ったな」
一週間ぐらい水だけでも余裕で生きれるが、もうそんな苦行をする必要もない。
「狩りでもするか、うん?おっ、ちょうどいいところにいるじゃねぇか」
下から俺を見下ろすツノが身体中に生えている猪らしき生き物、たぶん食えるよな
「おい、そこで待ってろよ」
「あ、逃げられた」
足を動かす、木から落ちるように降りようとした瞬間に木の枝を力いっぱい蹴る。これによってわざわざ走ることなく直線的にだが結構な速さで動ける。俺が編み出した究極のスタイリッシュ技
「そんな速さじゃ逃げることなんてできないぜ」
ビュンと風を切る音と共に猪を目掛けて飛ぶ
人の頭というものは案外硬いものなので太いツノぐらいなら簡単に粉砕できる
「あっ、やべ猪突き抜けちゃった」
音を置き去りにしたその速度で猪のツノを粉砕し肉を突き抜け、地面に手をついて咄嗟に押す。斜めに移動をするように綺麗に木の間を通っていく
「せっかく猪仕留めたっていうのにもったいない」
森を抜け平原にまで出る。
青い空と澄んだ空気。
あぁやっぱりここは空気が美味しい、まぁ口開けると風で変な顔になっちゃうんだけど。
しだいに、なんだか灰色の大きな壁が見えてきたことに気づいた。
なんだか人が縦に並んでいるのとなんか色が黄色いきもい馬みたいなのが人を乗せたものを引いている。
なんだかこっちを見てすごい顔をしている。
どうしたというのだろう。
どんどんと壁に近づいていく
「腹減ったな〜」
いい睡眠とはいかなかったのかまだ眠たいし。
ゆっくりしたいな、せっかく神様が新しい世界に飛ばしてくれたんだし
「あっやべ壁にぶつかる」
バコン、と目の前が暗くなった。
流石に壁にぶつかって勢い止まったか。
というかこれ壁にぶっ刺さってないか?
身をよじり手で壁を押すようにして頭を壁から出す。
「ぷはぁ、うーんあんまり丸太飛びしないほうがいいかもな」
「何してんだお前!」
「あっ丸太飛びです」
「そういうことを聞いてるんじゃないんだよ!」
「不審者めこっちに来い!」
「ちょ、お腹減ってるんですけど」
「飯なんて後にしろ!大人しくついてきてもらうぞ!」
なんか面倒ごとになっちゃったかな
門を抜け近くにある家に行き部屋に通された
「あのぉそれでどうしたんですか」
「どうしたんかじゃねぇよぉ、お前なんだあれ」
「なんだって?」
「なんで猛スピードで浮きながら壁にぶっ刺さってんの?!怖いよ!君!」
「いや、まぁ落ち着いて」
「落ち着いていられるか!こんなの初めてだわ!」
衛兵らしきその男は声を大にしてそう俺に言う
「そんなこと言われたって、知らないですよ」
ガチャと部屋の扉が開かれる
「まぁまぁサングリッチくんそんなに怒鳴ることないじゃないか」
「あっ!バンドリヒ隊長、お疲れ様です!」
サンドリッチと呼ばれる彼は頭を下げてそう言い、バンドリヒ隊長と呼ばれる彼女は手をかざし、いいよそんなことしなくてと言う
「それで君、この子は何をしたんだい?」
「いや、なんというか、、何をしたんだお前」
「いや、、丸太飛び、、」
ことの次第をサンドリッチは話す
……「えぇとつまり君は、猛スピードで飛びながら突っ込んでこの城壁に穴を開けたと、」
「はい、、」
「サンドリッチくん」
「はい」
「拘束」
「そんなぁぁぁ飯をくわせてくれぇぇぇ」