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1章『予言』   3話 魔術

「こちらが修練場でございます。魔術や呪術、権能をお試しになられる際は、こちらでお願い致します。」

 ソフィーにまず案内してもらったのは修練場だ。広々とした殺風景な空間に、幾つか機械のようなものが置かれている。

 最初は図書館と聞いてつい興奮してしまったが、異世界の図書館など、私も乃亜も寝る間を惜しんで籠りっきりになるのが目に見えていた。なので、先に他のところを案内してもらい、最後に図書館に行くことにしたのだ。

 とはいえ修練場がある、ということはやはり、兵士が居ないというのは勘違いだったのだろうか?そもそも全員が力を持っている都合、みんなが兵士みたいな思想の可能性もあるが。

 ここなら魔法についての『書き換え』を試すのにちょうど良いみたいだが、その魔術や呪術について、ある程度理解してからにしたい。

 乃亜は部屋にある機器が気になるようで、ソフィーに聞いて回っていた。

 ソフィーの説明によると、それらは魔道具と呼ばれており、強い魔術の力を閉じ込め、継続して効力を発現させることが出来るものらしい。

「今の説明は図書館に行けばもっと詳しく説明してくださる本が沢山御座いますので、今回は割愛させて頂きますね。これらは力を試す為に空間を調整したり、相手を作り出すことが出来る、とだけ覚えてください。」

 破壊されても問題ない場所というわけでは無く、破壊されても問題ない空間を作り出す場、という理解が正しいようだ。

 あの襲撃者がどれくらいの強さなのかはわからないが、地面を着地の衝撃で削るようなやつが力を試したなら、普通に城ごと吹っ飛んでしまいそうだ。

 そういえば乃亜は殺したと言っていたが、余波で周りに影響などなかったのだろうか?乃亜はそういうのは気にするタイプなので、出していたら申し訳なさそうに私に話してきそうなものだし、それがないということは無いのだろうが。

「ちゃんと横に説明書もあるのね、本当に機械みたい。これ、作るの大変なのかしら?試してみたいな。」

 乃亜はロボやかっこいい機械に目がない為、魔道具に興味津々である。私の方はまるで興味が無いのだが、仮面ライダーやガンダムシリーズなどを楽しそうに見ていたのを思い出す。

「作るのはかなり難しいと聞いていますが、セレスト様であれば作ることも出来ると思います。魔術の腕が重要であると聞き及んでいますので。」

 乃亜は魔術を覚えたばかりのはずだが、腕はいいのだろうか?

 そういえばそんな権能を持っているとも言っていたが、だとして夜の世界のメイドのソフィーにまで伝わっているとも思えないのだが。

 それともバトル漫画みたいに、相手の能力を見たら測れる、みたいなことがあるのだろうか?

「私のこと、良く知ってるの?そういえば紗希姉も私の権能のこと知ってたのよね。」

「わたくしはその紗希の妹ですので。セレスト様のお付きとして、詳しくお話は伺っております。」

「妹だったの!?」

 乃亜が目を剥いて驚いている。なんとなく雰囲気が似ている気がしていたが、同じ乃亜のお付きというだけではなく姉妹であったようだ。

 しかし、乃亜もそうなのだが、普通に人間の姿をしていたはずなのだ。私の認識が甘かっただけかもしれないが、紗希姉が透けていた記憶はない。

「紗希姉は透明じゃなかったと思うんだけど、種族が違ったりするの?」

 少し気になったので聞いてみる。義理なのか、ハーフで別種族の側面が強く出ているのかわからないが、そもそも別種族同士で子供が作れたりするのだろうか?

「いえ、姉様も幽霊族ですよ。セレスト様と同じように、人化の呪具を使っているのです。」

「呪具…?」

 思っていたのと違う答えが返ってきた。

 何やら呪具は呪術を閉じ込めた道具であり、それにより力を封じ込め、人の姿になっていたらしい。

「でも乃亜、人の姿で魔術使ってなかった?」

「うっ…使ってたけど、今の私に比べたら全然弱いのよ、見てみる?」

 何やらダメージを受けていたが、加減していたのを悔やんでいるのだろうか?下手に強い力を使っても私が巻き込まれそうだし、仕方のないことだと思うが。

 まあ興味はあるので見てみたいと頼んでみる。

 すると、ソフィーが魔道具に触れ、世界が切り替わる。平衡感覚を失いそうな真っ白な空間に、案山子が数体並んでいる。

「センスなくない?この空間。いや鍛錬には良いのかもしれないけど、酔いそう。」

 つい文句をいうと、乃亜が白い目でこちらを見てくる。

「ソフィーがせっかく魔道具を使ってくれたのに、文句言わないの。ごめんね、ソフィー。飛鳥ってちょっとデリカシーがなくて…」

 乃亜がそんなことをソフィーにいうが、ソフィーは首を振る。

「わたくしもこの空間はあまり趣味が良いとは思っていませんので…こちらがスタンダードの設定ではありますが、森や城など、色々設定出来ますよ。」

 そういって景色を壊れかけの古城のような所に変えてくれる。

 それこそ吸血鬼ないそうな城だ。乃亜にはピッタリだろう。

「いいね、とってもセンスいい。ソフィーの趣味じゃなくて良かった。」

 私は暗くて冷たい場所を好んでいるので、かなり好みの場所だった。しかし、1番似合っているはずの乃亜が少し震えていた。

「本当…?お化け出そうで怖いんだけど…」

 隣に幽霊がいるというのに何を怖がっているのだろうか?ソフィーも目を丸くして乃亜の方を見ている。

 よく考えたら最初にソフィーが来た時も一瞬飛び上がっていたが、ソフィーが話しかけてくるとすぐに落ち着いていたのだ。ホラー嫌いは卒業出来ているのだと思っていた。

「出てきても的でしょう?怖がることないって。」

 そう励ますと、乃亜は手を叩いて気合を入れる。

「なんなら的として出しましょうか?幽霊。」

「要りません!」

 すぐさま水を差すソフィー。乃亜に対する付き合い方を理解したのか、元からそういう性格なのかわからないが、ユーモアのわかる人のようだ。

 紗希姉の性格を考えれば素のような気がする。

 乃亜が気を取り直して案山子の方を向くと、1体の案山子がすぐに燃え尽きる。

「お〜?今のが?」

「ノーモーションで使いやすいのよね、大きいのも見せてあげるわ。」

 そういって乃亜が手を突き出すと、光の玉が発生する。氷の柱を発生させていたものより随分と大きい。

「いくよ〜、『焔獄』!」

 気の抜けた掛け声と共に放たれるが、光の玉が着弾した途端、とてつもない爆炎が立ち上り、全ての案山子を焼き尽くす。

 直撃した部分の城は焼け落ちて、当たっていない部分ですら熱で溶け出している。というか普通に余波で火傷しそうだ。

「これほどとは…」

「乃亜!?熱すぎるんですけど!?」

「ごめん…つい張り切っちゃって…」

 爆炎の熱がこちらに届きそうになった瞬間、乃亜は青ざめた顔で私達の前に立って防御してくれていたのだが、それでも熱かった。というか乃亜は平気そうだがどうなっているのだろうか?

「乃亜は平気なの?それ。」

「うん、防御してるし、そもそもこれくらいなら私は当たっても大丈夫だよ?」

 魔術以前の問題で生物として格が違いそうだった。良く見たらソフィーも涼しい顔をしている。

「私、人間やめようかなぁ…」

「急に何を馬鹿なことを言い出してるの…あ、もしかして権能使う気!?ダメよ!?」

「でも最終手段としてはありじゃない?こんなのが平気な世界なら生きていける気しないよ?」

 別に攻撃される予定はないのだが、生物として耐久値が違いすぎると、そもそも生活基盤の部分で挫折しそうだ。


「飛鳥様は丁重にもてなす様に言い付けられておりますので、それほど不安がられなくても大丈夫ですよ。勿論、自衛の手段を身につけるのも大事だと思いますので、権能でどうにか出来るなら試すのも手だと思いますが。」

 熱波が落ち着いて来たところで、ソフィーがそう言ってくれる。

 ソフィーは乃亜のお付きのはずなのだが、私の世話も担当するらしい。有能メイドなのだろう。

 権能を見せることにそれほど抵抗はないのだが、何をどう『書き換え』るかについては真剣に考えたい所だ。

「まあ図書館で色々知識を身につけた後かな〜。魔術も呪術も使えるようになるとは思うんだけどね。」

「飛鳥の権能、本当にズルいよね…私色々覚えるのに頑張ったのに…」

 乃亜が口を尖らせる。

 こちらから言わせれば吸血鬼に生まれているだけでズルだと言いたくなる部分もあるのだが、流石に生まれを咎めるほど人間性が終わっていないので自重する。

「そういえば、飛鳥様は予定外に巻き込まれてこちらにいらっしゃったと伺っていたのですが、言葉がしっかり話せるので不思議に思っていたのです。権能によるものなのですか?」

 ソフィーが疑問を口にする。まあ言ってもいいか…?と思い、乃亜の方を見ると、乃亜は私に任せるという風に首を振るので、そうだと頷く。

「なるほど、物を簡単に覚えられるというのは便利そうですね。セレスト様が羨ましがるのも少しわかるというものです。」

 何か勘違いされてる気もするが、わざわざ訂正するほど丁寧に教える気もないのでそのままにする。

 乃亜の魔術の腕を知っていたことといい、ソフィーが情報通なのかそういうものなのかは怪しい所だが、詳細まで伝えるのでなければ、権能の話は丸々避けるべきというわけでも無いようだ。

「まあそういうわけだから、図書館で本を読み漁った後かな~私の魔術お披露目は。」

「私は2年かけて勉強したんだから。十分早い方なのに残念そうな顔しないの。」

 乃亜の魔術を見て試したい気持ちが強くなり、少し後ろ髪を引かれる思いをしていたのを乃亜に咎められる。昔からゲームなどでも、最初は乃亜がたくさん勉強してくるので私よりもしっかり出来るのだが、すぐに同じくらいに出来るようになって乃亜に拗ねられるのだ。

 私に言わせれば乃亜がいいお手本であり、そもそも乃亜の方から色々教えてくれるのだから、喜んでくれればいいのにと思う部分もあるのだが、拗ねる乃亜は結構かわいいので何も言わずに放置している。

「でしたらそろそろ移動しましょうか、次は食堂ですね。」




 案内されて着いた食堂は、それほどの大きさはなかった。

 しかし、大きくなかったのはあくまで食べるスペースの話である。キッチンの方まで足を延ばすと、とんでもない広さをしており、メニューも視界に収めきれないほどであった。

「これはまたとんでもないな...」

 食にこだわりがある方では全くないため、食べられるものがあればいいな程度に覗きに来たのだが、流石に驚いてしまう。

 メニューはぱっと見ではよくわからないが、元の世界で見たことがあるようなものも多少はあるようだ。ピザやハンバーガーのような、ジャンクフードに近いものはそれっぽいものが散見される。

 食事には興味が無いのだが、甘味や紅茶は好んでいつも口にしていたため、それに近いものを一通り探してみるが、見つからない。

 乃亜の方を見てみると、ある一点に釘付けになっていた。

 見つめている先を見ると、大きな肉が骨付きで焼かれているメニューであった。名前もそのまま、紛うことなき骨付き肉である。

「乃亜...あれが食べたいの...?」

 ちょっと引き気味に聞くと、乃亜はぶんぶんと首を振っていたが、目は肉から離れていなかった。

 乃亜は食い意地が張っているというわけでもないが、弁当箱の中身は茶色一択と言わんばかりの肉好きであった。その感性に引っかかったのだろうが、本当に表示通りの大きさなら乃亜では多分食べきれない。

「こちらの骨付き肉は当食堂でも人気メニューですので、お食事の際はおすすめ致しますよ。」

 わかりやすい乃亜の反応にわざわざ助け舟を出すソフィー。

 というか、今ってそもそも食事の時間なのだろうか?私の記憶では襲われた時がちょうど3時を回った辺りだったのだが、気絶してしまった時点でほぼ当てにならない。

 こちらの世界では赤い月が出ていたが、恐らく本当に夜の月が出る時間というわけではないだろう。夜の世界というほどだし、常時夜だと考えるのが妥当だ。

 しかし、よく考えると24時間制とは限らないどころか、月が沈んで登るとも限らないし、食事が一日三回とも限らない――これはそもそも元の世界から違ったが。

 ゲートが開くまで10年というのが共通認識だった以上、それほど離れた時間感覚では無さそうなのだが。

 とりあえず感覚を掴むために元の世界を基準に乃亜に聞いてみることにする。

「今って元の世界だと何時頃なの?」

「今?6時半じゃないかな。こっちも24時間制だし、一年は365日だから、時計を見れば簡単にわかるわよ。」

 そういって時計の方を指し示してくれる。そちらを見ると、確かに見慣れた形の時計が6時半を表していた。

 となると朝食にはちょうどいいぐらいの時間だが、そもそも朝食から骨付き肉というのは流石にいかがなものかと言わざるを得ない。しかし、こちらもケーキのようなものが目についてしまった為、お互いに言い合わないということを条件に好きなものを頼む。


 頼んだものを持って席に着くが、ソフィーは何も持たずに机の傍で立っていた。

 大きな骨付き肉に一度齧りついてから、ソフィーの方をみて乃亜が首を傾げる。

「あれ?ソフィーは何も食べないの?」

「はい。幽霊族は食事を必要としませんので。大気中に漂うマナで十分に生活できます。」

 メイドは主人と卓を共にしてはいけないみたいな話ではなく、種族として食事が必要ないみたいだった。

 しかしマナ、という単語を現実に使う相手に出会うとは、本当にファンタジーの世界の認識通りの世界のようだ。

「紗希姉が食いしん坊だったのは人化してたからなのかしら?まあ要らないならいいけど...」

 そういってこちらの方に視線を向けてくる乃亜。何も言い合わないと約束したから口には出さなかったが、目がそれはご飯なの?と言っていた。

 私の皿に乗っているのはシフォンケーキに近いものと、香りの強いお茶である。英国に行けば普通に食事として認められるメニューだと思うのだが、乃亜には不服のようだった。

「こちらの食堂は色々な種族にあった食事を提供するために、広大な食堂と多数のメニューを取り揃えているのです。注文に迷ったときは、わたくしか受付の方におすすめを聞いてみてください。」

 私たちがご飯に夢中になっている間にソフィーがそんな説明をしてくれる。

 実際、どう見ても鉱石の類にしか見えないようなご飯や、食べたらお腹を壊しそうなメニューも多数あったのだ。人間に食べられるメニューは限られているだろう。

 私の方はお腹は空いていなかったとはいえ、それほど大きいサイズのケーキではなかったため、すぐに食べきってしまう。

 しかし、乃亜の方は途中から明らかに手が止まっていた。

「乃亜~?食べきれそう?」

 苦しそうに俯いている乃亜に半目で問いかける。

 すると、乃亜は目尻に涙を浮かべながらこちらを睨みつけてくる。

「口出ししないって言ったでしょ...食べるもん、平気よ。」

 明らかに平気ではなさそうだったが、これ以上は口出しせずにお茶を飲むことにした。

 ちなみに肉は半分も減っていない。食べきるのはあと一時間は必要そうだった。

「ごめんねソフィー...すぐに食べるから...」

 ずっとソフィーを待たせていることに気が付いたのか、そんな風に謝るが、ソフィーの方はお気になさらずと首を振る。

 ちなみにこちらは苦しそうな乃亜を見て目を輝かせていたのを見てしまった。Sっ気が強いようだ。


 そんなこんなで二時間かけて肉を食べきった乃亜だが、立ち上がるまでに30分の休憩も必要だった。朝からやりすぎである。

「別に私やソフィーを頼ればよかったでしょうに、意地っ張りね。」

「だってもったいないじゃない、ソフィーはまだしも飛鳥なんて本当に仕方ないから食べるだけでしょう!?」

 そんな風に逆ギレをかましてくる乃亜。まあ発言自体は正解なのだが、それで何が悪いのかまるでわからなかった。

「まあソフィーから色々話を聞けたしいいのだけど、ふぁあ。」

 話の途中でつい欠伸をしてしまう。社会不適合者らしく昼夜逆転生活を極めていたため、食事も済ませたのだしそろそろ寝る時間だと身体に訴えられている。

 乃亜の方もつられて欠伸をしていた。どんな生活リズムをしていたかはわからないが、元々夜型だったはずだし、お腹いっぱいになって眠くなってきているのだろう。

「図書館の案内は次回に致しましょうか。お二人ともお疲れでしょうし、そのまま図書館で寝てしまわれても困ります。」

 ソフィーの主張は最もなのだが、ずっと楽しみにしていただけにどうしてもと言いたくなってしまう。

 そもそも、私も乃亜も本を読んでいて寝てしまう、などという本に失礼なことは生まれてこの方一度もしたことが無いのだ。熱中してしまい、そのまま二日も三日もその場から動かないことの方があるくらいだ。

 乃亜の方を見てみると、乃亜も頷くか反対するかでずっと悩んでいるようであったが、ソフィーがセレスト様のお部屋に案内致しますと話を打ち切ってしまう。

 この数時間で私たちの扱いも理解されたようだ。まず間違いなくこちらの決定を待っていたら図書館に行くことになっていただろう。

「飛鳥様はお一人で部屋まで戻られますか?セレスト様のお部屋で寝たいというのであれば、わたくしは止めませんが。」

 急にぶっこんで来るソフィーに乃亜と二人して吹き出す。

「ソフィー!?急に何言い出すの!!!」

「私と乃亜って周りからみたら恋人に見えたりするの...?」

 王様に婚約者などと身に覚えのない話をされたことといい、何か変な話が出回っているのでもなければ、私たちが睦まじい関係であるように見えるとしか思えない。

 仲がいいのは否定しないが、私の見た目や口調も相まって友人にしか見えないはずなのだが。

「いえ、陛下からお二人の仲が進展するようであれば見守るようにとのお達しを受けておりますので、そういう関係なのかと思いまして。実際友人とも恋人ともとれる間柄に見受けられましたが。」

 淡々とそんなことをいうソフィーだが、明らかに目が面白がっていた。つまり乃亜をからかいたいだけである。

「もう!変なこと言わないの!飛鳥とはここでお別れ!おやすみ!」

 力強くそういうと、一人でずんずんと通路の方へ進んでしまう乃亜。

 おそらく自分の部屋が何処なのか知らないと思うのだが、城中探索するつもりなのだろうか?まあ何処かにマップがあるだろうが。

 申し訳ありませんと頭を下げ、おやすみなさいと一言残して乃亜の方へと歩いていくソフィー。

 歩いているのに駆け足の乃亜より移動速度が速かった。不思議なメイドだ。

「ふぁーあ。おもしろかった~」

 欠伸をしながら歩きだす。

 頭の中は図書館への興味でいっぱいであったが、明日二人揃って足を踏み入れるほうが楽しいだろうことは考えるまでもない。

 後ろ髪は引かれつつも、城内を探索することもなく、自分の部屋へと一直線に戻るのであった。




一人称視点と三人称視点のどっちがいいかを一生悩んでいます、両方使いだすかも

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