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第五話 メルルは14歳になる

「くそ、奴だ、竜滅装がほとんど効いてない!」

「まずいな…このままじゃ、障壁を突破されるぞ!」

竜狩り人の村、その障壁の前で門番たちは黄金に光る究極の破邪兵器「竜滅装」を構えながら怪物と対峙していた。

それは一見、普通のイノシシ型の魔物だ…しかし実際には超生命体である竜すら葬る竜滅装をも無効化をする正真正銘の怪物。

そんな怪物を前に門番たちは追い詰められていた。

門番たちは死をも覚悟したその時


―ドバンッ!


突如、現れた黒い影がイノシシ型の怪物の頭部を踏みつけ怪物を地面に縫い付けた。

門番たちは一瞬、目を見張るが

「彼が…黒き竜人様が来てくださったぞ!」

「た、助かった」

そのまま怪物にとどめを刺す黒い人影。

その姿は…地球の近未来戦争ゲームに出てくるパワーアーマーによく似ている非常に現代的なデザインをした黒い全身鎧。

怪物が絶命したのを確認したその竜人はそのまま空気に溶けるように姿を消したのであった。

ここ数年突如現れるようになった怪物、そしてそれと同時期に現れた黒き竜人。

黒き竜人はいつだって門番たちがピンチになった時に現れ、怪物を殲滅して、去っていく。

門番たち最初は警戒した…しかし彼?の活躍により何度も命を救われていくうちに、彼を救世主とあがめるまでになっていた。

「しかし、黒き竜人様は…何者なのだろうか?」

「さぁ?でも俺たちの救世主であることには変わりねぇな」

「そうだな!」




そんな黒き竜人は森の木の陰で身を潜めていた。

そして…。

「竜騎装、解除」

すると黒き鎧は空気に溶けるように消えていき…。

ひとりの人間がその場に立っていた。

きらめく金髪を持つ齢14,5歳ほどの少女…。

そう、成長したメルルである、彼女は今年で14歳になった。

「今回も楽勝でしたね」

『ふむ、しかし肝心の大罪ノ竜人が…中々でてこないな』

「まあ、それは気長に待ちましょう、そのうち出てくるでしょう…さて怪しまれる前に村に帰りますか」

そして彼女は魔法陣を顕現させる。

「竜騎装を着用している状態なら、魔法陣なしで行使できるのですが…こればっかりはしかたありませんね…転移発動」

転移魔法が発動し…彼女は自室に転移した。もちろんカギはかけてある。

「ふう」

メルルはそのままベッドに腰掛ける。

「最近は慣れてきましたけど…やはり竜騎装での戦闘…そこそこ疲れますね」

そうしてしばらく休んでいると

―トントン

「いるー?メルル」

ノックとともに声が聞こえてきた

「ラナ、あなたまた不法侵入…」

「あーやっぱりいたー!あけてよメルル!」

「はぁ…」

仕方なしに立ち上がりカギを開ける。

「メルル、やっほー」

「ラナ…あなたって人は」

ラナ、メルルの幼馴染、彼女も今年で14歳だ

「いや、だってさ…明日は成人の儀式じゃん、あたしちょっと緊張しちゃって…この村の秘密も教えられちゃって」

そう、この村では14歳で成人となる、そしてその前に村の秘密、竜狩りの一族であることを明かされるのだ。

さらに成人の儀式では竜狩り人が持つ「竜滅装」が解禁されるのだ。

「別に…大した秘密でもなかったでしょう?」

「いや、とんでもない秘密だったよ!はぁ…昔はあんなビビりだったメルルがこんなにふてぶてしくなって…」

「ふてぶてしくとは失礼な…器が大きいと言ってください」

「ふふ、ほらふてぶてしい」

ラナは笑いながら言う。

「うん、メルルと話したら、緊張が解けてきた!じゃ!ばいびー!心の友よ!」

そういうや否や回れ右して去っていくラナ。

残されたのは呆れた様子のメルル。

「ラナは相変わらずの…マイペースですね」

『それを貴様が言うか?』

機械の竜がなんか言ってるが無視するメルル。

「それにしてもとうとう、竜滅装が手に入るのですね」

(まあ、あまり役に立つビジョンが浮かばないですけどね)

あの怪物に無効化されている時点で竜滅装にはあまり期待はしていないメルルではあった。






「さて、いいかいメルル、成人の儀式は案外簡単だ、君は祭壇に行きそこで竜滅装を受け取る、それだけだ」

当日に父、ラーテルから明かされた成人の儀式の内容は、子供のお使いと大差ないものであった。

「…それだけ、ですか?」

「ああ、それだけ、だよ…ふむ丁度ラナの儀式が終わったらしい、次は君の番だ」

どうやらラナは無事、成人の儀式を終えたようだ。どうやってそれを把握しているかは謎だが。

「…では行ってきます、お父様」

「ああ、行ってらっしゃい」

そうしてラーテルはメルルを笑顔で送り出す。



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