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しょうもない怒り

 酔ったときの母を見ていると、条件反射的に物凄い怒りが湧いてくる。

 今日も夜中にペペロンチーノをつくっていたが、その前にカルボナーラを食べていたのでもうお腹はいっぱいで、体重のためにも本当は食べたくなかったが、母がつくるというので一緒につくった。自分がつくるといったくせに、台所の椅子に座ったままあれ持ってきてこれ持ってきてと言い、自分で立とうとしないので、だんだんと怒りが湧いてくる。

 つくっている最中も生クリームを入れようとしたり(一個440円)と、奇妙な行動をする。ペペロンチーノに生クリーム、絶対合わないわけではないけれどカルボナーラ用に取っておいたものだったので、大声で阻止。こういう些細な行動が自分の中に油を注ぎ、一気に怒りが湧く。

 食後、顔に皿を近づけて食べるので「どけてくんない?」と言って母の顔を小突く。「前からそうだけど、自分だけで食べてんじゃないんだからもっと気遣って」と暴言を吐く。その後も相変わらず顔を近づけて食べているため、自分の取り皿を出して食べることにする。

 その後も「粉チーズが欲しい」と言ったり、みじん切りにした気管に入ったのかむせていたので、水を上げる。「障害者相手にすんのは大変だよ」と、言ってはいけない言葉を母が朦朧状態なのを良いことに吐きつける。

 正直なところ、この調子だといつか母に手をあげるんじゃないという不安がある。どうしてこんなつまらないことで怒りが湧いてくるのだろうという反省の気持ちも、同様にある。普段の母と酔っている母は別人で、酔っている母になると、途端に物凄い怒りと軽蔑心が腹の底から湧き上がってきて、まるで別人に接しているかのように自分も辛辣に当たる。どこかに相談しようかとも思ったが、こういう話をして家庭内暴力だの虐待だのと話が大きくなるのは嫌なので、とりあえずは現状維持(何年もこんな感じだけど)ということにしている。

 怒りに任せて焼酎のペッボトルを全部流しにぶちまけたりしたことも何度かあったが、酒とたばこだけが生きがいの母からそれを奪うのも酷な気がして(それに素面になれば普通の母に戻るのだし、するとそれまでの自分の怒りもどこへやらと消えてしまうので)、いつもスーパーで新しい酒を買ってしまう(本当はアルコールと心療内科の薬を併用するのはいけないので、そのことも主治医に相談できない理由の一つになっている)。

 今はともかく、これから環境が変わっていったらどうなるのか、それが一番の心配である。

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