悶々とする夜
さっき母が漏らしてしまいました。
寝ぼけてトイレと勘違いするのか、わざわざオムツを脱いでしまいました。
こういうことは今までも何回かあり、事前にトイレじゃないよ! と教えることで未然に防ぐことができたのですが、今回は声をかけていてもうつらうつらしていて意識がはっきりしない様子。ちょっと心療内科からもらっている薬が強過ぎるのではという気がします。
母については他にも心配事があり、まず車が新しいのに代わってから車が使えなくなってしまいました。違いと言えば、エンジンがキーを差し込んで回すのからボタンで始動するのに変わったのと、サイドブレーキ(手で引くタイプから足元のペダルを踏む仕様へ)の位置くらいなのですが、その小さな変化で分からなくなってしまうみたいです。ただ運転自体はできるらしく、高速を運転する際に代わってもらったりもしたので、そこさえ分かってくれれば問題ないのですが何回行っても覚えてくれない。
また車のシートベルトが閉められない、窓の開け方に戸惑う(ボタン一つでできる)など、些細な変化についてこられなくなる傾向があります。これはただ単に機械に弱いだけなのか、それともそれだけでは片付けられない何かがあるのか、考えれば考えるほど暗い気持ちになります。
最近とても多い口癖が「やって」。これには嫌な既視感があります。前に読んだ統合失調症の漫画に、ずっと家に寝込んでいると生活能力が低下し、たとえば掃除機が組み立てられなくなるというような、日常の簡単な動作さえ忘れてしまうという箇所があり、とても不安になりました。今日も炊飯器のボタン(炊き込みから早炊きに戻す)のことで「やって」という言葉が使われ、単純な機械音痴なのか、それとも病気の影響があるのか、と考えてしまい、もし後者だとするとこの先どうなってしまうのだろうと強い不安に襲われました。
自分があまり考え過ぎなのかもしれません。想像が実情を追い越してしまって、余計な言葉を母に投げつけるせいでさらに物事を混乱させてしまうことは、今までもよくありました。だから今回も自分の考え過ぎなのかと少々反省する面もあるのですが、一番怖いのは気付かないところで母の病気が進んでいってしまうことで、絶対にこれ以上は悪くなってほしくないと思います。
母は二度、精神病院に入院しており、一度目は自分が中学の頃。ちょうど祖父がガンになり、様々なストレスで母が体調を崩してしまい入院をしました。二度目は四、五年前。自分が入社二年目の頃でした。布団にいた母が突然「こわい、こわい」と言い出し、自分はとても慌ててしまいました。前日の夜から何となく予兆(何かを考えているようで話しかけても頭に入らない様子)はあったのですが、その時はとても急な変化に感じ、祖母の家に電話をかけ救急車を呼んだ方がいいかと相談しましたが、その会話を聞いて興奮したのか「救急車呼んで!」と母が何度も叫ぶので、しょうがなく119通報。ただ、その頃の自分は言葉をあまり喋ることができず、また母の錯乱している様子を電話口の相手にどう伝えればいいのか分からず、余計パニックになってしまいました。結局主治医の先生につないでもらいましたが、母の様子を伝えても「大丈夫だろう」ということで様子を見守ることに。救急車も血圧? などを測り終わったらそのまま帰ってしまいました。
その後、大事になったことで母は混乱してしまい、家の外に出ていって大声を出してしまいました。捕まえようとすると余計に興奮して、こちらに当たってくる。少し落ち着いてから、母を家に戻し、祖母の家に電話をしてこちらに来てもらいました。
それからは祖母の家でしばらく様子を見ていましたが、結局は母は落ち着かず、年明けに病院へ行くことになりました。本人は病院へ行くことをとても嫌がるので(入院させられると思っている)、半ば無理やり車に乗せて“診察だけ受けて帰る”という態で病院へ。水着の上に着物を着て、首にはホイッスルをかけているという格好で、先生の診察を受けた母は、その後すぐ入院が決定し、暴れるなかを看護師さんたちにストレッチャー? のようなものに乗せられて保護室へ運ばれました(その後すぐ出してもらいましたが)。
自分でも書いてて何を言っているのか分からない支離滅裂な内容ですが、精神の病気を言葉で説明するというのはとても難しいです。どうしてこういう事をするのかよく分からない(前に読んだ病気の本にはそういうのを“了解不能”と表現されていた )ことをするので、上手く言葉として伝えるのが難しいです。
今も昔も共通していることは、とにかく母に何かが起こっている。それが大きいことであれ小さいことであれ、おそらく良くない変化。そういうものを見逃すまいとじっと母の様子を観察するような姿勢をとっているので、とても疲れてしまいます。こちらのもどかしさを分かってもらえないというのは、自分にとって物凄いストレスです。
気にしすぎならいいのですが、気付いた時にはもう取り返しのつかないことになっていたというのが、一番恐ろしい。だから些細なことでも気にしてしまい、余計に母に当たってしまう。悪循環です。
どこかへ相談しようかとも考えましたが、人に話したことで余計に話が混乱するのは怖いので、もう少し経過を見たいと思います。
自分自身精神二級の手帳をもっているので、母がおかしいのか、自分がおかしいのか、よく分からなくなります。




