浮気をしすぎて婚約破棄された女好き王太子の婚約者は嫌だ! と姉たちが逃げ出し、伯爵の5番目の娘である私にお鉢が回ってきました。私もすごく嫌なんですが家のためと思い人身御供になる決意をしたのですが
「…女好きといってもなそれは…」
「側妃を30人も持った王もいたという話なら聞きあきましたわお父様」
「そうか」
私は女好きがすぎて、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄された王太子の次の婚約者候補にされてしまいました。
上の4人のお姉さまが絶対に嫌と逃げ出したからです。
楽師と駆け落ちとか、他に婚約者を見つけてくるとか卑怯ですわ。
「お前がな婚約者になってくれなければわが家はもうおしまいだ」
「はい…」
私はあらゆる女と浮気をして、下は10歳から上は60歳まで、しかも既婚者、教師、侍女、あらゆる職業にわたるという異常な女好きの王太子の話を聞いて逃げ出したお姉さまの気持ちもわかりました。
ああ婚約破棄なんて、私からはたぶん言えません公爵令嬢の方すごいですわ。
私は仕方なく市場に売られる牛のごとく、悲壮な気持ちで王宮に向かったのですが。
「婚約者ねえ」
私をじろじろ見て、まあ女というだけでいいかと言われたのです。胸を揉もうとするのをなんとか避けましたが。
いやこれはない…。
金髪碧眼の王子は見た目はとてもいいのですが軽薄そのものでした。それからいきなりキスをしようとしてきたのです。
「婚約してもそれは!」
「わかったわかったうるさい奴だな」
私の前で侍女の胸をもみしだく王太子、ああこれと婚約なんて最低ですわ。
私は家のためとはいえ、これと婚約なんてまっぴらと思ったのです。
ええ、そこから私は殿下に抱きしめられそうになったりキスされそうになるたびに拒否し、夜這いにきた殿下を平手打ちし、やっとあの人に迫られなくなりました。
手に入る女だからまあいいかということらしいですわ。
目の前で侍女にキス、目の前で…ああもう言葉にするのもおぞましい。
私はいい方法はないか考え続け、名案を思い付いたのです。
「…ほう、婚約を解消したいと」
「はい陛下、さすがに婚前交渉をしようとした殿下とはやっていけませんわ、婚姻前の婚前交渉は神の教えでいけないと教えられてきましたの」
「そうだな…」
陛下が殿下が放っておくのは、側妃は何人持ってもいいという考えからだとは思っていました。
なら訴えても仕方ないと思いましたが…宗教がらみだとどうでしょうか? 私は神殿に訴えると陛下にいったのです。
「それはまずいな…」
「証拠もありますわ。殿下がその夜中に…部屋に」
「……お前はなかなか知恵があるようだ。あれにやるのは惜しいな。わかった」
私は陛下の命令で婚約を円満解消できましたわ。でもねえ、あれがそのまままた婚約者探しをするのかと思うと犠牲者が気の毒でして…。
私こっそりと神殿に訴えましたの、殿下の節操のなさを…。さすがに直接あの行状を知らされたら神殿も動かないわけにはいかず王家に抗議が行きました。
私? 私は隣国に逃げ出しましたわ。だってあんな国いたくなかったのですもの。
一番上のお姉さまを頼りましたの。
殿下は神に背く不埒ものとして破門され廃嫡、陛下は神殿に多大な寄付をするはめになったのですわ。
一応国教では不義は罪ですのよ。見て見ぬふりをされてきたのでしょうが…。
私の集めた膨大な殿下の女好きの記録はあらゆるところにばらまきましたからねえ。
私は隣国で婚約しました。平凡な男性ですが殿下と比べたらとてもいいひとで幸せですわ。
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