【本格派】 鳴海孝之 (君が望む永遠)
本格派とは、基本的にヘタレで、稀に強気になるも簡単に元に戻り、物語のクライマックスでも変わらずヘタレで、ヘタレのまま幕を閉じるという、非常純度の高いヘタレを指します。
鳴海孝之は恋愛アドベンチャーゲーム『君が望む永遠』の主人公です。
当時のヘタレの代名詞的存在で、アージュ社がゲーム制作をしている間はヘタレ=鳴海孝之でした。
見てくれは90年代後半の流行であった前髪を妙に長くして目を隠すものです。
これは個性を与えてしまうとプレイヤーが感情移入できなくなる、という配慮のためにされています。
しかし鳴海孝之に感情移入できた人間はだいぶ限られていると思われます。
初代、CS版、完全版、ファイナルエディション、、、
なんかもういっぱいあって、違ってくるものもあるのでしょうが、そこは御容赦。
私がプレイしたもので、こんな選択肢がありました。入院している女の子へのアプローチです。
・本当のことを打ち明けよう
・今はそっとしておこう
私は上の選択肢を選びました。もうここまでくる段階で「なんで言わないんだよ・・・」と軽くイライラしていましたし。そんなこんなで病室に入ると女の子はとても不安そうな顔をしているのです。
(だめだ!今の状態ではとても言えない!)
えっ!?選択を反故にした・・・。
いかんでしょ。アドベンチャーゲームとして破綻している。
この逆パターンもあった気がします。
(かなり回復しているようだ。余計な刺激は邪魔になるからよそう)
何でもありだな、鳴海孝之。
もうとにかく、自分の采配で物事を動かすのが嫌で嫌でしょうがいない男なのです。
また、彼はファミレスでバイトをしているのですが、悩みに対する気晴らしの場として働いている側面もあります。それはそれで結構なことです。しかし彼、めちゃくちゃシフト入れています。どんだけ気晴らしするの?本筋とは関係のないファミレスパート、まあ多いです。そういう男なのです。
さて、物語にはバッドエンド、グッドエンド、トゥルーエンドが存在します。
最終的なゴールとなるトゥルーエンドですが、もの凄く良いシーンです。泣いてしまいそうなほどです。ただ鳴海孝之は何もしていません。
ヒロインは鳴海孝之のためを想い、自立して、独り去っていきます。数年後、彼女の夢が叶ったことを鳴海孝之は新聞で知ります。この男は新聞を読んで涙を流すのですが・・・お前が泣くとこか?はよファミレスに行きなさい。