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ロサキクが寂れた理由

この世界には魔物がいる。その様な存在と人々はどうやって暮らしているのか?

冒険者や騎士団が定期的に狩ってはいるものの、流石に絶滅させるには至っていない。


というか魔物の身体から採れる素材が、武器や防具はおろか日用品にも使われているので、人々も絶滅は困るのである。

しかし、街や村を魔物に襲われたらひとたまりもない。

そこで必要になるのが「結界石」である。

この結界石は名前の通り魔力を流すと結界を張る事ができる。


その結界石で街や村に外壁を作り、壁の中で人々は暮らしている。

結界石に流す魔力については、発電所から作られる電力を魔力に変換して流している。


ヒロシ一行が向かうロサキクの街は、かつて天然で採れる結界石で栄えていた街であった。

しかし、採れる結界石も枯渇してきた所に大打撃をロサキクの街は受ける。


「人工結界石」の登場である。これは普通の石材に対して結界石の特性を付与する事ができる技術で、この技術の登場でロサキクの街はおろか、結界石の採掘で栄えていた街はその枯渇と共にどんどん寂れていった。


結界石は全盛期より採掘量が少なくなったが、全く採れなくなったわけではない。しかし、それよりも安価な代用品が出てきたら、皆そちらを使いだした。

今では重用施設の外壁や、一部の富豪が権力をしめす為に外壁に使うくらいである。


そんなロサキクの街にヒロシ一行が着いたのは、夕方にさしかかってからであった。


ほとんどの街や村には門がある。門が開いている時間には、それぞれの街や村に門限がある。

すっかり寂れて久しいロサキクの街の門限は、ゆるめであった。わざわざ訪れる名所なんか少ないからである。


これが都会のクラコの街であれば人々の往来が多く、住む人々もとても多いので、安全の為に早めに門を閉める傾向がある。


「夜になる前に着いてよかったぜ。流石に真夜中だと門も閉まっているからな」

「ここがロサキクの街ですか・・・」

「そこそこの大きさの街でありますな」

「村よりは大きいんでしょうね」

開いている門に向かって、そんな事を話ながらヒロシ達一行は歩みを進める。

ヒロシ一行以外にも、冒険者や運送行の車等が門に向かっている。

大人数でもなければ小人数でもない。ロサキクの街の現状を表している様であった。


「まずは宿をとらないとな。街中でテントを張る必要もないし」

「こういった街に来るのは初めてなので、少し楽しみです」

「我々、契約獣も泊まれる所があれば良いのでありますが」

「大丈夫でしょ。魔物使いも結構メジャーな職業だし」

無事にロサキクの街に入ったヒロシ一行は今夜の事を考える。


「そういやフィオナって金は持っているのか?出せるのか宿代?」

「はい。家を出る前にまとまった金額を持って出ました」

「無一文で行き倒れは分かるでありますが、所持金有りで行き倒れであったのでありますか」

「珍しいパターンね。切羽つまっているのかいないのか」

「あははは・・・」

フィオナは曖昧に笑って誤魔化しているつもりだが、誤魔化せていない。

フィオナ以外の1人と2匹の認識は一致していた。

(訳有りのお嬢様なんだろうなあ)である。

高級ブランドである「ハタオリメ」の洗濯ネットを一目で分かったり、高級林檎のトロイア林檎を食べて実家で近い物を食べていたという発言から、そう予想していた。


「どこか良い宿に泊まりたいですが、どうしましょうか?」

「冒険者ギルドで聞けば良いんじゃないか?冒険者は街や村にと依頼があればどこでも行くし。そこら辺については詳しそうじゃないか?」

「ヒロシの意見に賛成であります」

「じゃ、冒険者ギルドに行きましょうか」


道行く男性にヒロシが冒険者ギルドの場所を聞いて、一行は冒険者ギルドに向かって歩きだした。

冒険者ギルドの場所を聞かれた男性は、喋る魔物に驚いていたものの、ヒロシに詳しく場所を教えてくれた。


歩く事数十分、「冒険者ギルド ロサキク支部」と看板が掲げられた大きな建物が見えてきた。

「ここか。なあフィオナ、どうせなら冒険者登録も済ませちゃわないか?」

「あ、良いですねそれ。二度手間になりませんし」

「いよいよヒロシの冒険者デビューでありますな」

「ダイコク、フィオナちゃんもよ」

「そうでありましたな」


日はすでに沈みもうすっかり暗くなっている。早めに宿をとる為と登録の為にヒロシ一行は冒険者ギルドに入った。



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