6話 りんご農園とアップルパイ
ラトリシア家で行われたお茶会から一週間が経った今現在、俺は家でアップルパイを作っていた。
何故、そうすることになったかというと、一週間前のお茶会の時、ケーキやパイがあったらと思ったことがきっかけで、
調べた限りでは、洋菓子類は、王都の貴族には、普及してるらしいが、平民には、レシピなどが普及してないらしく作れる人がいないらしく
次のお茶会にこの村の物で洋菓子を作りたいと思い、家のリンゴを、きっかけに前世でも作っていたアップルパイを作ることにした。
因みにリンゴ以外の素材は、村のサトウキビを育ててる農家のおばあさんから砂糖の状態でもらったりその他諸々村の人から王国に、輸入する予定だったが使えるが何かしら欠点を持った素材を譲ってもらったり、ないものは、近いもので代用したりして揃えた。
まさか、この世界に来た当初は、リアル0円○堂をやるとは、思いもしなかったけどな
それとハクとベルは、俺の代わりにリンゴ農園の整枝をしている。
そう考えながらまずパイ生地を作り、次にリンゴ切り刻み混ぜ、さらに煮ることでりんごのフィリングにし、その後生地を整えりんごを型に入れたりし、穴を開けたあとにオーブンの代わりに炎魔法で焼く事で完成である。
まあ、まず作りたての少し大きめのアップルパイは、風魔法で6頭分に切ってその内の半分は、父と母に渡して、残った半分を持って俺は、りんご農園の方に向かった。
りんご農園に到着し早々にハクとベルが俺のことをで向かえてくれた。
「おーい、レクトよ何か香ばしい匂いをするものを持っているな。」
どうやらハクは、アップルパイの匂いに釣られて来たようだ。
「お兄ちゃん、それは、?」
あのお茶会の後以降、ベルの心境に変化があったのかわだかまりが取れたのか俺のことをお兄ちゃんと呼ぶようになった。
そして、ベルの質問に俺は、答えを返した。
「頑張ってる2人にご褒美として作ってきた。パイかな?」
「ぱい?」
「そうパイ、まあデザートみたいなもんだと思えばいいよ。」
「じゃあ、ありがたく頂きます。」
そう言いベルとハクは、アップルパイを食べた。
サク!!
「!!」
「また味わった事のない食感とこれは、りんごか?」
「正解、りんごを煮て周りのパイ生地を炎魔法で適度に焼きサクサクな食感をだした。アップルパイって食べ物だよ」
「サクサクした食感がまた美味ですね」
「そう喜んでもらえたら、作った甲斐があったよ」
「お兄ちゃんもし、次の機会があったらまたつくってもらっていいかな?」
そう、照れながらベルは、俺に言った
「ああ、別にいいぞどちらにしろ次お茶会した時にでも出そうと思ってた物だし」
「ホント!!」
目を煌めかせながらベルは、俺の方を見てそう言った。
「ああ、ホントだ」
実際こっち来ても女子が甘い物というか菓子を好きなのは、変わらないみたいだな。
俺は、ここの中でそう思った。
その後、新しく焼いたパイを食材を貰った人達に配って回った。
途中では、パイを焼いて王都で店開いてもいいんじゃないか?って言う人もいた。
だが、当分は、のどかなこの田舎村でエンジョイする予定なので断っておいた。
それから数日後に第二回お茶会をした際にアップルパイを出した時には、ラトリシア家の人全員が驚愕するとになり。
エリには、味を喜んで貰い、アルおじさんからは、アップルパイについて、メイドさんからは、パイのレシピについて質問攻めにあった。
実は、パイ自体は、この世界では、そもそも貴族自体にも普及しておらずここで作ったのが世界初のパイらしい
何故か、ケーキは、出回っているのにパイは、普及していないとおかしな流れだと思いお茶会は、そのまま無事過ぎで行ったのであった。