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やりがい搾取



「おいしいフルーツです、今日中に売り切りたいので安くお売りします」

 最近はあまり見かけなくなったが、都会の真ん中で突然そう声を掛けられたことがある人、いませんか?

 なぜこんな道端で、フルーツを? そう思い声をかけてくる人物を見るとたいてい若者で、はつらつとしていて、とても笑顔。


 このフルーツ売りが気になり調べてみると……


①市場で安くなった見切り品をただ同然で仕入れる。

②若者を高給を謳って募集し、実際は出来高(歩合)で働かせる。


 若者たちは「たくさん販売できるようになれば、高給が見込める」「将来独立できる」といった甘言を信じて、爽やかな笑顔でフルーツを販売している、ということのようです。


 このような実際の労働に対して、金銭的な報酬以外で働かせようとすることを「やりがい搾取」と呼ぶようです。


 私は、仕事において「やりがい」や「達成感」という要素が大事なことは否定しません。


 ではこの「やりがい」や「達成感」について考えてみます(素人考えです)。


 まずなぜ人は、それらを感じるようにできているのか? 結論から言ってしまえば「生存に有利だから」です。


 例えば人間が生存する上において、食事は欠かせません。

 食事をするのに欠かせないのは、当たり前ですが食料です。


 そんな食料を得る行為を行う、その行為そのものに「やりがい」や「達成感」という報酬を用意することによって、結果食料の獲得機会が増える、ということになります。


 よく言われるのが「生殖行動に快楽が伴っていなければ、人類の増加のスピードは落ちるだろう」とありますが、この「やりがい」や「達成感」も同じく、生命維持の為に用意された報酬(快楽)とも言えます。


 多くの人間には狩猟本能があると言われています。その狩猟本能もこの「やりがい」や「達成感」から説明できます。


 本来狩猟とは、上で記したように「食料を獲得する手段」やその他には「自己や仲間の生命を脅かす存在への防衛」なのですが、そこに「やりがい」や「達成感」を与えられることによって、「食料にするわけでもなく、別に危険な生物でも無い」ものであっても狩猟行為を行うケースがあります。スポーツハンティングやバス釣りなどは、まさにそのような行為と言えるでしょう。


 ではこれを最初の「フルーツ売りの若者」に当てはめて考えてみます。


 彼らには「フルーツを売って将来高給が得られるようになる!」といったやりがいや、「今日はこれだけフルーツが売れたぞ!」という達成感を与えられる土壌があります。


 しかし(もしかしたら私が不勉強なだけかも知れませんが)それに報いて貰えるだけの現実的な目の前の報酬(正に果実)がありません。日給一万円以上可!と募集しておきながら、二ヶ月は研修で完全歩合と言われ、いくら売っても四、五千円ということもあるようです。


 これは先程の狩猟で言えば「上手に狩りが出来たね! やりがいや達成感を感じるでしょう? あ、君が狩った獲物は僕が貰っていくよ」と言われているのと変わりません。


 このような脳の機能を利用して他者から搾取するというのは、今も昔も世の中に蔓延しています。


 今回は「やりがい搾取」のさわりについて私なりの考えを記してみました。 次回はもう少し「やりがい搾取」について考察したり、実際それらをモチーフにしているある作品についてお話ししてみたいと思います。


 

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