ぴよその5 かなぶん
付いてるのでどんどん書きます。
ガサ…………
ぼくはその音で目が覚めた。
羽には草の感覚。
少し露がつき、湿っている草。
ぼくは起き上がった。
ぼくが寝たときと、場所は変わってない。
さっきと同じく、ぼくの周りを大きく蔦が覆っている。
ぼくは自分の体を見た。
傷は完璧に治っている。
ぼくはコハクにお礼を言おうとコハクの方を向いた。
でも、金色のきらきらのコハクは、いなかった。
足もなく、手もないのに。
コハクー。
おーいコハクー?
そう頭の中でコハクに呼びかける。
返事は返ってこない。
あの金色のきらきらのコハクはどこかに行ってしまった。
どこに行ったんだ?
ぼくはふと、自分の羽を見た。その羽は、僅かに輝いていた。
その輝きは金色できらきらしていた。
その輝きはコハクを思わせた。
……………コハク。
ぼくは両の羽をぎゅっと握った。
なんでコハクがぼくを生き返らしてくれたのかは分からない。
そしてなんでコハクが消えたのかも分からない。
でも、今度は死なないようにしなければならない。
次はない。
今度こそ、暖かい場所を見つけるんだ。
ぼくはコハクがいた場所に別れを告げ、大きな道を歩いていた。
ぼくはやけにさえ渡っている頭をフル回転させて色々と考えを巡らせていた。
暖かい場所に行くには、どうすればいいか。
死なないようにする。
今度、死なないようにするためには、何をすれば良いのか。
強くなる。
強くなるためにはどうすればいいか。
経験値を手に入れ、強くなる。
経験値。
ぼくがミミズとハチを倒したときにぼくが得たもの。
どうやら、これが一定数増えるとレベルアップなるものをし、身体能力、守備力、精神力が上がるみたいだ。
つまりもっと他の生き物を倒してたくさんの経験値を得れば、ぼくはもっと強くなる。
そして、最終的にはヘビも倒してやる。
ちょっとまって、今ぼくなんて言った?
ミミズ? ハチ? ヘビ?
自然に考えていたけど、これってあれの名前だよね?
なんか転生してからおかしいぞ。
まあ今考えても仕方ない。
とにかく、ぼくはもっと強くなろう。
ぼくは歩き出した。
しばらく歩くと、虫を見つけた。
名前を知らないはずなのに、今のぼくにはその名前がカナブンだということがわかる。
ぼくはカナブンに気づかれないように、ゆっくりと近付いて、踏みつけた。
カナブンは抵抗を試みたが、逃げられる前にぼくが首を取った。
テテテテン
〈ひよこは 4 の経験値を手に入れた〉
なるほどね。
やっぱり他の生き物を倒したら良いみたい。
ぼくはカナブンをはみながらそう結論付けた。
ふう、おいしかった。
じゃあ次行ってみようじゃあないの。
暖かい場所を求めて。
ひよこ
合計経験値:25