【ウンコスキル】
「言っていなかったんだが、お前には『ウンコスキル』がある」
「だからなんなの、それ?」
甘華ちゃんと会った日の夜。
夜中だったらいいかなって思って、
(お願い、う〇ち出てきて……う〇ち、う〇ち……)
って心の中で訴えまくっていたら、早速お腹が痛くなってきて。
トイレでう〇ちを出して、現在う〇ちと会話中。
手に持つのはやっぱり抵抗があるから、便座のカバーの上にビニール袋を引いて、その上にう○ちを乗せている。
相変わらずトイレですると怒って怒鳴ってくるけど、とにかく無視して、甘華ちゃんから聞いた『ウ○コスキル』っていうのについて、訊ねてみた。
「アイドルが普通の少女なら、あんなキラキラ輝いてるはずがないだろう? 俺達ウンコの役目は、ただアイドルを選んで宿るだけじゃねぇ。ちゃんとアイドル足る能力ってのも付加させてやるんだ」
「え、そうなの!? ってことは、魔法か何か!?」
「まあ、似たようなもんだ。『チートスキル』って知らないか?」
「知らない」
何それ、聞いたことない――――けど。
「でもでも、スキルってことは磨けば光るってことだよね?」
「どっちかって言うと、超能力とかそっちだな」
「すっごーい! えぇ、どんなの、どんなの!?」
すごい、そんな超能力みたいなのが使えるようになるなんて、やっぱりアイドルは普通の女の子じゃなかったんだね。
これだよ、これ。
私が求めていた理想のアイドルって、やっぱりこうじゃなくちゃ。
アイドルはただ下品なだけじゃなかったんだ、よかった。
「アイドルが持つ『ウンコスキル』は、宿る『ウンP』によって違う。そうだな……例えば、スキル『天使の歌声』は、聴くものを虜にする魅惑の声。『女神の踊り』は見るものを魅了するダンススキル。ってな感じで、そのアイドルの個性を押し出したり、ファンを夢中にさせる能力を付加させることができるんだ」
「はぁー、すごいっ! ねぇ、ねぇ私のスキルは? 早く教えて、教えてっ! アイドルって言われてから、初めて私ワクワクしてきたよ」
ワクワクが止まらないよ!
「まぁ、確かに最初に説明するべきだったかもしれねぇな」
「それでそれで? ねぇ、私のスキルは?」
「うむ、今こそ教えてやる」
そう言ってう〇ちは「コホン」と咳払いをした。
楽しみ!
なんだろう、歌でもダンスでもどっちでも頑張るから、見てくれる人が好きになってくれるものがいいなぁ。
「驚くなよ?」
ワクワク!
「お前のチートスキルは――――」
ドキドキ……。
「あくしゅ―――――」
「――――握手っ!? わぁ、やったぁ! 握手したらファンを虜にできるんだね!」
「―――違う! 最後まで聞けやゴラァ!」
「えぇっ、ごめんなさい」
違うの?
握手で何かできるってことだよね?そうだよね?
「いいか、お前のスキルは――――」
コホン、ともう一度咳払いするう〇ち。
「―――――『悪臭』だ」
「握手?」
「悪臭」
「……あくしゅ」
「あくしゅう」
「え?」
「だから悪臭」
「ん?」
「しつけーな! つまりはクッセー匂いを発せられる能力だ」
「へぇ~、あーなるほど……悪臭、ね。あはは……」
―――――何そのう◯ちみたいなスキルっ!?
お読みいただきありがとうございます( ◍>◡<◍)。✧♡
☆twitterもやっておりますので、よろしければフォローお願いします☆
→https://twitter.com/amanogawa_saki