一話
6歳を迎え、社交界デビューが決まったのは、定例の天川大公家のパーティーと決まった……。ダンスは、まあ、何とかなるでしょう?っていう感じの段階になった。
ここで、主な家柄の紹介と行こうか……。大公は五家……、先述の天川家、鷹司家、近衛家、一条家、二条家、公爵は七家……、三条家、四堂家、五月家、六山家、七生家、八頭家、九重家がある。侯爵、子爵は諸家ある為割愛する。
各家でそれぞれだが、家柄意識が高く他家、特に下の家柄を侮蔑している家柄も有れば、そうでない家柄、家の中でも分かれていたりするが、天川家は分け隔てない家柄として侯爵以下の家柄からは歓迎されている……らしい。
「今回のパーティーは、幾ら下の家柄に対して分け隔てない天川家とは言え、粗相が無い様に、な。特に、鷹司家、一条から三条家は階級意識が高い家柄で、やっかみもあるだろうから気をつけて、な」
皇都へ上都し、パーティー会場となる天川大公家屋敷に向かう中、父親に注意を受けた。
「はい、父上。気をつけて参ります」
僕は、父親の助言を肝に銘じた。まあ、向こうから絡んで来てしまうんだけどね……。まだ、砂糖で儲ける前の事であり、綿の栽培・取り引きの増大で少しずつ領地経営が上向きになってきた頃の事で、まだまだ見くびられていた状況だった。