不思議な夢の中で神様に会いました
ん・・ここは一体・・・?
私はベイスが差し出した「鍵穴」の事について少し思考したのち、激しい頭痛にあいそのまま地面に倒れこんでしまっていた。
今私がいるのは、見渡す限り真っ白な部屋?のような場所だ。
「誰か!誰かいないのか!?」
私は可能な限りで大きい声で叫んだ。
声がよく響き耳をすましたらこだましてるように聞こえた。
今立っている場所は本当に真っ白だ。見渡す限り白以外の色は確認できない。
国防軍のグレーを基調とした制服を身に纏った自分だけが『この空間』内で除外されている気にもなった。
私は誰もこの空間にいない事を確認したのちに気が抜けた声で言った。
「誰も・・いないのか・・」
私は脚の力が抜けて地面に座りこんだ。実際こんなに色が目立ちやすい空間の中に誰か人がいればすぐにわかるはずだ。
「ここは夢の中・・・それもただの夢じゃない、そう言っておくわ」
不意に私が座っている後方あたりから女のような声がした。
「誰か・・・いるのか!?」
私は声がした方向に振り向きつつ言った。後ろに振り向き終え私の視界の中には不思議な出来事がが起きていた。
「宙に人が浮かんでいる……!?」
私は無意識に声が出てしまっていた。仕方がないだろう。それに浮かんでいる女性は身長は男である私よりもでかい…恐らく190以上はあるだろう。顔立ちはヨーロッパ系、最低でもアジアやアフリカ系ではないのは確かだ。目はここから見る限りは青色…いや片方は青色でもう片方は緑色の眼だった。その女性は白いワンピースを着ていた。
「そんなに驚かないでよ。ここはあくまで『夢の中』、『夢の世界』、宙に浮かぶくらい簡単」
「……突然だが質問をしても良いか?」
私は『普段の世界』でベイスと話していた会話を思い出した。
“『神』が世界を救えと、お前達はそこにいるべきではない”
『神』?
私の頭の中に1つ考えが生まれた。
(もしかしたら目の前で浮かんでいるこの女性はその『神』なのではないか?)
「貴女は……神様なのか?」
ここが夢の中だとしても神様に会えればそれはそれは幸運だ。それに今気づいた、夢にしては少しどころじゃなくリアルすぎるのだ。制服の質や、脚に力が抜けて地面に座りこんだ時のあの感触。明らかに夢の次元を超えている。
「あ……」
女は図星だったのか少し驚いた顔をしていた。
「フッ、私を『神』となんのヒントもなく当てられたのは貴方が初めて・・
そうよ、私が『神』」
彼女…いや神はこの後に「自分で言うのもあれだけど」と付け足した。
「ならば神よ、なぜ私をここへ?そもそもここは本当に夢の中なのです?」
神と宣言されては敬語を使わずにはいられない。そうでもしないとこの後に罰当たりな事が起こりそうで怖かったからだ。
「とりあえず言っておくわ・・貴方達は世界を救わなければならない。それも『今存在している世界』ではない『他の世界』を」
「……?なんです『他の世界』って…」
私は単に気になった。世界を救うのはわかる。だが、他の世界?意味が分からなかった。
「うーん…そうね簡単に言えば『異世界』を救って欲しいの。無論、異世界ですから地球には存在していません」
ほう、『異世界』か…
ここで一般の下士官や士官などなら「ふざけるな、我々軍人は自分の国を守るのが任務!」
などと言ってキッパリお断りするだろう。
だが私は逆に『異世界』というものが気になった。
私の趣味はオカルト関係の本の収集だ。当然異世界などそういうのは興味がある。
「面白そうだな…」
私は自分の意思を正直に言った。なぜなら異世界に行くのは自分ただ1人だけだと思っていたからだ。
「……言うと思ったわ。リッペンドロップ少将。今から見せたいものがあるの貴方はそこで立っているだけで良いわ…」
突然真っ白だった空間が一変し、その変わり果てた空間に私は驚きを隠せなかった。
「そ……空っ!?」
自分がさっきまでいた真っ白い空間とはうって変わって私の眼中に空が入ってきた。
下を向いて見る。なんと私は空中に浮かんでいた。それも高度は500メートルはある。
ふと正面を見ると『神』がこちらを向いて浮かんでいた。その顔には笑顔が浮かんでいた。
「どう?空を飛ぶ気分は?と言っても私が貴方の全方位に高画質なディスプレイを展開しただけなんだけどね・・」
少しテンションを下げて『神』は言った。
そんな事を聞きつつ私は下の世界を観察していた。
ほう、森の道と思われるのを少し行けば平野に抜ける・・・ん?あれは一体なんなんだ?
私の目に入ってきたのは明らかに巨大な人工物だった。
「あれは…SS(武装親衛隊)の旗じゃないか!!」
なぜこんなとこにSSの基地があるのか?ひと目でそれは軍用の基地であるのはわかった。しかしその基地は巨大すぎた。直径は約700m、半径は・・・よく分からない。それくらい大きいのだ。私は国防軍所属だがSSの事も少しは知ってるつもりだ。だがこんな巨大な基地を親衛隊が持っているというのは知らなかった。
「彼らが貴方達より一足早く異世界に来ているわ」
神が少し勝ち誇ったかのように言った。
「貴方達(国防軍)が異世界に行ったのなら早いうちに彼らの基地に向かった方が良いわね。彼らには与えられるだけの物は与えたからね」
映像は切り替わり先ほどの白い空間へと変わった。
「リッペンドロップ少将・・・貴方は早くあの世界に行き、世界を救わなければなりません。直接私が地面に降り、世界を救済したいのですが残念ながらそれはできません。だから貴方達が世界を救済するのです!」
神様は私に託した。つまりは世界を救うか救わないかは自分に託されたのだ。
「やりましょう!必ずや世界を救済して見せます!!」
私は自信満々に言い放った。覚悟は出来ていた。世界を救う。国ではなく世界を、その言葉に私は強い憧れを持ったからだ。
「リッペンドロップ少将、及び国防軍をカテゴリーA以上の救世主として認めます!!援軍も比較的速やかにお送りしましょう!ご武運を・・・」
神が興奮じみた感じで言い放った。直後私は長いそして不思議な夢の終わりを告げるのであった。
1日で出来た…
これからも頑張ります。
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