第四・五 『結論:女の気持ちは理解できない』
番外編的なー、(短いけど)今までのまとめ的なー…そんな緩い感じです
*翌日昼休み 中庭中央付近
男性が一番理解できないもの…それは女性の心情ではないだろうか
俺だって、誰の心情も理解できやしないさ
でも、この世界を抜けるためには、その心情が一番大事なんだ
「だからってさー…急に国語の勉強しないでよー」
「国語で〇〇さんの心情を答えなさいとかの問題あるじゃん、あれを現実に応用したら…」
「おいおい、女の気持ちをハチャメチャにする気かよ」
これだからケンちゃんはーもーと嬉しそうに言ってるあたり、こいつは世話を焼くのは好きなようだ
俺がこいつを観察する理由…それは単純。
この世界の原理、何より、こいつが『攻略対象者』なのではないだろうかという疑問も多くあるのだから
「ケンちゃん、俺のこと大好きだよなー」
「お前がなー」
と返せば、それもそうかと明日の顔で爽やかに笑う
あー、あれだ、アレ。女子校でやたらと運動部がモテる現象的なアレ。
穂波と明日が混ざればそんな感じなのだろう
「ケンちゃーん、俺の好きなところ3個言ってー、穂波不安になっちゃうー」
やけに媚びた女のような声を出しながら、俺に言う
「えー、全部ー、全部ー、全部ー…あー後、俺が好きなところー。つか、そんな彼女みたいなこと言ってないでさー、手伝えよ」
「わかったー。全部ねぇ…」
「そんな疑い深く見るなよ、まぁ実質二つしか言ってない、けどよ…お前なら俺のこと分かってくれるだろう?」
「ケンちゃん…!」
待って、そんな純粋無択な目で見ないで、痛いから、痛いから(心が)
いやぁ、浄化されるぅ…!
「そういえば、高菜ちゃん、こっち側についたんだ」
「攻略完了っていうだけだから、でも懐いてくれたのは嬉しいなぁ」
「親みたいな顔してるぞぉー?」
「おっととい」
高菜ちゃん攻略完了後、俺は無事に家まで帰れたし、高菜ちゃんも無事だった
携帯番号やら交換してから、lineでたまに話しかけてくれるから、これでオッケー
もちろん、友人として出来ることは全てやってる
一緒の帰り道らしく、コウちゃんと一緒に帰ったが笑顔で接してくれた
「うーし、もうちょい頑張るか」
「うん、頑張れー!俺なんにもできないけど、応援はしてるな!」
目を細めて笑うのは明日の顔だが、穂波は穂波だと安心できる笑顔だからこそ、俺も安心してしまう
おうとだけ、答えて。
俺は、メロンストロベリーバナリンゴグレープパンを一口食べた。
「そのパン、名前長すぎね?」
「でも、うまいからよし」