22/23
第十五 『作れ、戻れる道を』
「違う、違うよ…」
私は、焦った様にその言葉を口に出した。
「旗靡さんはやってない」
彼女に目線を向けながら。
「はぁ?!何言ってんだよ!前原!」
「あの時……私は旗靡さんと一緒にいた。」
「前原、嘘をつくな」
「先生まで…!!!」
ダメなのか、いや、ダメじゃない。
まだ道はあるんだ。
頭を巡らせろ。考えればすぐに…!!
………そうだ。
「…あの時、私は七音ちゃんに付き添って、プールを出ました。」
これは本当。
「そのあと、教室に向かったんです。七音ちゃんの荷物を取るために。」
「おい」
「私が、行った時に」
「前原」
「旗靡さんはいませんでした」
私は、先生の目を確かに見据えながら、その嘘を伝えた。
「…前原」
微かに聞こえたその声に、私はその人物へと目を向けた。
「嘘をつくなよ」
泣きそうな目で、私を見つめる園ちゃんがいた。




