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第十二 『苦渋の決断』

「…っ!当たり前だよ!私、一人でも園ちゃんを助けるの…!」

「うん、じゃあ、私が今から言うことをして」

助かる保証は出来ないけど、俺の精一杯の作戦なんだ。

「高菜ちゃん、貴方が嘘をついて現場不在証明アリバイになればいい」

「アリバイ…あ」

気づいてくれたか。

「旗靡さんがやってないことを貴方自身が証明すればいい、嘘をついてでも」

「…分かった、私やる!」

目の色は変わらず、助けるということだけを目的に猪突猛進しようとしているようだった。

ふんと意気込む高菜ちゃんにとりあえず、今の状況を聞くことにした。

「えっと、簡単に言うと…お金がなくなって、一番怪しいのが園ちゃんだからっていう理由で犯人扱いされててね…みんな、みんなで攻め立ててるの。それで、また今度学級会議があるの。そこで誰が取ったかちゃんとはっきりさせようって先生が…。」

また今度…?俺の退院は一週間後だし…間に合えばいいんだが。

とりあえず、聞いてみよう。

「また今度っていうのは、いつなの?」

「…今日から、五日後の水曜日。5、6限目に。」

間に合わないか…。

…待て、お助け役は必要だよな?

穂波がいるが、いざという時に動くほどの度胸がこいつにはないはずだ。

(失礼じゃない?)

失礼じゃねぇよ、幼馴染だろ。こちとら知りたくなくてもなんでも知ってるんだぞ。

まぁ、しらねぇこともありだろうけどさ。

(まぁ、そうだね)

「あっ…あのさ、その学級会議、私の代わりって言うことで入っても大丈夫?」

「えっ、と…聞いてみる。ちょっと待っててね」

と言って、病室を出て行く。

「…どうするの、七音」

「どうするもこうするも、作戦が一応あるんだ。」

「作戦?」

「時間稼ぎをしてもらう、俺ら…俺だけか、俺が行くまでの間…よろしくな」

「…よぉし、任せろー!幼馴染の頼みを断らない俺いいねー!最高!」

最近話題の全肯定なんちゃらでも飼ってるのか、こいつ。

「俺が予想してるのだとさ」

ちゃっちゃとメモに作戦を書いていく。

(・黙ってる、これならこっちが勝手に話を進めればいい。楽チン)

(・本人が否定してる場合、おそらくそれは本当にやってるから、そのまま鞄でもなんでもしていい。)

(・本人が肯定してる場合、これが一番厄介なパターンで、多分ずっとこっちの意見を否定してくる。)

「最後のだけは、回避したいけどなぁ…。つか、これ固定イベント…?」

「いや…俺がやったルート全部だと、こんなのなかった…。」

うーんと唸る明日に俺は思わず頭をかしげた。

「お前、確か全ルートやってなかったか?」

「いや、そうなんだけどさ、ここまで来て、いろんなルートあっただろ?

いわゆる隠しルートかなぁとか考えたんだよ。もしくは、パラレルワールド(派生ルート)…二次創作ルートみたいな。」

「二次創作ルート混ざるのとかありかよ」

「いや、まぁ、ありえないことではないけど…例えば、俺が死んだとして…」

「お前じゃなくて、俺殺せよ。」

「いや、そこどうでもいいから、例えだから…。」

呆れたような顔をして、はぁとため息をつく。

なんだよ、そんなため息しなくていいじゃん。

「まぁ、俺が死んだとして……明日を推してる人が悲しむだろ?…そしたら、生存ルートを作ろうとするんだ。」

「あー…なるほどぉ。つまりは…待て、死亡ルートなんてなかったよな」

「それなんだよ…死亡ルートなんて……一つしかないんだよ」

一つしかない…?

「全員…主人公含める全員の死亡ルート。生徒会長のヤンデレルートだよ。心中ルートとも言えるな。」

心中ルートぉ?

「えっ、そんなの回避できるだろ?」

「まぁ…そうなんだけどね…」

廊下からたったったと走ってくる音が聞こえた。

ガララッとドアの開く音が聞こえてきた。

「先生いいよって!」

嬉しそうに入ってきたのは高菜ちゃんだった。

「どうしたの?嬉しそうにして…」

「あのね!先生は味方なの!園ちゃんを信じてくれてるの!」

わぁい!と嬉しそうにニコニコと微笑んでいる。

(癒されるわ…)

だろうな…つかわざわざ、それの為にテレパシー的な力使うなよ…

(俺の自由ですー)

はいはい、穂波くんの自由ですねー

「…じゃあ、私の代役を頼むね」

「誰誰?」

キラキラとした瞳は、

「コウちゃん」

俺の一言で

「えっ?」

黒く濁った。

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