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第九 『紙に記録はどれほど残せるか』

「はぁ…暇だ。」

「俺いるのに、暇だとかねぇだろ、アホ。」

目の前にいる美少女が毒を吐き、拗ねる。

と言っても、中身は友人だ。

学校が終わって、すぐにこちらへ向かってきては俺の愚痴を聞いてくれる良い親友だ。

「うし、今までの情報を紙に書きおこすか?」

「できる限りの協力はするけどさ…」

「まずー…」

暇なため、勉強や落書きなどで使っていたノートを鞄から出す。

「…何書く?」

「けんちゃんに任せるけどさ…」

何を書けばいいのか、分からず、親友に話を振る。

だが、親友は呆れたように返事をするだけだった。

ちくしょう、この裏切り者め!

「まずー…今んとこ出てきた登場人物とか…?」

「あっ、漢字教えるから、まだ書くなよ?」

「えっ、もう書いちった…、てへぺろ」

「あらやだ、可愛い…じゃなくて、誰だ?」

「おい、急に黙るなよ…」

…あー…

「ま、まさか、健ちゃん…!」

バッと身を乗り出して、目の前にあった紙を奪う。

明日オレの名前じゃん…!」

悲痛な叫びをあげる穂波の肩に手を置く。

フッと鼻で笑いながら。

「お前ぇぇ!!」

「いや、仕方ないじゃん!宇保町明日って書きにくくない?!」

雨穂町って書き間違えたからって怒らなくてもいいじゃん、ね!?

「ほ、ほら!ほって言われたら、穂波の穂しか出てこないんだって!」

ウガァァと暴れる目の前の怪物に対して、ヒィィィと声をあげながら、腕で守りを固める。

慌てて、弁解をすると、穂波の声が聞こえなくなった。

「ほ、穂波?」

恐る恐る腕を下げ、ちらりと見る。

目の前には、ゆでダコな美少女が。

「おー、真っ赤だぁ…」

「う、うっせぇー…」

「穂波」

俺が、穂波のことを呼んだ瞬間にコンコンとノックが響いた。

「はーい」

すっとドアを開け入ってきたのは、高菜ちゃんだった。

「おわっ!」

俺を見るなり、抱きついてくる。

ギューと身体が痛くならない程度に手加減された力加減で抱きつかれる。

「よかったぁ…生きてたぁ…!」

あっ、いい香りするぅ…ウヘヘ。

「高菜ちゃん、病人病人…」

トントンと肩を叩かれ、ハッとしたのか、温もりが離れていく。

ご、ごめんねと赤い顔で謝られ、大丈夫だよと答えた。

ちくしょう、穂波の野郎…後で締め上げてやろう…ふふふ

「…あ、あのね!た、大変なことがあってね!」

俺がふざけたことを考えている中、高菜ちゃんは少し思いつめたような顔をしてから、

秘密を打ち明けるかのように、ひっそりと焦りながら話し始めた。

「旗靡園、覚えてる?」

「あー…うん、覚えてるよ。」

「一緒のクラスだしね。」

「そのね」

もじもじと指で指を弄る。

とても言いにくそうだ。

「大丈夫?」

「大丈夫、あのね…旗靡さんが…ううん、園ちゃんが、犯人に仕立て上げられたの!」



寒くなってきましたね、でもまだまだ夏なんですよね。

夏休みもまだなんです。今年一番の衝撃です。


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