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シロツメクサの思い出

クリア特典 おまけ話『二人の約束』

「じゃーん、花冠!」

出来上がったものを掲げる穂波、手に持っているのは見事な白詰草の花冠だ。

「おっ、すげー」

「俺こういうの得意っぽい!」

「指輪しか作れねえから、すごいな」

俺には出来ないから、素直に賞賛すると、ご機嫌に俺に差し出してきた。

「健ちゃんにあーげる」

「……穂波の方が似合うよ、ほら」

一度受け取り、穂波の頭にのせてやると、頬が膨れてしまった。

拗ねた。

「健ちゃんに作ったのにぃ……」

同い年なのに、若干幼なげが残る穂波の手を取る。

「ほーら、健ちゃん特製の指輪もあげるぞー」

「……」

人差し指にはめてやると、違うと目で訴えてくる。

何が違うんだよ、機嫌なおせって。

「俺らもう2年生のお兄さんだぞ、すねんなって」

「違う!拗ねてないっ!

健ちゃんが間違ってるんだよ!」

「なにが違うんだよ、指輪だから指だろ」

「ちーがーうー!!」

駄々捏ねが始まった。

いつもはさっと切り替えるのに、今日は面倒くさい日か。

「マ…母さんが言ってたんだよ。

指輪は、左手の薬指だって」

………………。

盛大な勘違いをしている、それは結婚指輪だ。

前父さんに教えてもらったことを思い出す。

ずいっと目の前に手を出される。

嵌め直せと、目で訴えられる。

俺より賢いと勘違いして、ドヤ顔をしているのも腹が立つ。

……可愛い間違いを正すのも面白くない、ここはノッて、あとで恥をかいたところを笑ってやろう。

「……ほら、満足した?」

「うん!へへ……」

やったやったーと喜ぶのを見て、少し嬉しくなる。

不器用なせいで、ぐちゃぐちゃになった白詰草の指輪でも喜んでくれている。

その事実が嬉しい。

「いつか本物買ってやるよ」

嬉しくなり、調子に乗って伝えると、穂波は目を輝かせて、跳ねて喜び始めた。

「じゃあさじゃあさ、ドラゴンのかっこいいやつで、ダイヤいっぱいのギラギラのやつ!」

「いいぜ〜、俺将来は大金持ちだからな!

ものすんごいかっこいいの買ってやるからな!」

「やったー!約束だよ!!健ちゃん!」

小さい時の夢が溢れるような約束。

その後薬指の意味を知った穂波が顔を真っ赤にして、結婚しなきゃと言い始めることは、その時の俺はまだ知らない。

「だって、テレビでやってたし。」

「確かに本物買うって言ったし、薬指に嵌めたけど」

「そーいうの無責任な男って言うんだよ!」

「おばさん、いつもなんのドラマ観てんの!?」

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