開幕 『俺が美少女になった経緯』
「よ!おはよー、健ちゃん元気ー?」
「おうよー!元気元気!穂波こそ、サッカーの調子はどうだ?」
「んー、微妙っぽいなー。足いてぇし…」
「まだ治ってないのにやるなって言っただろ…はぁ…」
幼馴染(男)との朝の会話
調子を聞いて、アドバイスしてあげて…
まるでゲームの中の幼馴染(女)のように健気に心配する
そして、俺の毎日の学校生活はこの会話から始まっていく
教室に入れば、女子は挨拶してくれるし、男子とはアニメトークができる。
ん〜、パラダイス。ここに巨乳の美人なお姉さま系の先生がいたら最高である。
なぜ、俺がこんなことを言ってるかって?
ハゲジジィが担任だからだ、しかも因縁つけてくる系の…
この前だって、穂波が怪我したから保健室に連れて行こうとしたら
「お前ら、嘘ついてるだろ」って疑ってきたのだから、どうにも好まない
「また、変なこと考えてるだろー」「そうそう、健ちゃんいっつもそうだよなー!でも、巨乳正義だわ」
「お前、俺に戦争を仕掛けてきたな」「お、お前貧乳派か?じゃあ、俺、そっちサイドなー」
男子軍が俺の戯言を聞いて、講義を始める
そこに割り込んできたのは穂波だった
「お前らわかってねぇなー!女子は…美乳がいいに決まってんだろ?!」
イケメンフェイスで決めてきたので、男子軍がははぁーと跪いている
「男子キモーいw」「ちょっと写真撮るから待ってー」「ちょ、なにしてんのw」「イケメンフェイスで穂波くんがwww」
女子軍から文句が来たので、整列し
「ゴメンなさい!」
の一言で収める
すると、皆が笑い場は和やかになる
これが、予鈴がなる前までに続くので暇にならないのだ
「よーし!今日も頑張るぞー!」
「おー!」
俺の掛け声とともに皆が叫ぶ
隣クラスから「うるさーい」と笑いながらの声が聞こえたが、気にしない
さぁ、俺の1日が始まった
〜・〜・〜・〜・〜
もう、放課後だ
部活には入っていない、だから…
「穂波ー!帰るぞー!」
「おう!」
アパートが隣なのに、一緒に帰らなくちゃ面白く無い。
帰りに菓子を買って、分け合いながら食べる
昔からの習慣
そして家に着けば、明日を楽しみにしながら眠る。
俺の1日はここで終了だ。
*
ピピピピピピピ…
「んぅ…」
寝ぼけ眼をこすって、鳴り響いていたアラームを止めた
覚醒していない脳など気にせずに体を起こす
「まだ、眠いなぁ…ん?」
やけに高い声が聞こえた
それは自分の声とは違ったのだが、これはもしかして自分の部屋に謎の美少女がいるなどというフラグなのではないだろうか?
キョロキョロと見渡しても誰もいない
「一体……?」
自分の思った言葉と一緒の言葉が聞こえた
それは先程の高い声で…
まさか…!?
俺は階段を駆け下りた
「うるさいわよー!」
母親の声が聞こえた
まさか…いやでも
階段を駆け下りたせいで息が切れてしまったので、勢いよく吸って、目の間にある鏡を見た
「な、ななんで…」
なんで、俺が美少女になってんだよぉぉ!?