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城での戦い

「さて魔族狩りの始まりだ」


 セバスはもうすべて語っていて具体的な魔王軍の作戦はほとんど知らなかった。ただセバスの送り込みから魔王様はどうやら人間を舐めてる。と言うより召喚者を舐めてる。あれは一騎当千の人間離れした連中だ。僕らを舐めた事を思い知らせてやる。この世界の人間だけなら確かに魔王様の戦略は間違っていなかったのかもしれない。さてと多分魔王様はもう一つの部下で先行部隊にしてるだろう。かなりそれが強かったからな。でもその方法こそが僕には最も美味しいんだ。僕は徐々に強くなる敵なら無敵だ。最初に強大な敵をぶつけられたら弱い。ただじわじわと侵食するって良い作戦だ。王国軍が後手に回ってるのはそこが大きいから。魔物の自然襲撃に見せかけてるからすぐに構えられない。じゃあその戦略を利用させてもらうか。ただ万が一外れてるのは計算に入れて。


 情報を整理して辺境の村で異変があった場所をすべて調べた。読みどおり雑魚兵ばかりで僕は魔族の部隊が出来る手ごたえを感じていた。後は勇者パーティを王国から派遣してもらうだけだな。ここまでは簡単なんだ。ここから魔王軍の主力と戦わなくてはいけない。とにかく幹部が怖い。楽勝だといってて怯えてるじゃないか?そりゃそうだあれは王国との全面戦争であればで、僕一人で大半の軍を相手にするのはさすがに、なんとか幹部が勇者パーティと当たって欲しい。彼らの実力は僕が良く知ってる。魔王にはてごずるだろうが、だからこそ幹部など瞬殺してくれないと困る。幹部が動くまでモンスター部隊を狩って狩って狩りまくった。兵が一人ぐらいならその相手と戦うだけで、後はいつものアンデッド作戦だから。相手の数が多いほど僕は強い。以前は乱戦が怖くて仕方なかったけど、今はモンスター相手なら多分一番得意。乱戦だからこそ僕を狙ってくるような相手が居ないから。僕は統率してる兵隊も勝手に死ぬと言う事態に何度も当たっていた。これは想定していた。実を言うと最初の戦闘が一番驚いた。あの時初めて魔の人を見たから。乱戦の中セバスなどの魔族を鍛えていた。


 なるほど何故魔人と統一されないか良く分かった。セバスは上手く人型になったけど、すべてがそうじゃなかった。そういったタイプは悪魔、魔族と言ったほうがすっきりする。後見た目と知性は単純には一致し無い。基本人型は賢いが、たまにモンスターにしか見えないタイプで話してくる相手が居る。まあミーシャも狼の姿になる事があるから。あれも段々可愛くなってきた。僕こんな事し始めたせいでモンスター前よりは好きだな…。大量に虐殺してたけどね。愛着わくのに時間がかかるからね。


「さてとあれだろうな。どうセバス?」

「そうですね、魔族の城ですね」

「魔族って城作れるの?」

「出来ない事は無いですがあれは人から奪ったものですね。基本地下にダンジョンとして彫っていきますから」


 やっかいだなあんな狭い場所じゃドラゴンが使えない。ダンジョンなら広間があると思うけど、城は不味いな。僕は行かなきゃ不味いよな。確かに魔族部隊は無茶苦茶強い。だがそのベースとなった連中は幹部の下っ端なんだろ…。数が違うから彼らで行けると思うけど。


 とりあえず大量のモンスターを今まで使ってきたのでそれらを先行させた。熟練兵の特徴覚えておいてよかった。こういう時スラリンとかミーシャが役に立つ。二人もかなり覚えているから。後はセバスたちに任せて、分けた部隊を先行させた。ストックされるので次々クリエイトした。僕は忙しかったが、ミーシャが


「さながら百鬼夜行ですね」

「それ世界観が違うよー」


 そういいつつミーシャが笑ってたので僕も笑っていた。余裕だったわけじゃない。僕が疲れていたので逆に気を使ってくれたのだろう。段々ミーシャの良い所も見えてきた。日常会話なら文句なしにスラリンだが、こういう場所では彼女の先回りした気遣い助かる。この作戦僕の負担が大きいからな。ただ大きな被害を受けると思うが、幹部はこれぐらいじゃ死んでくれないだろうな。逆に怖いがそれを僕は欲しいんだ。


「出てこないねセバス。死んだかそれとも警戒してるかどっちだと思う?」

「警戒でしょうね」

「行くしか無いのか…」


 これぞまさに冒険者。僕らは精鋭部隊とセバスを頂点とした悪魔部隊で城に入っていた。やはりドラゴンは使えなかった。あの雄姿が糞づまりみたいに城で止まってしまっては困る。緊張感があった。城の中はモンスターの死体だらけだ。惨劇とはまさにこれだ。いくら死んでなくても手ごたえはある。ミーシャが名づけてくれた百鬼夜行は単体の強さが馬鹿らしくなるほど強力なんだ。そもそもそれほど強大なら何故城をモンスターで固めるんだ?役に立つに決まってるんだ。それが逆にパワーアップして牙をむいてくる。無傷でいられないのは論理なんだ。いやーダメージはありましたよ。しかしなんだあいつは。怖いと感じた。ちなみに僕は一切手を出してない。セバスの時の油断から僕は回りを柔軟な頭の知性的な強兵で固めた。知性を超えるのがドラゴンなのだが、今回使えないのが痛い。そんなに大きな敵じゃなかった。でも力は強いし、頑丈だし、何より魔法が凄かった。僕の魔族部隊が一人犠牲になった。さすがに話せる部下が死ぬのは辛い。仲間になって日が浅いのであんまり話した事は無いけど全く会話がなかったわけじゃない。


 魔王はあのさらに上だろ?参ったな。ただやっぱり僕らが到着した時はすでに弱っていた。つかー一人でこの部屋に来たモンスター倒したのかよ。それでガチな精鋭一人殺してしまうなんて。確かに僕の力は有効だった。でも当初考えていた楽勝ムードに少し水を指された。早く勇者パーティーと合流したいーー。あいつらが楽するために大変な仕事を引き受けてしまった。一人で万の軍勢と幹部、複数の部隊長倒してるからな。部隊長みたいに百鬼夜行に巻き込まれて死んでくれよ。


 なんだろう厳しい戦いなのに充実感が無い。もうあそこまで自信満々でマスターに行ってしまったから後に引き返せなくてやってる。確かに別にかすり傷一つなく来てる。でも、もっと楽だと思ってた。ただ国境を過ぎたことで国王には何も伝えられないだろう安心感はあった。この規模王国でやったらさすがにばれる。当初の目的と変わってた。是が非でも楽勝で倒さなくてはいけない。


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