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魔王軍

「マスター」

「はいはい」


 僕はマスターにすぐ奥のマスターの個室にいくように話した。


「マスター王様にも話してない話するのでこれどうするか?マスターが判断してください」

「なんで王様に言わないのー」

「僕はねマスターの困る顔が好きなんですよ」

「ヤマト君昔はアビリティについてとか素直に私に頼って聞いてくれて可愛かったのに」

「今それしか楽しみ無いんですよ。マスターが悪いんですよ。僕に召喚士の歴史の話をするから。あんな事聞いて僕がいい顔するわけじゃないですか。間違いなく召喚者にとってマスターはマシな召喚士ですからね」

「ゴメンそれ聞いたら聞かなくちゃね」

「本当はマスターにそういう重荷背負わせたくないんですよね」

「君分からないよ…」

「僕自身すごく複雑な気持です。僕マスター大切な人なんですけどね。だからって他の皆みたいに接する事が出来ないから。ただシンプルな気持もありますよ。あなた王国とどうやって付き合うか?もっと突っ込むべきです。それは僕が判断する事じゃ無いです。だから情報だけ与えてあげるんですよ」

「良いよ聞くから」

「魔のトップである魔王が攻めてきます。今回の一件はその前哨戦です」

「何それすごい重要じゃない」

「僕ねいざとなったらギルドさえあればこんな国潰れても良いんですよ。魔王軍利用してマスターを国のトップにしようかな?とか画策してるわけです」

「自分でやれば良いじゃない」

「マスター自分の力が分かって無い。僕だけを配下にすれば、マスターは他のギルメンも配下になるわけです。僕としてはそっちのほうが都合良い訳です。相手が魔王すべてを決定するのは僕のアビリティです。しかし、僕がギルメンを敵に回すと少々てこずるわけです。僕はその辺りじゃんけんみたいな立場なので、そこまで強くないんですよ」

「私そんな気無いからね?」

「そういうと思っていました。マスター中途半端だからね。王国の召喚制度に文句があるなら王国潰せるチャンスがあるなら使えば良いでしょ?」

「いやそれは」

「実は冗談。だって僕もそんなの面倒だと思うからねマスターね良い人すぎるんですよ」

「いつも私のエゴだと批判してるじゃないー」


「程度問題がありますからね。全く利己的じゃない人なんておかしいでしょ。正直にそこまでやりたくないと言えば良いんですよ。ただ僕には手に余るから判断を仰ぐため王様の前にマスターに伝えたと僕は言ったと言ってくれて良いです。ちなみに僕これ独自に動きたいのでお金くれませんか?」

「強迫?」

「後々王国からたんまり金もらえます。ただそうなってからだと遅いので先に手を売っておいてしょぼい案件で王国から金をとろうと考えてるんですよ」

「何を考えてるの?」

「魔王軍を僕がのっとるんですよ。実はね魔族って良い指令モンスターになるんですよ。魔王の部下全員僕の部下にして孤立させて魔王倒そうかなと思いまして。僕としても欲しかったモンスターなので1石2鳥なんですよ。でこれを秘密裏にやらないと王国に僕の力の強大さがばれるのが嫌なんですよ。僕人間相手だと人間虐殺し無いといけないから。あんまりやりたくないんですよね。でもばれたら僕英雄じゃなくて危険人物として狙われますよね?」

「それがヤマト君の幸せなの?」

「ちょいね。計画通り行く自信があるからはっきり行って面白く無いです。今回すべてもう結論まで見えてしまったから」


 僕はセバスチャンを図鑑から出した。

「人にしか見えないでしょ?でも僕試した事無いですけどモンスター以外は図鑑に入らないと思うんですよ。セバス元魔王軍だよね?」

「はい、今はヤマト様の忠実な僕です」


 僕はセバスを戻した。

「行けそうでしょ?それが見えたらつまらなくなったんですよ。だから楽しみを求めて王国には全く違うシナリオでゴールを見せてやろうとなったわけです。それ以外楽しみがなくなってしまったんですよ。僕のシナリオはこうです。このギルドの召喚者をパーティにして魔王を討伐するのを王様に取り付けます。僕は秘密裏に動いてそのパーティを有利に運びます。そして最終決戦皆で倒して表の勇者の活躍で魔王は倒されたとやるわけです。僕に報酬が無いわけです。彼らに報酬があったらすべてじゃないですが回してください。どうです?どれだけ僕に力が合ってもマスター以外にこれをまとめられる人間はいませんよ?」

「でもこれ君の遊びだよね…」

「でも、このまま放置したら腰の重い王様はおそらく被害が大きくなってからしか動きませんよ。国民軍隊無駄に死にますよ。僕はマスターが人が良いのを利用し無いと動けないんですよ」

「確かに問題は何も無いのよね。その時が来たら多分私のギルドもどーせ戦うのだから。でもすべてを知ったギルドメンバーはどう思うかしら?」

「簡単ですよ僕はマスターに絶大な信頼を置いてると言えば良いだけです。実際僕は王様よりマスターの人柄を信用してるんですよね。マスターは僕を怖がりませんよ」

「ヤマト君ってアビリティだけ見ると怖くなって当然だよね」


 僕はあまり楽しくは無かった。確かに大量に優秀な魔族の連中を部下に出来る楽しみはあった。彼らは間違いなく放置しておけば人間との争いになる。それを僕が頂こうと言うのだから捨てるなら欲しいと言うわけだ。今回は明確に敵なので罪悪感は0だ。単純に楽しくない。彼らをすべて集めて全面戦争したら僕は命がけのスリリングさを味わえるだろう。でも事前にすべて分かってるのにそんなの楽しくない。無警戒な今各個撃破してやろうと思ってる。セバスがすべて悪いあそこまですべて聞いてわざわざスリリングな戦闘を求めるほど僕は戦闘狂じゃない。それに僕が求めてる戦いはそんなわざと苦しむようなマゾっぽいものじゃない。


 今回本当の敵は王国だ。どうやって利用してやろうかワクワクする。しかも、僕は彼らを好きじゃない。それだけで動機になる。


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