ドラゴン狩り
僕個人がものすごく強くなってるけど、それでも元が一般人だからで、僕は今図鑑のモンスターを全て失ったら始めての冒険者レベルに戻ってしまう。モンスター図鑑へのモンスターのストックこそ僕の最大の財産だった。リンダは最初から強力な魔法使いだが使いにくいって特性は変わって無い。それに較べて僕の柔軟性の高さ。モンスター図鑑の中身でいくらでも僕は変化するスタイルを取れる。アビリティ持ちが基本最初で決まるってのは本当だと思う。正当派の二人はそれらを生かすための上達が合ったと思う。しかしリンダを見てると、最初の強大な魔法の欠点を補うしかしてない。これが無くなったら彼女はかなりレベルが低い冒険者になってしまうと思う。アビリティもちはどんなアビリティを与えられたか?で決まる。悲しいけどこれこのギルドの掟なんだよねー。
戦闘は大味だった。戦略もへったくれもない皆攻撃こそ最大の防御とガンガンと行った。大群と言うよりモンスターの群れ。ここにリンダがまず一発ぶちかマス。これで大半は終ってた。後は距離をとってビーチャが削り、ダックが舞っていた。僕は決死隊を軸とした強力モンスターによる決定打攻撃だった。何匹が犠牲が出て戦闘は終了した。僕の戦い方はこの点においてかなりスマートじゃない。僕は捨て駒を用意してるわけじゃない。死ぬリスクをとった強引な戦略をとる。当然死なないのも当たり前。これらの困難を乗り切った精鋭を次の主力のストックにしていくので競争原理による淘汰システムを作っていた。捨て駒にしてるつもりは一切無い。ただ長い戦闘繰り返しの中で僕の部隊は捨てゴマが必ず存在してるのは事実だった。
ダックがアンデッド使いと僕を評してたのは僕の戦闘スタイルと死んだモンスターを再生するアビリティによるものが大きかった。それをどこかで聞いていたのだろう。実際一緒に戦って
「やはり君はテイマーと言うよりアンデッド使いだな」
と再度評価された。ただ以前とは何か違っていた。やや批判めいた言い方じゃなくなっていた。僕の目的が分かったからだろう。僕は彼らに近づきたかった。それにはそういう犠牲が必要だった。人の戦闘を見てる余裕があるなと感じたけど、僕が決して捨て駒にしてるわけじゃないのは分かってくれたんだと思う。それに僕がモンスターたちを大切にしてるのは分かってくれたし、何よりスラリンが常に僕のそばで付き従ってるのがその証拠だった。
ギルドに帰る途中に僕は当面の目的を話していた。
「僕は今回の依頼を引き受けた最大の目的は僕はドラゴンを倒す依頼を受けたいと思っています。僕のアビリティを見れば分かりますけど。僕の最大の武器はモンスターです。おそらく最強クラスに近いドラゴンが欲しいんです。ただ今でも倒すことは出来ます。でもその場合僕の手持ちのモンスターに多大な犠牲が出ます。だから僕は犠牲を最小限にするため皆さんの力を借りたいと考えています」
ダックは即座に答えてくれた。
「俺は別に良いよ?だって依頼料が減るわけじゃないでしょ?」
「そうなります。ドラゴンを倒すことで死体には何の価値も無いからそれらの中で貴重な部位などは皆さんで分けてください。僕は倒したって事だけが重要になります。アビリティの詳しいことは分からないので僕のモンスター図鑑に組み入れられるとドラゴンの死体に変化が起きるのか?は分かりませんけどね」
二人も同意してくれて
「別に良いよ」
リンダが
「今回も結構死んでたけどもっと誘う?」
「お願いできますか?僕はまだ新人なのでギルドのメンバーとあまりコネが無くて」
ビーチャが突っ込んできた
「ヤマトあんた何か勘違いをしてる。もしかして自分が強くなるのにギルドのメンバー利用する事に変な気を回してない?」
「はい主に僕に得があるので自分勝手だなと思ってて」
「だからそれはダックが答えてるんだけどね。どうも話がずれてのは私ら別にギルドのランクとか拘って無いからね?」
「ええそうなんですか?」
「下の子達と線引きをしてるのはたんに足手まといだからよ。そういう成長の手助けはし無い。それを下の人間に追い抜かれるのを嫌がってるって解釈するのは辞めて欲しいな」
「あ、ごめんなさい」
「だから私の返事は喜んでだよ。幾らでも私ら利用すれば良いよ」
リンダがそこで答えた
「ただ、ギルマスへの不利益になるような話なら断るけどね」




