パーティー紹介
インチキ臭いほどの命中精度の弓使いビーチャ・ヘインズ。女性の地球出身。生まれはアメリカらしい。進んで向こうの話をこのレベルの冒険者は話さない。後ろめたい人じゃなくて、単にこっちでの記憶に上書きされていくかららしい。弓って何かひょろっとした武器に見えるけど、精度が高い弓ほど怖いものは無い。普通は当たらない。彼女は距離が遠くても動いててもかなり当たってしまう。まるで矢がホーミング機能を持ってるような。ええそうなんですアビリティ持ちはチートなんです。特に彼女が凄いのは命中精度ってアビリティの応用の高さでいざとなると石を投げても当たります。高々石ころも投げれば当たるだとものすごい脅威。しかもパーティープレイでの後方支援なら彼女ほど有用なアビリティは無い。ちなみに彼女やり使いで近接も得意。彼女場合剣より槍が良い。槍は必然的に打撃の面積が狭い。これを命中と言う感覚で彼女はとられてるらしい。なんでもありだなこのアビリティ…。
剣聖との異名を持つ剣士ダック・ハモンド。イギリス人らしい。彼も例によって向こうの事を話したがらない。召喚者が当初孤立しやすいのはフレンドリーな召喚者が皆現地人みたいななってしまうから召喚者としての出身地による繋がりが生まれにくい。皆が皆フレンドリーと言うわけじゃなくて、ソロ時代拗らせて自分の世界を作ってしまいそのままソロプレイヤーになってしまうアビリティもちもそれなりにいる。ただ新人のソロを好む傾向と較べると全く違うって話しなだけで。
彼は何故か体ほどアル大剣もダガーも似た感じで使いこなしてしまう。状況によってストックされた剣を変えるそこに彼の特性がある。この様々な剣を切り替える変幻自在こそ彼の持ち味だった。おそらく彼は対人の方が強い。間合いが滅茶苦茶だからだ。それは普通使用者にも影響するが彼にはそれが影響しないむしろ有利に働く。僕は彼の対人戦闘を見たわけじゃないが、彼が若い頃から喧嘩を売られて買っていた事からこの2つ名がついたらしいと聞いている。彼の独特のスタイルから剣の切り替えを魔法の一種だと見てソードマジシャンと呼ぶものもいた。確かにこれは既存の正統派の剣士の戦い方じゃないと思う。基本アビリティはインチキ臭い。
僕は疑問に思って彼に質問してみた
「大剣をダガーのように使いこなすなら常に大剣を使えばいいんじゃないか?}
「うーん上手く説明できないけど、ダガーの方が軽快だと俺には感じるんだ。ただ回りで見てる人はそう思わないだけで」
どーせアビリティ持ちはインチキ臭いから、良いやと思った。最初からすでに強いって何かがおかしいんだ。僕らは神に愛されたチート野郎ですから。彼の良く分からん説明を僕は分かった。どう分かったか?自分でも良く分かって無いんだなと同じアビリティもちとして分かった…。これはビーチェにも言えることで弓では強く感じないけど、早くから才能を開花させた槍においては槍が勝手に動いてると感じる事が度々あるらしい。それもまた達人だと知らない人間は思うだろう。しかし僕らはチートだからなと納得できてしまう。何故強いのか?あまり深く突っ込むアビリティ持ちには馬鹿らしい。そういう僕もインチキくさいんだ。スラリンに聞いたことがあるけど、自分の意思で僕と組んでる彼と違って他のモンスターは僕に高い忠誠心を持つらしい。スラリンもいざ命令されたら命がけでも従うよ?と言ってくれたことがあるから。僕のチートはこの無償のモンスターの僕への奉仕だと思う。かなりもとのモンスターより強くなるのもかなりインチキ臭いけど…。
ただ僕はダックから聞いた話でそれほど僕はインチキ臭い存在じゃないと分かった。大規模な戦闘で別ギルドとも繋がりがある彼が言うにはアンデッド使いが僕のアビリティと似てるらしい。今回始めて組むからまだ彼は僕のアビリティを詳しくは知らない。それでも僕の評判は大体聞いていたようだ。この世界のノーマルな冒険者でもいるようだ。ただ僕は何故テイマーって言わないのだろうか?と疑問に思ったが聞かなかった。
ここまでは正統派だ。十分インチキ臭いが僕のようなトリッキーなアビリティじゃない。最後のメンバーはトリッキーだった。リンダ・ハミルトン、アメリカ人。珍しい同郷なので最初はビーチェと良く組んでいたらしい。ただそれは彼女が後から召喚されたのが大きい。ビーチェにそういった気持があまり無いと分かるとしばらくは離れていたらしい。最近また組んでるのは逆に彼女のアメリカでの記憶が薄くなってきたかららしいけど。彼女は一見正統派の魔法使いだと思う。ただかなり強大な攻撃魔法一発しか最初から使えない。今ではいろいろ他の魔法以外の冒険者としてのスキルが上がったが、今でも魔法はそれ一本だけ。しかも一回の戦闘で数発打てれば良い所。基本一発勝負の一発屋。そうそうこういうのが本当のアビリティ持ちだよねーー。考えようによっては僕よりこれ使いにくいんじゃないか?と思ってる。軌道に乗って来た僕はむしろトリッキーどころか堅実で着実に成長する冒険者じゃないかと思う。最初は本当に苦労したけど。




