ワーウルフ
「スラリンに頼れないから今回は僕の考えを聞いてもらう形になる。ワーウルフで行こうと思う」
「狼好き?」
「リザードマンも考えたけど、人間に近い背丈のモンスターが欲しい。まず身体に近い動きなので僕のレベルアップに繋がりやすいし、なんと言っても武器が人間が使うものをそのまま使える。ゴブリンも小さなナイフとかならもてるけど人間の武器の使い方とは綺麗にリンクし無いから僕が武器を持って戦う動きの向上の狙いが大きい。後は人間の性能の良い武器をそのまま使える。武器による攻撃力の上昇がみこめる。人狼と言う割には体だけで頭の方はスラリンの方がよさそうだけどね」
ワーウルフ、人狼と言われるが、この世界のワーウルフは基本ゴブリン並の知能しかない。人間の言葉を理解する長命種の賢いタイプや生まれつき知性タイプのワーウルフもいるらしいが、滅多にそれは遭遇する事は無いらしい。ゴブリンの大きな攻撃力のアル奴程度の認識で良いとおもう。
未知の相手だからビビッてたけど、スラリンと僕の訓練しまくった2部隊編成の連携攻撃には全く敵じゃなかった。実際それより致命的だったのは、武器が棍棒だもん…。人間の様な文化が発達してたら怖いなと思った。
クリエイト後はまたもや白だった。しかしこれは意味があるのかもと思えてきた。野生種は目立つのは良くない。これは特別の強さを持つ象徴の様な気がしてきた。ワーウルフであってワーウルフではない。もしかしてスラリンみたいに話せないか?と思ってて話しかけてみたら。
「なあワーウルフ」
「何ヤマト?」
ええーーーやっぱり知性種がいるからそうなんだ。
「ごめんーーーー」
スラリンが後ろからもにょもにょと出てきた…。
「酷いよスラリン」
「ごめんごめん」
「しかし改めてスラリンってレアなんだな。これだけ作ってもスラリンだけが知的モンスターだもんな」
「まあ初めて麻雀やってテンホーあがったみたいなものだね」
(また僕の記憶を…。この世界でその例えは無いだろー)
またもや部隊をゴブリンで鍛え上げて、僕ははっきりワーウルフゆえの効果を堪能していた。睨んだとおり直接僕の身体能力のアップに寄与していた。僕らのリンクはパワーアップとかも繋がっている。後足りないのは実際体を動かすシンクロ。ワーウルフの高い身体操作が僕にもシンクロした。むしろワーウルフの方が人間を超えた動きをしだした。さすがにそれは僕には真似出来ないが、高いレベルの訓練をしてるようになった。ただその事で分かったのは純粋な身体だけの戦闘能力なら僕よりワーウルフの方が強くなってしまった…。関羽も張飛も劉備が従えていたしなんて開き直ってた。ただし、ワーウルフの効果は高かった。もうゴブリンをスライムの様に余裕で倒せるようになっていた。ほとんど前線に出ないで僕はかなりのレベルの戦士になっていた。様々な魔法も使えるし、回復も出来るしで僕総合力なら余裕でワーウルフ以上だった。ワーウルフ体つきだけでスカウトしたので魔法はさっぱりだった…。ただ以前スラリンと話したモンスターの属性によって魔法もレベルアップするか?なら半分正解で半分外れだった。僕のベースの魔法のレベルアップも重なっていたようだ。
模擬戦をしてさらに鍛え上げた後に、僕らは明確に10匹以上の大規模なゴブリン狩りを決行した。マスターの言うとおり日が浅い召喚者はある程度強くなると個別の行動が多くてこういった大規模戦闘の依頼はいつまでも残っていた。それを個別に割り振って別依頼にマスターが処理してこなしていた。しかしそれをまとめてやろと実行した。僕個人の戦士としての力を見たかった。
単独でも破壊力があるワーウルフとウルフ、ゴブリン1、2号とサポートとしてスラ1号をつけて僕は単独戦闘をした。スラリンには安全策でいつものように3匹のゴブリンで固まってる敵を中心に対応してもらった。僕は絶対の自信を持っていたが唯一怖いのが固まられてもみくちゃになる事だった。その分断をスラリンに任せた。個別に当たれば間違いなく負けるはずが無い相手だった。
ゴブリンとスライムじゃ桁違う。今でも雑魚だがゴブリンは強いと感じる。それはスライムが弱すぎるからだ。それぐらいどん臭い相手として楽勝で戦えた。しかも攻撃力が桁違い。ただここ数日は余裕を見て僕が前に出ただけで本格的にモンスターに守られないで戦ったのは初めてだった。ゲス道と言うか僕はモンスターと盾にしてた…。今回の戦闘はだからすごく違ったものだった。純粋に僕のための戦いだった。僕滅茶苦茶強いじゃないか…。実は自分でも分かってた。僕は命のやり取りの様な戦いは絶対に避けていた。すごく危険って僕の基準で2VS1の戦いとか平気でしてた。単独での武器を使った戦闘力。離れた遠距離での魔法による攻撃とそれなりに高いレベルの魔法。そしてセルフ回復。僕はこの元のワーウルフと比べ物にならない戦闘力を持つうちのワーウルフにも多分勝てる。でも僕はそういった戦いをしたくない。折角ワーウルフを引き入れた効果を見たかった。いざという時のためにこの力は取っておこう。僕はあくまで怖がりなモンスター使いなのだから。




