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  作者: 外山
88/216



ある日の昼休み



桐島は1人、食堂で昼食を取っていた


(、、、よく考えたら、歩に会えんのっていつ頃になんのかな、、、)

桐島はもくもくとカレーを口に運びながら考えていた

(さすがに週末とかに簡単に行ける距離じゃねえしな、、、金もかかるし、、、じゃあ夏休みか、、、?)

桐島はカレンダーを見た


まだ4月の中旬

夏休みまでは3ヵ月以上もあった


「、、、はぁ~、、、」

(歩に、、、会いてえな、、、)

桐島はそう思った後、ブルブルと首を振る

「ダメだダメだ、、、俺ばっかこんな女々しい事考えてちゃな、、、」

桐島は水を一気に飲んだ


「せ~いやくん♪」

「?」

楽しそうにそう言いながら向かいに座ったのは徒仲だった

「一緒に食べていい?」

徒仲は昼の定食をテーブルに置いた

「徒仲か、、、別にいいけど」

桐島はなんとなく警戒した 徒仲がこうしてすり寄ってくる時はめんどくさい事を言い出しそうな気がするからである

「最近さぁ~歩ちゃんどう?元気?」

「まあ、、、元気だけど 自分で聞きゃいいじゃねえか」

「ふふ~ん♪聞いてるけどね!」

「、、、、、」

桐島は小さくため息をついた


「なんなんだよ?なんか用があるんだろ?」

「え?分かる?」

「分かるからよ、、、さっさと言えよ」

桐島はカレーを食べながら訊ねる

「用って程じゃないんだけどね~?誠哉君はどう思うかな~って話なんだけど、、、」

徒仲の声は少し小さくなった

「、、、なんだよ 歩の話か?」

桐島も合わせて声を小さくする

「ううん、歩ちゃんじゃないんだけどさ、、、」

徒仲はキョロキョロと周りに気をつける

「じゃあなんだよ?」

「あのね、、、紗菜ちゃんいるでしょ?」

「紗菜?ああ」

桐島は頭の中に北脇の姿を浮かべた

「紗菜ちゃんてさ~、九頭君の事、どう思ってるんだろうね?」

徒仲は更に声の音量を下げた

「、、、え?九頭?」

桐島はなんの話か全く分からなかった

「もしかして好きなんじゃないかな~って思ってさ」

「は?紗菜が?九頭を?」

「うん 誠哉君はどう思う?」

「どうって、、、そりゃねえだろ~、さすがに、、、」

桐島は少しバカにしたように笑いながら更に一口、カレーを食べる

「いや絶対なんかあると思うよ!特別な感情はね!」

徒仲はエビフライの頭をビシッと桐島に向ける

「紗菜が九頭を好きって、、、全く考えらんねえな 九頭は九頭で訳分かんねえ奴だし」

桐島は半ばそう決めつけ、最後の一口を食べる

「という訳でさ、紗菜ちゃんに訊いてみてくんない?」

「、、、はぁ!?俺がかよ!?」

「うん あんまり直接訊いたらダメだよ?それとな~くそれとな~くね?」

徒仲はジェスチャー付で喋る

「、、、別にいいけどよ~、どうせ何にもねえだろうし、、、」

「じゃあお願いね!?私は同じクラスの九頭君に訊くからさ!」

「俺は紗菜と同じクラスじゃねえけど、、、ま、分かったよ」

桐島は軽く返事をし、水を飲んだ










その日の放課後



桐島は教室で荷物をまとめていた

「、、、あ」

ふと廊下の方を見ると、北脇が歩いているのが見えた


桐島はすぐに廊下に出て北脇を追いかけた

「紗菜!」

少し前にいる北脇に声をかけた

「ん?、、、なに?」

北脇は振り返り、快く返事をする

「あのよ、ちょっと訊きたい事があんだけど、、、」

「なによいきなり、、、」

急に話を進めてくる桐島に、北脇は少し怪訝な表情になった

「いいか?」

「、、、別にいいわよ、なに?」

北脇はため息まじりに頷いた


「あのさ、、、ちょっと紗菜に関する噂を聞いてな」

「噂?」

「ああ、まあ俺は絶対そんな訳ねえだろうと思うんだけど、、、」

「、、、いいからもったいぶらないで言いなさいよ」

「おう、じゃあ、、、訊くぞ?これは別に俺の意見とかじゃねえんだけど、、、」

「それはもう分かったから」

そう答えた北脇に、桐島はちょっと顔を寄せる

「お前ってさ、、、九頭の事好きなのか?」

「!!」

北脇は驚いた表情でバッと桐島の顔を見た

「だ、、、だ誰よっ!そそそんな事言った奴!」

北脇は桐島に問うたが上手く呂律が回っていなかった

「だ、誰っつうか、、、え~っと、、、」

桐島は徒仲の名前を出さず、頬を軽く引っかきながらごまかした

今、徒仲の名を出すのは危ない気がしたからである

「そ、そんな訳ないでしょっ!?アホじゃないのアンタ!」

北脇は真っ赤な顔でわめきちらす

「いや俺は、、、」

「うるさいうるさい!知らない!そのくだらない噂今すぐ消しなさいよ!」

「いや俺には、、、」

「バカよバカ!ムカつくわね!なんでそう思ったのよ!誰が言い出したの!?」

北脇は桐島の言葉を一切聞かず、矢継ぎ早に言葉を並べた


「桐島ー!北脇ー!何してんのー!?」

すると少し向こうの廊下から九頭が駆け足でやってくるのが見えた

「きゃーー!」

ドカッ!!

「ぐふぅ!」

何故か北脇は桐島の頭を思い切りカバンで殴った

桐島はいきなりだったので倒れてしまった

「否定したからね!今すぐ元辿って根絶しなさいよこの噂!」

北脇は桐島にそう言い残し、走って去っていった

「なんで俺が、、、」

(つか、、、なに今の分かりやす過ぎる反応、、、)

桐島は倒れながらそんな事を考えていた


九頭はいきなり倒された桐島に駆け寄った

「大丈夫か桐島ー?なんで殴られたんだよ?」

「、、、、、」











桐島は家に帰り、寝転びながら先ほどの事について考えていた

「紗菜が九頭の事を好きだったとはな、、、全く分からなかった 徒仲の言う通りじゃねえか」

桐島は今日分かった事を口に出して確認していた

「九頭はどうなんだろうな、、、見た感じ、俺じゃ全然分かんねえけど、、、」

桐島はため息をつき、天井を見た

「、、、きゃーとか言ってる紗菜、初めて見たな、、、」

思い切り殴られた事を思い出し、左側の顔全体を撫でた


「とりあえず、、、歩に相談してみるか」

桐島は携帯を開き、渡部の家に電話をかけた



プルルルルルル プルルルルルル



ガチャ

「はい」

電話に出た声は凛だった

「お、、、凛ちゃん?」

(いつもは歩がすぐ出んのにな、、、)

桐島はそう思ったが、特に気にはしなかった

「誠哉さんですか?」

凛は改めて確認する

「ああ、歩に代わってくれるか?」

「はぁ~い、分かりました」


ガチャ


~


保留時の音楽が流れ出した


~



ガチャ


「あ、もしもし?歩?」

「いえ、私です」

また電話の相手は凛だった

「え?歩は?」

「すみません 姉さん今、忙しいみたいで、、、」

凛は申し訳なさそうに謝る

「あ、、、そうか?」

「はい 少し前から変なんですよね~、なんかぼーっとしてて、、、考え事でもしてるみたいです」

「そうか、、、」

(じゃあ相談とかしねえ方がいいな、、、)

桐島はそう考え、小さく息をついた

「なにか急ぎの用でもありましたか?」

「いや、特にねえよ」

「じゃあいつものようにいちゃつくつもりだったと姉さんに言っておきますね」

「言わなくていいっつうのンナ事!!」

「あははっ!別に言いませんって!」

「ったく、、、まあまた電話するから、そっちもなんか悩みでもあんならいつでも相談してくれ、って言っといてくれ」

「分かりました 伝えておきます では、、、」

「ああ、またな」



プツッ



「歩、なんか忙しいのか、、、」

(相談せずに、自分で考えろって事か、、、)

桐島は、北脇と九頭の顔を思い浮かべため息をついた







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