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  作者: 外山
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本題


渡部は、昨日あった事を安川に全て話した


話し終えると、渡部の気持ちは一段落ついたような気がした




「ふぅ~ん、、、それで今日も何も話してないんだ」

安川はうんうんと頷いた後、訊ねた

「はい、、、」

「そっか、、、、、キリシマンもダメなヤツだなー!愛しのあゆみんがもう少しで引っ越しちゃうのに!」

安川は少し上を見ながら叫ぶように言った

渡部は恥ずかしそうに俯くだけだった


「、、、まあでもさ?キリシマンの気持ちが分からない訳ではないよ?」

「、、、え?」

急に言う事が変わった安川を渡部はバッと顔を向ける

「いきなり彼女が引っ越すって事が分かってさー、色々と思うとこあるでしょ しかも人づてに聞いたんだし」

「そ、それは、、、そうですけど、、、」

「しかもその彼女はいつまで経ってもその話してくんない訳でしょ?そりゃ淋しくもなるだろうし、ちょっとムカつくかもね」


「だ、だって、、、」

「あゆみんにも言い分があるのはよーく分かるよ?でもこういう気持ちになっちゃう事も分かったげないとダメだよ?」


安川は渡部の唇にピッと指を当てる

「、、、はい、確かにそうですね、、、」

渡部は何も言い返す事が出来ず、今までの自分の考え方を反省した


「んでさ、本題に入るけど、、、なんでキリシマンに言わなかったの?」

「え?」

「名古屋に引っ越すって話、、、私がその話を初めて聞いた時はてっきりもうキリシマンに言ってると思ってたんだけど、、、」

「、、、はい、やっぱり変、、、ですか?」

渡部は気丈に笑顔で浮かべた

「変、っていうか、、、まあ普通は先輩とかよりは恋人の方に早く言わない?」

「、、、そうかもしれません、、、私もそのつもりだったんですよ、、、?」

「え?そうなの?」

「はい、、、引っ越す話を聞いた時、、、とりあえず最初に誠哉君に言わないと、って思ってました、、、、、」

「、、、じゃあ、なんで?」


「、、、誰にも言わないですか?」

「え、、、?う、うん!」

安川は素早く首を縦に振る

「瞬さんにも、浜さんにも片岡さんにも、他の皆にも言わないでくださいね」

渡部は釘を差すように言った

「う、うん 大丈夫」

渡部がやたらと話を引っ張るので安川も少し緊張してきた

「、、、多分、真奈美さんが思ってるような大した理由じゃありませんけど、、、」

渡部はそう前置き、話し出した








翌日 水曜日


水曜日を含め終業式まであと3日



桐島と渡部はまだ険悪なムードのまま放課後になった




桐島、外山、野波佳、北脇の4人はゴールデンウイークに行われる予定の学園祭の会議をしていた



「じゃあ何か良い案ある?」

北脇はまとめ役的な立ち位置になっていた

学園祭の内容を要約して書くプリントも北脇が持っている


「、、、、、」

3人とも特に案が無いようで黙っていた

「、、、なんにもない?」

「、、、、、」

北脇はもう一度問うが、先ほどと同じように黙っている

放課後で、もう生徒がいない事もあってこの沈黙は耳に刺さった


「、、、あのねぇ、野波佳はともかく、外山と誠哉はなんか考えてきときなさいよ あんた達がメインの担当なんだからね」

北脇は呆れたように息をついた後、ボールペンでビシッと2人を指した

「別になんでもいいだろ~がよ~ じゃああれだよ 的当てとかでいいんじゃね?」


外山は深くイスにもたれ、めんどうそうにしている

「、、、誠哉は?」

外山の答えに不機嫌そうな睨みを返した北脇は、次に桐島に訊ねた

「、、、なんでもいい」

桐島は溜め息混じりに呟く

「、、、、、」

野波佳はその様子を心配そうに見る

「野波佳はなんか案ないの?」

北脇は順番の最後になった野波佳にも訊ねる

「ん?いや、、、俺も特に考えてねえよ」

野波佳は軽く手を振りながらこたえた

「みんな考えてきてないのね、、、」

北脇は呆れた様子で机に肘をついた

「そういう北脇はなんか考えてきたのか?」

外山はイスに座り直し、何気なく訊ねる

「私はまあ、、、オーソドックスな食べ物でいいかな、、、ぐらいしか考えてないけど、、、」

北脇は少しバツの悪そうな表情を浮かべる

「お前も考えてねえじゃねえか」

外山はここぞとばかりに溜め息で返す

「う、、、、、」

そう言われると北脇は何も言い返せなかった

「じゃ、じゃあ飲食系で決定ね!問題は内容よね、、、」

北脇は慌ててまとめながら喋る

「焼きそばとかでいいだろ 桐島に作って貰えばいいしな」

外山は桐島をチラッと見ながら言った

「、、、、、」

桐島は特に何も答えずに黙っている

「別に焼きそばぐらいみんな作れるでしょ まあ一番料理が出来る誠哉を中心にって事なら分かるけど、、、」

「それでいいよな?桐島?」

外山は本来の担当である桐島に確認する

「ああ、なんでもいい、、、」

桐島は心ここにあらずといった感じだった


「じゃあそれで決定ね」

北脇は用紙に適当に書き込んだ

「細かい内容とか段取りはこの用紙を提出してからまた後日決めるらしいから ていうか春休みも会議、開かなきゃなんないらしいし」

北脇は用紙を目で確認しながら皆に伝える

「はぁ!?春休みまでわざわざ学校来てやんなきゃなんねえのかよ!?」

外山は怪訝な声で訊ねる

「別に学校じゃなくてもいいと思うけど、どうせ決めた事は学校に報告しなきゃなんないから」

「、、、マジかよぉ、そんなにめんどくせえのか、、、」

「それは私のセリフ あんたと誠哉でしょ?本来の担当は 本当にうんざりしてるのは野波佳と私よ」

北脇は軽く溜め息をつきながら話す


「とりあえず学園祭の会議は終了ね じゃあ本題入ろっか?」

北脇は3人に向かって言う

「?」

だが3人は全く何の話か分かっていなかった

「、、、ま、、、話があるのは誠哉だけよ」

北脇は急に声のトーンを落とし、桐島の方を見た

「、、、ん?なんだよ?」

桐島は力が抜けた様子で返答する

「あんた、、、歩さんとケンカしてるでしょ」

北脇は単刀直入に桐島に言った

「っ、、、別にしてねえよ」

桐島は一瞬動揺したがすぐに否定する

「ウソつかないでよ 見てたら分かるから」

「、、、、、」

「、、、、、」

野波佳と外山は黙ってはいたが、北脇と同じで桐島と渡部の仲の異変に気づいていた

「、、、だったらなんだよ 関係ねえだろ」

桐島はめんどうそうに溜め息をつきながら立ち上がる

「いいから座りなさいってば」

北脇は威圧するような声色だった

「いちいち首突っ込むなよ 俺と歩の問題だろ」

桐島はカバンを持ち、教室の出口へ向かう

「ちゃんと仲直りしなさいよ?歩さんが引っ越す前に」

「、、、、、」

北脇の言葉に桐島は何も答えない

「話せば分かるから、、、絶対」

「、、、、、」

桐島はそのまま何も答えずに教室を出た


「、、、、、」

北脇は心配そうに考え込む

「、、、俺も北脇と同じように思ってたけど、、、」

「ま、、、こればっかりは当人同士の話だしな」

野波佳と外山も、北脇と同じ心配そうな面持ちをしていた









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