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  作者: 外山
77/216

困惑


「は、、、?引っ越す、、、?」



「え、、、もしかして、何も聞いてないんですか?」

凛はマズそうな表情になった

「な、なんだよそれ?どういう意味だ?」

桐島はよく理解出来ないまま訊ねた

「そのままの意味ですよ 姉さんとウチの両親、名古屋に引っ越すんです まあ帰ってくるっていう言い方が正しいですかね」

凛は開き直ったように言葉を並べる

「え、、、な、なんでそんないきなり、、、っていうか、歩と両親って親戚と仲が悪かったはずじゃ、、、」

桐島は頭の中の情報を必死でまとめる

「だんだん良くなってたみたいですよ?親戚の集まりには遠くからでも毎回参加してたみたいですし、、、まあ娘である私もいますしね」

凛は面倒そうに息をつく

「まあさすがにまた同じ家に住むって訳ではないですけどね?今の私の家の近くにちょうど空き家になる家があるんです まあ離れみたいなモンですね そこに私も含めた4人が住むんです」


「、、、、、」

桐島は凛の話を聞きながら、渡部の父の言葉を思い出していた

(そういえば、、、関係は良くなってきてるって言ってた、、、けど、、、)

凛の話を聞き、意味は分かったものの、納得はいかなかった


「それにしても姉さん、、、なんで誠哉さんにも言ってないんだろ、、、」

凛は不思議そうに呟く

「、、、、、」

凛のその言葉は、桐島の心にチクッと刺さった

「多分まだ誰にも言ってないんですね 私も口を滑らさないように気をつけます」

凛はすっかり他人事な様子だった









凛は再び買い物に戻ったが、桐島は先ほどまでと変わらずベンチに座っていた


「、、、、、」

少し暗い表情で考え込んでいた


すると、隣にストンと瞬が座った

「どうしたの?浮かない表情して」

瞬はグーッと伸びながら訊ねた

「瞬さん、、、」

桐島はため息混じりに言った

「あ、私達の荷物、ちゃんと持ってくれてるみたいね」

瞬は買い物袋の中を覗き込みながら、意地悪そうな言い方をした

「、、、まあ、、、」

桐島はゆっくり頷くだけだった

「、、、ところで、歩ちゃんから何か聞いた?」

瞬は桐島の表情をうかがいながら言った

「え、、、何か、、、?」

桐島は少し驚いた表情で瞬の方を見た

「あ、、、聞いてないなら良いんだけどね 気にしないで」

瞬はハハッと笑いながらごまかすように手を振る

「もしかして、、、歩が名古屋に引っ越す話ですか、、、?」

「あ、、、聞いてたの、、、」

瞬は少し気まずそうに呟いた

「は、、、?瞬さんは知ってたのか!?」

桐島は前のめりになって訊ねた

「え?う、うん、歩ちゃんから聞いたんだけど、、、」

急に真剣な表情になる桐島に、瞬は戸惑いながら答える

「あ、歩から、、、」

桐島は悩むような悔しいような表情を浮かべた

「な、なに?じゃあ桐島君は誰から聞いたの?」

瞬は桐島が落ち着いたのを見計らい、質問した

「、、、妹の凛ちゃんからです、、、」

桐島は眉間にシワを寄せ、考え込むように答えた

「え、、、っと、じゃあ歩ちゃんからは聞いてないのね?」

「、、、、、」

瞬の質問に桐島は何も答えなかった

「、、、、、なんか色々な問題が解決したからって言ってたよ?私もあんまり詮索する気はないけど、、、」

「、、、、、」

(色々な問題、、、)

桐島は再び頭の中に、渡部の父の話を思い浮かべていた

「よく分かんないし、淋しいけど、、、まあ良い事なのかな?」

瞬は諦めたように言い切った

「、、、でも、、、まだ高校の途中ですよ?」

桐島は顔を上げ、訴えかけるように瞬に言った

「え、、、?あ、そうね、、、」

「それに、学校だって変えたりしたら色々めんどくさい事になるだろうし、金だってかかるんじゃないですか?」

「う~ん、まあそうかもね、、、」

「それに、、、あいつ、名古屋の家に行くの、スゲー嫌がってたんですよ?なのに、、、、、」


桐島は何かを噛み締めるようにして俯いた

「、、、要するに、何が言いたいの?」

瞬はため息混じりに言った

「な、何がって、、、」

桐島は瞬の言葉に上手く返せない


「だ、、、だから、アイツがわざわざ名古屋に引っ越す理由なんて、、、」

「ブッブー!全然要してません」

必死で言葉を繋げる桐島を瞬は遮った

「、、、~~!」

「理由も何も、、、もともと名古屋に住んでたんでしょ?事情があって埼玉に引っ越した 解決したから名古屋に帰る 何か変な事?」

瞬は一つずつ整理しながら言った

「そ、そういう事じゃなくて、、、」

ここで桐島は、以前の自分の言葉を思い出した




『歩と凛ちゃん、姉妹が離れ離れに暮らして、仲良くなくなって、、、それで合ってるんですか?』




「あ、、、、、」

(離れ離れに、、、?)

桐島はこの自分の言葉と、今言っている自分の言葉が矛盾している事に気づいた


「そういう事じゃなくて、、、何?」

「、、、いや、、、えっと、、、」

桐島はゴニョゴニョと言葉を濁した


「、、、、、とにかく、歩ちゃんはもうすぐ名古屋に引っ越すの これは変わんないんだから、、、早く気持ちを整理したらいいんじゃない?」

「、、、、、」

桐島はぶすくれた表情で俯いている

「早い方が良いと思うけどね、私は」

「、、、、、」


瞬のアドバイスにも耳を貸さず、ただ不機嫌な様子で黙って座っていた








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