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  作者: 外山
71/216

埼玉行


翌日 16時17分



桐島は駅の中の改札口付近にいた


ここで、今日埼玉へ帰る渡部と待ち合わせしていた

「、、、遅いなアイツ、、、4時には来るって言ってたのに、、、」

そう呟きながら駅に設置されている時計を見上げた

(、、、凛ちゃんと仲直り出来たかな、、、)

桐島はなんとなく、昨日会った凛の事を思い出していた


「、、、なんかすげえ意志が固そうな子だったし、、、さすがに1日で仲直りって事はないか、、、」

桐島はため息まじりに言った

(ま、、、ゆっくり仲直りすりゃいいだろうしな、、、焦る必要も、、、)


そんな事を考えていると桐島の視界に見覚えのある2人の女の子が歩いてきた

「あ あれって誠哉さんよね?」

「うん やっぱり待たしちゃってたみたい」

そんな会話をしながら歩いてきたのは渡部と凛だった

「え、、、」

桐島は不思議そうな顔で2人を見た

「あはは!なんか変な顔してるよ!」

凛は渡部の肩を叩きながら笑っていた

「笑わないの!遅れてごめんね 誠哉君」

渡部は凛に注意しながら桐島に声をかけた

「あ、、、ああ」

桐島は動揺しながら頷いた

(な、、、なんだ?どうなって、、、)

「こんにちは 昨日はどうもありがとうございました」

凛は桐島に丁寧に礼をする

「え、、、あ、ああ」

「誠哉君、ホントに凛と知り合いだったんだ」

渡部は改めて驚いた

「うん 昨日、しつこいナンパから助けてくれたの」

「、、、、、」

桐島は昨日とはあまりにイメージが違う凛に戸惑っていた

「あ、そういえば姉さん 新幹線の切符買ったの?誠哉さんの分もお父さんから預かってきたんだよね?」

「あ、、、わ、忘れてた!ちょっと買ってくるね!誠哉君の分も!」

渡部は手荷物を置き、小走りで切符を買いにいった


「、、、、、」

「、、、、、」

急に2人だけになり、妙な空気になった

「、、、あのさ、、、どうしたんだよ急に」

「え?何がですか?」

「、、、凛ちゃん、両親と歩の事、嫌ってるんじゃなかったかな~って思って」

桐島は言いづらそうに頭をかきながら言った

「、、、そうですね 両親は今も嫌いですけど、、、姉さんはもう嫌いではないです 好きでもないですけどね」

凛は近くのイスに座った

「なんか全部父が悪いだけなのに、そのせいで私と姉さんの仲が悪いなんて、シャクじゃないですか」

「え、、、そ、それだけ、、、?」

桐島は拍子抜けした様子だった


「そんな事より、、、誠哉さん」

「?」

「誠哉さんって、、、姉さんにゾッコンなんですね!」

凛は笑いをこらえながら言った

「え、、、は、はぁ!?何が!?」

「だって、埼玉から名古屋まで、心配だから付いてきたんですよね?どんだけ好きなんですか!ってゆうかストーカー?」

「う、、、うるっせえな!たまたまだよ!」

からかう凛に桐島は必死で言い返す

「それに、、、昨日の昼までは渡部、って呼んでたのに、今は歩なんですねぇ?」

凛はニヤニヤと笑いながら訊ねる

「あ、、、そ、それは、、、」

「そりゃホテルで一線越えちゃったら、名字じゃなくて名前になりますよね~」

「い、一線越えてねえよ!アホかてめー!」

「ホントですかぁ?姉さんが家から居なくなったのが14時半頃で帰ってきたのが20時前、、、時間ならタップリあったかと、、、」

「ねえよ!18時まで寝てたんだぞ俺!」

「しかも、今夜は返さねえ、とか、パーカーを俺だと思って、、、とかいうさっぶい事言ってたらしいじゃないですか?最後にはプロポーズでしたっけ?」

「に、似たような事は言ったけどニュアンスが全然違う!」

必死になって言い返す桐島を見て凛は笑いをこらえる


「まあそう邪険に扱わないでくださいよ 滅多に会えない仲なんですから」

「、、、まあそりゃそうだな、、、」

桐島は落ち着き、頷きながらこたえた

「、、、誠哉さんには、感謝してるんですよ?」

「ん?」

「誠哉さんのおかげで、今までモヤモヤしてた事が、、、全部分かったんですから」

凛は少し、淋しそうな表情だった

「、、、、、」

(そうか、、、本当の母親が亡くなってる事、、、歩とは腹違いだった事、、、色んな事が昨日、いきなり分かったんだもんな、、、)

桐島は歩と凛の気持ちを考えると、なんとも言えなかった


「、、、まあ誠哉さんのせいで知らなくていい事知っちゃった気はしますけどねー」

「う、、、」



「あ、、、姉さん、買ってきたみたいですね」

凛は小走りで帰ってくる渡部を見つけた


「じゃあ、、、ちょっとマヌケな姉さんの事、よろしくお願いしますね」


凛は、今までの作り笑いとは何かが違う笑顔を浮かべた


「、、、ああ」









桐島と渡部は新幹線に乗り、埼玉に向かっていた

「さっき、凛と何の話してたの?」

渡部は、外の景色ばかり見ている桐島に訊ねた

「ん、、、まあ、色々とな」

桐島は外を見たまま答えた

「え~?、、、じゃあ昨日、迎えに来てくれたお父さんとは何の話してたの?」

「、、、まあ、色々だよ」

「そればっかりじゃない!」

「、、、まあな」

桐島はボーっと外を見てずっと生返事だった

「、、、ふん!もういいよ!」

渡部はスネたように顔を背ける


「、、、、、」



ぎゅっ、、、



「え、、、」

桐島は、ゆっくりと渡部の手を握った

「、、、、、」

渡部は恥ずかしく、どうしていいか分からなかった

「、、、これからもよろしくな、、、、」

桐島は、外の景色を見たまま呟くように言った

「、、、うん、、、」

渡部は目を閉じ、何かを噛みしめるように頷いた








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