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  作者: 外山
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道中の女の子

桐島は結局、名古屋で一泊する事になった


渡部の父に予約をしてもらったホテルに向かって歩いていた


「、、、う~ん、、、彼女の父親にこんな事してもらっていいのか、、、?」

桐島は納得出来ないまま、ホテルへの地図を受け取っていた

「タクシーで送る、って言われた時はさすがに断ったけど、、、」

先ほどの渡部の父との会話を思い出していた




『今から向かうか?ならタクシーを呼ぶから、、、』

『い、いえ!いえ!大丈夫です!せっかくだし観光でもしながら回りたいんで!』

『、、、そうか?』




「つうか、、、両親は明日には帰らないのか、、、何か用があるって言ってたけど、、、」

(てゆうか、、、法事って、親戚だからってこんな遠い所に住んでる子供まで行かなきゃならないモノなのか、、、?それに親が前日からどうこうってのも、、、渡部がなんであんなに嫌がってたのかも分かんねえし、、、)

桐島はイマイチ納得がいかず、首を傾げる


「、、、まあ家族の常識の事なんて俺には分かんねえけどな、、、」

桐島はため息をつきながら呟いた


「、、、それにしても、、、このホテルどこだ、、、?てゆうかここどこだ?」

桐島は地図をまじまじと見る

だがその地図はホテルの最寄り駅からの略図であり、この辺りを詳しくない桐島はよく分からなかった

「とりあえず大通りには出たけど、、、どこも同じような景色でよく分かんねえな」


桐島はキョロキョロと周りを見渡す

すると、広場のような場所があった

真ん中に噴水があり、近くにベンチや花壇がある

そこに、掲示板のような形で地図が表記されていた

現在地を中心に、分かりやすく書かれている


「お、良い感じのがあるじゃねえか」

桐島はその地図の前まで歩み寄った


「ねえねえ、何してんの?」

「暇ならさ、ちょっと遊ばねえ?」

不意にそんな会話が、桐島の耳に入った


「、、、いえ、遠慮しておきます」

「いやいや遠慮なんていらないからさー マック奢るよ?」

「モスでもいいけど」

どうやら男2人が女の子をナンパしているようだ

「すいません、ヒマじゃないんで、、、」

「ウッソー?今ここにずっといたじゃん」

「誰かと待ち合わせって訳でもないんでしょ?」

断る女の子に対し、男2人はしつこかった


「あの、ホントに困りますんで、、、」

「いいじゃんいいじゃん ちょっとだけだからさー」

男は女の子の手を引いた

「ちょっ、、、」

「あれー?何してんだよ?」

すると、そこに更に男が入ってきた

桐島である

「は?」

「誰ですかアンタ?」

男2人は桐島をうっとうしそうに見る

「いや、、、その子と待ち合わせしてたんだけどさ、、、なに?知り合いか?」

桐島は見知らぬ女の子に訊ねる

「、、、いえ、知らない人達なんですよ いきなり声をかけてきて、、、」

女の子は怯えた様子で桐島の後ろに隠れる

「悪いけど、そういう事だから じゃ」

桐島は男2人にそういうと、女の子と共に振り返り、歩き出した

「なんだ、、、待ち合わせだったのか、、、」

「仕方ないな、、、」

男2人はそんな事を呟きながらどこかに去っていった





「、、、、、」

「、、、、、」

桐島と女の子は、男2人から見えない場所まで歩いていた

「あの、、、ありがとうございます 助けて頂いて」

女の子は礼儀正しく頭を下げる

「いや、なんかすげえ嫌そうな怖い顔してたからさ あいつらも気づけっつうんだよな」


桐島はハハハと笑いながら言った

「てゆうか実際何してたの?ずっと座って、、、」

「、、、少し、家に帰りたくなかったんです、、、」

「え?」

「あ、、、帰りますけどね?ここ数日だけ、少し嫌な事があって、、、」

「へぇ、そうなんだ」

桐島はそれ以上は干渉しようとしなかった

「あ、そうだ!ちょっと訊きたい事があるんだけど、、、」

桐島は思い出したように、懐の地図を取り出した

「? はい?」

「あのさ、このホテルってどこにあるか分かる?」

桐島は地図を開き、ホテルの場所を指した

「ホテル、、、ですか?」

「あ、、、べ、別にナンパとかじゃないよ!?行き方がよく分かんなくてさ、、、」

「このホテルの場所を知らないって事は、、、この辺に住んでる方ではないんですか?」

女の子は不思議そうな目で桐島を見る

「え?まあそうだけど、、、そんなに有名なホテルなのか?」

「有名というか、、、大きいというか、結構高級なホテルですよ」

「そうなんだ、、、」

(ますます渡部の父親に申し訳ないな、、、)

桐島は心の中で萎縮していた


「でしたら、駅まで案内しましょうか?」

「え?いやいいよ 道を教えてくれるだけで、、、」

「いえ、ここからですと少しややこしいですし、、、お礼もしたいですし」

女の子はにっこりと笑った







桐島は、その女の子と一緒に駅まで歩いていた

「なんかこの辺って都会って感じするよな こんなとこ住んだら便利なんだろうなぁ」

桐島はまだ新鮮味溢れる目線で周りを見ている

「そうですか?普通だと思いますけど、、、」

だが慣れている女の子には何の感動も無かった


「あ、そういやさ まだ名前とか聞いてなかったな」

「そうですね」

「俺は、桐島誠哉 高1だから、もうじき高2だな」


「私は、渡部凛です 中学3年生をつい最近卒業したので誠哉さんとは一つ違いですね」

桐島と凛は互いに自己紹介をした

「え、、、わ、わたべ?」

桐島は思わず聞き返した

「え?はい」

「あ、、、そ、そか 凛ちゃん、、、ね」

「はい 誠哉さん」




桐島は凛が渡部と同じ名字である事が気になった

(、、、まあでも、渡部って別に珍しい名字じゃねえよな、、、この辺に多いのか?)

桐島はチラッと凛の方を見る

「、、、なんですか?」

凛は不思議そうな目で桐島を見る

「い、いや、何もないよ」

(ま、別に関係ないだろ、、、)

桐島は心の中で自分を納得させた



「、、、、、」

だが一度気になってしまっては忘れる事は出来なかった

ムズムズした気持ちがなかなか収まらない

(、、、まあいいや、ちょっと訊いてみるか)

桐島は意を決し、訊ねてみる事にした

「あのさぁ、凛ちゃん ちょっと変な事訊くかもしんないけど、、、」

「、、、はい なんですか?」

凛は笑顔で返事をした

「、、、明日とかにさ、法事とかあったりする?」

「、、、え?」

桐島から見た凛の表情は、引いているように見えた

「あ、、、ごめん!変な事言って!忘れてくれ!」

「、、、法事、ありますよ?ちょうど明日に」

凛は特に気にはしていない様子でこたえた

(ちょうど明日、、、って事は、渡部の親戚、、、従姉妹とかなら知り合いかも 年も近いし!)

桐島はそのままの流れで更に訊ねた

「じゃあさ 渡部歩って、、、知ってる?」

「え、、、渡部、、、歩、ですか?」

凛はゆっくりと聞き返す

「ああ、親戚じゃないかなぁって思ったんだけど、、、」

桐島はおそるおそる訊いてみた

「、、、はい、知ってますよ?」

「あ、やっぱり?従姉妹とか?」

桐島は流れで更に訊ねる



「てゆうか、、、私の姉です」


「、、、あ、姉ぇー!?じゃあ渡部の妹!?」

桐島は思わず大きい声を出してしまった

「誠哉さんこそ、何故姉をご存知なんですか?姉は今、埼玉に住んでるはずですけど」

「埼玉、、、間違いねえ、、、」

「? 全く話が見えないんですけど?」

凛はよく分からず首を傾げた



たまたま知り合った一つ年下の女の子、凛は渡部の妹だった





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