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  作者: 外山
63/216

名古屋行



2人はなんでもない話をしながら名古屋に向かっていた


渡部ももうすっかり落ち着いていた

「そういえば桐島君 名古屋に何かあるの?」

「え?何かって?」

「前、、、私の出身が名古屋だって言ったら、変な反応してたような気がしたんだけど、、、」

渡部はその時の反応を思い出しながら言った

「え、、、?」

桐島もその時の事を思い出す






『うん 小学5年生ぐらいまでずっと名古屋だったよ』

『名古屋、、、?』

『え?うん、そうだけど、、、どうかした?』

『いや、、、なんで埼玉まで引っ越してきたんだ?』





「、、、よく細かいとこまで覚えてるな」

「なんとなく気になってたから、、、」

「、、、、、」

桐島は少しためるように息をついた

「別に、、、まあ、昔の友達が、名古屋出身だったからよ ちょっと気にかかってな」

「あ、そうなんだ」

「ああ、、、」

(まさか、、、こんな形で名古屋に行く事になるなんてな、、、)

桐島は思いつめた表情で下を向いていた






そして遂に、名古屋に到着した




2人は改札を出て外に向かって歩いていた


「そういや、お前の親は?一緒じゃないのか?」

桐島はふと思い出したように訊ねる

「あ、うん 言ってなかったっけ?準備とかで先に行ってるの」

「ふ~ん、、、」

そりゃそうか、と桐島は納得した

「だから、、、昨日、桐島君が勇気を出して電話してくれた時は、家には私1人しかいなかったの」

渡部は少しからかうような言い方をした

「、、、へっ!そうかよ!」

桐島はふんと顔を背けた

「あっ、スネてるの?」

「うるせえな!」

「んふふ~!スネてる~!」

渡部は楽しそうに桐島の肩をつつく

「やめろっ!」

「あはは~!」




2人は駅前に出た

桐島は普段あまり見ない雰囲気に呑まれていた

「うわ~、、、なんつうか、、、都会って感じだな!」

桐島は数々のビルやデパートを見て浮き足立っていた

「そうだね、、、私がいた頃とあんまり変わってないな、、、」

渡部は懐かしむように景色を眺めた

「つうかさ、法事はいつあるんだよ?」

「明日だよ 時間は朝から、、、夕方前ぐらいまでかな」

「ふ~ん、、、」

法事というモノをよく知らない桐島はそれが普通なのかどうかも分からなかった


「ところで桐島君は今からどうするの?」

「え?、、、う~ん、、、そういや何にも考えてなかったな」

桐島は勢いで来ただけでそれ以上の事は何も考えていなかった

「もう帰るのもなぁ、、、」

「あの、、、じゃあさぁ、、、」

渡部はもじもじと言いづらそうにする

「?」

「私の、、、お父さんとお母さんに会っていく、、、?」

「、、、え、、、?」

渡部の言葉は桐島にはかなり重く聞こえた

「い、、、いやいいよ すげえ緊張するし、、、怖えし、、、」

ただでさえ人見知りなのに、彼女の両親と会うなど桐島には全く考えられなかった


「大丈夫だよ?お父さんもお母さんも優しい人だから」

「そ、そうかもしんねえけど、、、ま、まあやめとこうぜ!?それは!」

桐島は冷や汗を拭いながら言った

「、、、、、」

「まあ、テキトーに名古屋巡りでもして、夜行バスでかえ、、、」

「トランク、、、」

渡部はふっと呟いた

「へ?」

「トランク、重いから持って」

「え?あ、ああ、、、」

桐島は渡部からトランクを受け取った

「、、、?」

急に不機嫌な様子の渡部の表情を桐島は不思議そうに見る

「、、、、、」

桐島が見た渡部の顔は、スネたような寂しそうな表情をしていた

「、、、分かったよ」

桐島は観念したように息をつく

「親戚の家まで行くんだろ?トランク、重いんなら持ってってやるよ」

桐島がそう言うと渡部の表情はパァーっと明るくなった

「ホントに!?」

「ああ、もともと俺は、お前を送り届けにきたんだからな」

「ありがとう!」

渡部は思い切り桐島の腕を抱き寄せる

「な、なんだよ、、、」

桐島は恥ずかしそうに呟く

「お礼かな♪」

「なんの?」

「色々~♪」


2人はそんな会話をしながら、渡部の親戚の家に向かった





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