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  作者: 外山
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過去編~中学校~4

桐島 中学3年生


6月頃のある日の休日




桐島は菅井から、話がある、と呼び出されていた



桐島の家と菅井の家の中間辺りにある、川を見渡せる公園に2人はいた


「なんだよ?話って」

菅井からこのように呼び出される事はあまりない桐島は不思議そうに訊ねる

「ああ、ちょっとな」

菅井は柵に肘をかけ、川を見渡していた

「つか仕事はいいのかよ?」

「仕事ってかバイトな 今日は休みだ」

「ふ~ん、、、で?何の用だ?」

「ああ、南の話なんだけどよ」

「えっ?」

桐島はその名に少しドキッとした

「最近、毎日放課後にお前を付き合わせて料理の練習してるって聞いてな 悪いな」

「、、、別に構わねえよ」

「俺はさ、最近ずっとバイトばっかりでよ あんまり南の事見てやれねえんだよ」

菅井は近くのベンチに腰をかけた

「、、、おう」

桐島は前方のやや下を見ながら菅井の横に座った

「そんで、、、一応お前には言っときたい事があるんだよ」

菅井はゆっくりと桐島の方を見た

「?」

桐島も菅井の方を見る

「南、、、あいつ、昔から体が弱いって話は前したよな?」

菅井はまた前を向き直し、話し出した

「ああ、南からも聞いたけど、、、」

桐島も菅井と同じように前を向く

「正確にはよ、、、ウチのお袋と同じ病気なんだ」

「え、、、?」

桐島は思わず菅井の方を向いた

「いつ発作が出るかも分かんねえ、、、命に関わるような病気なんだよ」

「そう、、、なのか、、、」

桐島はいつもの南の姿を思い浮かべた

体が弱い、という話も疑う程元気な南を見て安心していた桐島にとっては信じられない事実だった

「まあいつ出るか分かんねえっつっても、精神的に安定してたり、体力的に大丈夫だったらあんまり出ねえもんだけどな 出ても大した事なかったり」

「要するに、変な事せずに疲れさせなきゃいいんだろ?」

「ま、そんな感じだ」

簡潔にまとめる桐島に、菅井は笑いながら言葉を返した

「、、、緋斬」

「ん?」

「そんな話、俺にしてもいいのか?」

「、、、さあ、どうだろうな まあお前にしか言うつもりねえしいいんじゃねえか?」

「、、、なんで俺にだけ、、、?」

「、、、鈴科に話したらギャーギャーうるさそうだし、焦栄のバカにはなんか言いたくねえしよ 消去法ってヤツだよ」

菅井はまた笑いながら言った

「そうか、、、」

「だからよ、、、南の事は、お前が見てやってほしいんだよ」

菅井はまた真剣な表情に戻った

「え?」

「誠哉が、今の南の支えになってると思うからよ 多分あいつ、お前の事好きだしな」

「は、、、いや好きとか、、、それはねえだろ、、、」

桐島は恥ずかしそうに顔をそらす

「なんでそう思うんだよ?」

菅井はニヤニヤしながら桐島の顔を覗き込んだ

「なんでって、、、そりゃまあ、知ってんだろ?俺が全然モテねえの、、、」

「確かに、顔は良いのにお前全然モテなかったよな」

「顔が良いとかお前に言われても嫌味にしか聞こえねえけどな」

「ハハッ、まあなんつうか、、、不器用なヤツだからよ?お前は」

「不器用、、、ね 不器用っつったら焦栄の方が当てはまる気がすっけどな」

「それは言えてんな」

2人は顔を見合わせて笑った


「まあとにかくよ、、、お前に、南の事任せてもいいか?」

「、、、ああ 分かった 分かったからお前は仕事頑張れよ?」

「だからバイトだっつうの」

「同じだろ?」

「、、、ま、同じか、、、」










数日後の放課後


桐島と南はいつものように調理室にいた


「今日はどんなマズい料理を食わしてくれるんだ?」

「マズいって言うなっ!今日のは自信あるんだからねー!ビックリしないでよ!?」

南は調理室の戸棚から材料を取り出す

「完全に私物化してるな 調理室を、、、」

「堅いこと言わない!許可貰ってるもん!」

南は材料一式を調理台の上に出した

「今日はスパゲティを作ろうと思います!トマトのミートソースの!」

「ほぉ、、、確かに、これはあんまりマズくならなさそうだな」

「ふん!そうやって余裕をかましてられるのも今の内だよ!」

南は桐島の鼻先にビシッと指を差した

「いつか絶っっっ対!誠哉の料理なんかよりおいしい料理作ってやるんだからっ!」

南はそれだけ満足げに言い終えると作業に取りかかりだした

「、、、、、」

(ホントに病気なのか、、、?こんなに元気なのに、、、)

桐島はどこか悔しそうな表情で下唇を噛み締めた





「え~っと、お湯が沸騰してきたら、、、麺を投入!」

南はかけ声に反して優しく麺を投入する

「よーし!この間にソースを作んないとね!トマトをこの変なヤツで潰して、、、あ、麺もくっつかないように混ぜないと、、、ああ挽き肉も!」

南はわちゃわちゃと慌ただしく作業に取りかかる

「落ち着きのねえヤツだなー」

桐島は呆れたようにその姿を眺める

「仕方ないでしょー?料理はスピードが命なんだから!」

南は料理をしている時は心底楽しそうな笑顔を見せる

(う、、、)

桐島はその笑顔に少しドキッとしてしまった

「そ、そんなもんは茹でる前に用意しとくもんだろうが、、、」

「う、、、そ、そりゃそうだけど、、、今更そんな事言ったって、、、」

南はぶつぶつ言いながらトマトを手にとる

「あ、、、おい、茹ですぎだぞ」

「あ、ホントだ!」

火を緩めるため、2人は同時にコンロのつまみに手をかけた

「あ、、、」

南は、桐島に触れた右手を思わず引っ込める

「あ、わりぃ、、、」

桐島は反射的に謝り、火を緩めた

「、、、ううん、、、」

南は右手を自分の胸に寄せ、首を振りながらこたえた

「、、、お、俺、火見とくからよ 南はそっちに集中しろよ」

桐島は変に緊張しながら言った

「、、、う、うん!ありがと!えっと、次は、、、」

南はまた慌ただしく作業を始める

「、、、、、」

桐島はホッと安心した気持ちで、南の姿を眺めていた

「え~っと、、、次は、、、はれ~、、、?」

「?」

南の顔は異常なまでに上気していた

「ふぁ~っ、、、と、、、あれ、、、な、、、んか、、、ボーっと、、、す、、、」

南の体はだらんと力が抜けたように倒れる

「南!」

倒れきる前に桐島は南の体を支えた

「おい!南!大丈夫か!?」

南は桐島の呼びかけには答えず、ヒューヒューと苦しそうに呼吸をしていた








桐島は、菅井から聞いていた南の担当医がいる病院に南を連れてきていた



「じゃあ次は菅井を呼んでくる 桐島は病院にいるんだな?」

「ああ、わざわざ悪いな」

桐島は担任の教師である仲谷の車で病院まで連れてきて貰っていた

「苦しんでる生徒を病院まで連れて行くなんて当たり前の事だ すぐ兄貴を連れて行くと言っておいてくれ」

「ああ」

仲谷は車を発車させ、菅井の仕事場まで向かった





ガラガラ

桐島は南の病室に入った

「あ、、、誠哉、、、」

南は病室のベッドで寝ていた 南は桐島を見ると申し訳なさそうに顔を半分、布団で隠した

「大丈夫か?」

桐島はベッドの横のイスに座る

「うん、、、ごめんね、、、いきなりこんな事になっちゃって、、、」

「いいから、、、今はゆっくり休んでろ」

桐島は優しく南の頭を撫でた

「う、うん、、、」

南はかぁーっと顔を赤くしながら頷いた




「南!」

菅井は病室のドアを勢いよく開け、入ってきた

仕事場からそのまま来たのか、工事現場の作業着のような服を来ていた

「お兄ちゃん、、、」

「南、、、見たとこ大丈夫そうだな、、、」

菅井は肩で息をしながら安心したように息をつく

かなり急いで走ってきたようだった

「うん、、、ごめん お仕事してたんでしょ、、、?」

南は菅井が来てくれて嬉しい反面、申し訳ない気持ちの方が強かった

「余計な心配すんなよ、、、南の方が大事なんだから」

菅井は近くの椅子に座った

「誠哉、悪かったな」

菅井はまだ肩で息をしたまま桐島に声をかけた

「いや、、、俺の方こそ、、、ごめん」

「ん?」

「お前に、、、南の事、任せるって言われたばっかなのに、、、」

桐島は菅井にどんな顔を見せていいのか分からなかった

「何言ってんだよ」

菅井は笑いながら言った

「ここまですぐ連れてきてくれたじゃねえかよ 充分だと思うけどな?礼言いたいぐらいだよ」

「あの~、お兄ちゃん?」

南はおそるおそる話に入ってきた

「ん?」

「任せるって、、、何?私何にも聞いてないんだけど、、、」

「ああ、ちょっと前に誠哉に言ったんだよ 南の事、任せていいかって」

「、、、え、えぇ~!?な、ななな何言ってんの!?バカ!!」

南は菅井の肩を叩いた

「ハハッ、元気だなおい でもよ、こいつ分かったっつってたぜ?」

「、、、え、、、?」

南はゆっくりと桐島の方を見る

「お、おう、、、言ったよ、、、」

桐島は照れ隠しに強気な言い方をした

「、、、そ、そう、、、なんだ、、、」

また南の顔は真っ赤になった


「南ー!!」

また病室の扉が勢いよく開く

入ってきたのは鈴科だった

「愛!」

「もぉ~!心配じだんだがら~!!」

鈴科は泣きながら南に抱きついた

「心配かけてごめんね」

「ホントだよぉ~!」

鈴科は南の肩を思い切り抱き寄せる

「うるせえなぁ ここホントに病室かよ?」

次に入ってきたのは野波佳だった

「焦栄さんまで、、、」

南は嬉しさやらなんやらで涙が溢れそうになった

「つか誰か一人ぐらい果物かなんか持ってこいよ 揃いも揃って貧乏人だな」

菅井は主に野波佳を見ながら言った

「んだとてめえ!」

「焦栄君!病室では静かに!」

鈴科は野波佳の背中の服を掴む

「お前が一番うるせえんだよ!」

野波佳は振り向きざまに鈴科に言い返した


(ったく、みんなうるせえなぁ、、、)

桐島はそう思いながらふと、南の方を見た

「あははー!なにそれー!」

南は楽しそうに笑っていた

「、、、ま、いっか」

桐島は嬉しそうに息をつきながら南を見ていた






氏名:菅井緋斬すがいひざん


性別:男


年齢:14歳(中学3年生時点)


身長:174センチ


体重:59キロ


長所:客観的に物事を判断出来る


短所:知らない人間や関係ない人間にはかなり冷たい


特徴:頭の中心から前髪にかけて金と白のメッシュが入っている





氏名:菅井南すがいみなみ


性別:女


年齢:12歳(中学1年生時点)


身長:148センチ


体重:39キロ


長所:いつも明るい笑顔 家族想い


短所:人見知り


特徴:髪はショートカット すぐ顔が赤くなる




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