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  作者: 外山
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遅刻


2月14日 土曜日


桐島は、渡部と決めた待ち合わせ場所にいた


色んなカップルがよく待ち合わせ場所に使う、大きい時計台の下である


待ち合わせ時刻は4時だが、桐島は少し早く来ていた


「30分も早く来ちまったな、、、ま、いいか」

桐島は時計台の下にある石の段に座った

(こうやって改めて、一緒に出かけんのは初めてだな、、、しかもバレンタインデーか、、、)

桐島はワクワクした気持ちで周りを見渡す

街はバレンタインデー系列のモノばかりでカップル以外からすればいたたまれない光景であった

(あいつ、どんな格好して来んのかな~、いつも黒っぽい服着てるけど、白いのも似合うと思うけどな、、、ニット帽とか、、、)

桐島はボーっと渡部の姿を想像しながら考えていた

(早く来ねえかな、、、)

桐島はうずうずした気持ちを抑えながら息をついた





♪~♪

すると桐島の携帯に着信が入った

携帯を開き、相手の番号を見たが知らない相手だった

(なんだこれ?どこの家からだ?)

自宅からの番号というのは分かった

(渡部の家とは違うしな、、、てゆうか渡部んとこは登録してあるし、、、)

桐島は少し警戒しながらも電話に出る事にした


「、、、もしもし」

桐島はおそるおそる声を入れた

「、、、桐島君?」

「え?わ、渡部か、、、?」

電話越しに聞こえる声は間違いなく渡部の声だった

「うん、、、あのね、ちょっと遅れそうなんだ、、、」

渡部は桐島の様子を窺うようにおそるおそる言った

「え、、、なんでだよ?」

「、、、ちょっと用事っていうか、、、ホントはもっと早く済ますつもりだったんだけど思ったより手間取っちゃって、、、」

「、、、そうか、まあ分かったよ」

桐島は呆れたように息をつく

「それで?どれくらい遅れそうなんだ?」

「多分、40分ぐらいかな、、、だからあと1時間後ぐらいに着くと思う」

「結構遅れるな、、、」

「ごめんね、、、」

「まあ気にすんなよ じゃあまた来る時連絡してくれ」

「うん、、、」

「、、、ん?どうかしたか?」

妙に元気のない渡部の返事に桐島は違和感を感じた

「、、、ごめんね、、、」

渡部はもう一度謝った

「だから気にすんなって 別に怒ってねえからよ」

「、、、ホントは、一緒にいたいんだよ、、、?桐島君と、、、」

「え、、、?」

「今日ぐらいは、、、ずっと一緒にいたいのに、、、」

「、、、、、」

「ご、ごめん!それより急いで行くね!」

「、、、ああ」


プツッ


電話を切り、桐島は携帯を見ていた

「、、、、、」

(そか、、、やっぱり安川さんの言う通りだな)




『女の子はね?そういう日を大事にしたいのよ 好きな人と過ごす特別な日 それを何より大切にしたいの!』




桐島は昨日の安川の言葉を思い出していた

(ちょっと遅れるだけなのに、すごい残念そうにしてたし、、、やっぱこういう日は大事なんだな)


桐島は改めて認識しなおした

「とりあえず、どうやって時間潰すかな、、、」

桐島は辺りを見渡した










パンパッカッカーン 最終ステージ クリア

♪~♪

ゲーム画面にエンディングが流れ始めた



桐島はゆっくりと二丁拳銃を元の場所に収めた



パチパチパチパチパチパチ



それを見ていた周りの客は一斉に拍手をした


「全クリしてるの初めて見たな」

「しかも最後まで余裕だったぜ」


ざわざわと騒ぎながら桐島の勝利を讃えている


「ふう、結構時間は潰せたな~」

桐島は良い気分でゲーセンを出た


「そろそろ渡部が来る時間だな、、、もしかしたらもう着いてるかも あいつ携帯持ってねえからちゃんといてやらねえとな」

桐島は急ぎ気味で待ち合わせ場所に向かった








その頃、渡部は待ち合わせ場所の最寄り駅の電車を降り、早歩きで向かっていた


(桐島君待っててくれてるかな、、、こんなに時間かかっちゃうとは思わなかった、、、)

渡部は駅についている時計を見た


待ち合わせ時刻より30分ほど遅れている

「出る前に電話ぐらいしとけば良かった、、、」

渡部は出口をキョロキョロと見分けながら歩いていく





駅を出た渡部は、時計台に向かってまっすぐ歩いていた

(ウーン、なんて言って謝ればいいのかな、、、)

渡部は急いで向かいながらも着くまでに考えなければならない事があった


ドンッ


そんな考え事をしながら歩いていると、モロに人にぶつかってしまった

「アッ、すいません!」

渡部は慌てて謝った

「ああ、大丈夫ですよ こちらこそすいません」

好青年な様子の男は笑顔で対応していた

「、、、えっ?」

渡部はその男の顔を見て驚いた

「あ、、、歩か?」

「和也先輩!」

渡部がぶつかった相手は西野和也だった


「なんだ歩かよ!思いっきりぶつかってくるから誰かと思った!」

西野は笑いながら言った

「か、考え事してたんです!」

「はは!それで周りが見えなくなってたのか!」

西野は楽しそうに笑う事を止めなかった

「そ、そういう時ぐらい誰にだってあるじゃないですか!」

「はは!そうだな!はははっ!」

「もぉー!」

渡部は西野の態度に腹を立てた


「あ、そうだ、歩、あの桐島君と付き合ってるんだろ?」

西野は落ち着き、思い出したように言った

「あ、、、はい、、、」

渡部はそういう話を西野とするのは妙に気恥ずかしかった

「そっか、、、もしかして、これから会うのか?」

「はい あっ、実は少し遅刻してるんです」

「じゃあ急がないと またな」

「はい!失礼します」

と、渡部は目的地に向かって歩こうとしたがすぐに足を止めた


「、、、?」

西野は不思議そうに渡部の目線の先を見た

「き、桐島君、、、」

渡部はオドオドした様子で呟いた

「なんだよそれ、、、」

桐島は表情を変えず、西野を見ながら言った

たまたま桐島はこの2人が一緒にいるところを目撃したのだ

「え、、、?」

西野は一瞬、意味が分からなかったがすぐに桐島の気持ちが分かった


渡部はまるで西野と会っていたために遅刻したようだった

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