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  作者: 外山
53/216

全部



「てゆうかさ、誠哉は歩さんのどこが好きなの?」

「え?」

北脇はふいに桐島に訊ねた


昼休み 場所は食堂

渡部は殆ど弁当なので食堂を利用する事はめったになかった


他の者は食堂だったり弁当だったりである

「どこって、、、ンナ事どうでもいいだろ」

桐島は気恥ずかしく、話を切ろうとした

「どうでも良くないよ!気になるじゃん!」

徒仲はテーブルを叩く!


北脇と徒仲はこれを聞く為に桐島と共に昼食をとっているのである


「そう言われてもな、、、」

桐島はカレーを一口食べる

「私はね、、、歩ちゃんが心配なの!!こんな元不良に騙されてないかって!」

徒仲はうどんに七味をかけながら言った


「元不良って、、、そりゃお前の彼氏も一緒だろ」

桐島は小声で言い返す

「徒仲の言う事はよーく分かるわ」

北脇は大きく頷きながら言った

「大体!誠哉君って、どれぐらい歩ちゃんの事知ってるの?」

徒仲は箸で桐島を指した

「箸をしまえよ 行儀わりぃな」

「そんな事どうでもいいから!どうなの!?」

徒仲は止まらず問い詰める

桐島はゆっくり考え出した

「、、、ん~、、、」

「例えば、、、誕生日とか!」

「そんぐらい知ってるっつうの!7月2日だろ!?」

「他にも好きなモノとか、趣味とか性格やらなんやら、、、とにかく歩さんの事について興味あるのかって事よ」


徒仲と北脇は桐島に質問責めをする

「なんなんだよお前らはよ、、、」

桐島はまたカレーを口にした

「だから心配なの!テキトーに付き合ってんじゃないかって!」

徒仲はバン!と机を叩く 北脇は横で黙って頷いていた

「大丈夫だって 心配すんなよ」

桐島はカレーを食べ終え、水を飲んだ

「あー!雑な答え!」

「甲高い声出すなよ ただでさえお前、声高いんだぞ」

桐島は適当に徒仲を押さえ、席を立った


「むぅ~!信用ならん奴だなー!」

徒仲は拳を握りしめながら桐島の背中を睨んでいた






同時刻


「渡部ってよ、誠哉のどこが良いと思うんだよ?」

「ふぇ?」


野波佳は教室で渡部に訊ねていた

「おー、それは俺も気になるぞ」

外山も箸を止め、話に入ってきた

「ど、どこがって、、、」

渡部は戸惑いながら考える

「あいつ、中学ん時は全然モテなかったからよ まあ周りが怖がってただけだろうけど、、、だからちょっと気になってな」


「へ~、、、そうだったんだ」

渡部は納得しながら話を聞いていた

(、、、そういう話、桐島君から聞いた事ないな、、、)

渡部は少し寂しい気持ちになった


(あ、てゆうか普通そんな話したがらないか)

だが自分の中で勝手に解決した

「で、何がいいんだよ?桐島の」

外山は少し身を乗り出しながら訊ねた

「う~ん、、、何なんだろ、、、」

渡部は手をアゴに添え、考えてみた

「てゆうか、野波佳君はともかく、なんで外山君も気になるの?」

「そりゃ気になるだろ!だってよぉ~、あいつ無愛想だし、暗いし、、、え~っと、、、」

外山はパソコンをいじりだした

「ファッションとかだってよくねえしよ!何が好きなんだよ?」

「何が、、、か、、、」

渡部はまた考え込んだ


「、、、、、」

(中学ん時、相当モテなかったからな、、、ある意味有名人だったから一時期キャーキャー言われてても、すぐ評判変わったりしてたしな、誠哉だけ、、、)

野波佳は昔の桐島と今の桐島を重ね合わせていた


「、、、、、」

(あの野郎に彼女がいるなんざ納得出来ねー よーし、考え込んでるしもしかしたら、〔私ってあいつの何が好きなの?つうか好きじゃないじゃん〕的な考えになり、最高の場合、破局に至るかもしれんぞ、、、)

外山も外山なりに色々考えていた


「ん~、えっとね~、、、」

「っ!」

野波佳と外山は自然と身構えた

「、、、多分、、」

渡部はゆっくりと口を開いた








放課後


桐島と渡部は例の新しい公園のベンチに座っていた


「、、、って感じでよ やたら問い詰めてくんだよ あの2人」

桐島は昼休みの話を渡部にしていた

「そーなんだ 私も似たような事訊かれたよ?野波佳君と外山君に」

「え、、、マジ?」

「うん」

「あいつら何訊いてんだよ、、、今度見たら文句言ってやる」

桐島は2人のヘラヘラした表情を思い浮かべながら憎しみを抱いていた


「、、、、、」

「、、、、、」

互いに表情をうかがう様な、妙な沈黙が流れた

「、、、そ、それにしてもここ位置的にいいよな!渡部の家への道中でもあるし、俺の家へも向かえるし!通学路とはちょっと違うけど、、、」

「うん、、、」

渡部は小さく頷きながらも、ウズウズしたような表情だった

「、、、、、」

桐島は緊張気味にドキドキしながら黙っていた

「あのさ、桐島君、、、」

「、、、ん?」

桐島はおそるおそる返事をする

「麻癒と紗菜ちゃんからの質問、、、なんて答えたの?」

渡部はキラキラした瞳で訊ねる

「えっ?な、なにが?」

「私の、どこが好き?って質問!」

渡部は桐島の動揺する姿を楽しそうに見つめる

「へっ、あ、いや、、、こ、答えてねえよ!」

「なんで?」

「答えられるかよ!テキトーにスルーしてやったよ!ハハ!」

桐島は笑いながら言ったが、動揺しているのは見て取れた

(絶対訊かれっと思ったよ今、、、)

桐島はホッと息をついた

「じゃあ、、、今、答えて」

「は、、、な、なんでだよ恥ずかしいな!嫌に決まってんだろ!」

「え~、、、結構イジワルなんだね」

渡部は残念そうに呟いた

(イ、イジワル、、、?俺はイジワルなのか、、、)

桐島の頭の中で色々なイジワルが渦巻きだした




[そろそろラジコン返してヨ]

[ガハハハ!お前のモノは俺のモノ!俺のモノは、、、以下略]


[そろそろゲーム返してヨ]

[GAHAHAHA!お前のモノは俺のモ、、、以下略]


[もう塾に行かないト]

[ギャフハハ!お前の、、、以下略]





「、、、イ、イジワルじゃねえ!俺はイジワルじゃねえ!」

桐島は急に首を振りながら答えた

「え?じゃあ言ってくれるの?」

「、、、わかった」

「やったー!じゃ、教えて!」

渡部はベンチに座り直し、桐島の方を向いた

「その代わりに!お前も言え!」

「え、、、」

渡部は急に引く姿勢になった

「俺が言うだけじゃ不公平じゃねえか!渡部の答えも訊かせてもらう!」

桐島はそこだけは絶対に譲れないようだ

「、、、もぉ、わかったよ 確かにそうだよね」

渡部は仕方なく了解した

「ああ、、、」

「うん、じゃあ、、、私の、どこが好き?」

渡部は楽しそうな表情で桐島に訊ねた


「、、、ぶ、、、だよ」

「、、、?え?なんて?」

「、、、、、」

「桐島君?聞こえなかったんだけどー?」

渡部は両手を口に添え、言ってみた

「全部!全部だよ!全部!」

桐島は開き直ったように怒鳴りつけた

「、、、、、!」

渡部は思わず押し黙ってしまった

「、、、ど、どこがって言われてもよ、わかんなかったんだよ、、、だから、多分そうなんだと思う、、、」

「、、、えっへへー!」

渡部は桐島の肩に寄りかかった

「う、、、お、お前はなんなんだよ!?」

桐島は照れ隠しをするように訊ねた

「あのね~、、、私も同じ!」

渡部は桐島にもたれたまま、桐島の顔を見上げた

「なっ!お、同じとかズリィぞ!」

「だってホントに同じなんだもん あの2人に聞いてみてもいいよ」

「え、、、お前!焦栄と外山にンナ事言ったのかよ!」

「うん!」

渡部は満面の笑みでこたえる

「うんって、、、ま、まあいいけど、、、」

「だよね!全部なんだもんね!」

「く、繰り返さなくていいって、、、」







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