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  作者: 外山
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初雪





、、、てる?、、、りしまくん、、、


「、、、ん、、、」

「桐島君?起きてますかー?」

桐島が目を開けると渡部が机に合わせてしゃがんでいた

「うわっ!」

桐島は慌てて飛び起きた

(あれ、、、もしかして寝てたのか?)

桐島はキョロキョロと周りを見渡す

ほとんどの生徒が帰宅の準備をしていた

どうやら授業は終わり、今は放課後のようだった

「うわって、、、、人の顔見て、、、失礼だよ」

渡部はスネたような表情をしていた

「えっ、いや!悪い!そういう意味じゃなくて!その、、、びっくりしたから!」

桐島は必死で言い訳した

「ふふっ!冗談だよ?別に怒ってないし!」

渡部はニコッと笑顔で言った

「そ、そか、、、」

桐島はホッと息をつき、周りを見渡した

「あれ?焦栄とか徒仲とか、、、もう帰ったのか?」

北脇と外山もおらず、九頭も来ていなかった

「うん なんだか分からないけどちょっと急ぎ気味に帰っていったよ?ついさっきだけど」

「そうか、、、」

(あ、じゃあどっか誘うんなら今がチャンスだ!)

桐島は必死で頭を回し場所を考えた

「じゃあ私もそろそろ帰るね 桐島君が寝てたから起こしたくて残ってただけだし」

渡部はカバンを持った

「え、、、あ、、、」

「じゃあまた明日」

渡部は笑顔で手を振ろうとした

だが桐島はその手を掴んだ

「ちょ、ちょっと待てって!」

「ふぇ?」

渡部は突然の桐島の行動に驚いた

「えっとな、、、あー、、、その、、、なんだ、あのな、、、」

(なんだオイ どうなってんだよ 全然浮かばねえ、、、)

桐島は目も頭もぐるぐるまわり、変な汗も出てきた

「、、、?」

渡部は桐島の顔と、掴まれている手を交互に見ながら動揺していた

「、、、あ、あれだ 公園、、、」

「え?公園?」

「そ、そう!ちょっと公園寄って帰らねえか!?」

「え、、、?」

必死で喋っている桐島に反し、渡部はキョトンとしている

「ま、まあちょっとでいいんだけど、、、え~っと、、、な、なんか新しいの出来てたよな!」

「、、、、、」

渡部は下を向き俯いている

(、、、や、やばいか?やっぱ公園はおかしいのか?寒いからか!?季節的に、、、)

桐島はだんだん不安になってきた

「い、嫌なら全然いいんだけどな!うん!」

「、、、新しいのって、あの住宅街に出来たとこだよね?」

「え、、、あ、ああ」

桐島がそう答えると渡部は顔を上げた


「うん!じゃあ行こ!」

渡部は嬉しそうに笑っていた

「え、、、?」

思っていたのと違う反応に桐島は驚いた


「なんか綺麗そうなとこ出来たなーって思ってたの!ちゃんと見てみたかったんだ!」

渡部ははしゃぎながら話す

(公園で良かったのか、、、)

桐島は少し安心したように息をついた


「それに、、、桐島君に誘ってもらったの、初めてだし!」

「、、、え?」

「だから余計嬉しいかも」

「、、、、、」

「、、、?どうかしたの?」

急に黙り込む桐島を渡部は不思議そうに見る

「いや、、、なんでもねえよ」

桐島はそう答え、帰宅の準備をし始めた


「あ、、、先に行っとこっか?もしかしたら誰かに見られちゃうかもしれないし、、、」

渡部は気を遣ったように訊ねた

「、、、いや、もういいだろ?」

桐島は荷物をまとめ、立ち上がった

「え?」

「一緒に帰ろうぜ」

見慣れない優しい笑顔で桐島は言った

「、、、、、」

渡部はまた下を見て俯いた

「、、、やっぱまだ嫌か?」

桐島がそう言うと渡部はゆっくり顔を上げた

「、、、私も、もういいかなって思ってたの!」

渡部は笑顔でそう言うと、桐島の腕を抱き寄せた

「っっ!や、やめろよ恥ずかしいな!教室で!」

桐島は慌てて渡部の肩を持ち、離させた

「え~?もういいんじゃないの?」

「話が違うだろ!」







桐島と渡部の2人は一緒に校門を出て、そのまま公園に向かっていた

いつもより妙に風の冷たさが目立つ日だった


「、、、ねえ?怒ってる?」

渡部はマフラーで口をこもらせながら言った

「え?なにが?」

「さっきの、、、いきなり腕に抱きついた事、、、」

渡部は照れ臭そうに前を見ながら言った

「ああ、別に怒ってねえよ ただみんな見てっからさ ちょっと恥ずかしかっただけだ」

桐島は軽く笑いながら言った

「そっか、、、良かった」

渡部は口元のマフラーを持ちながら呟いた


「、、、、、」

「、、、、、」


2人の間に沈黙が流れた

「、、、?」

渡部は桐島の顔を覗き込んだ

桐島の表情はやたらと強ばっていた


「、、、ねえ?」

「え?ん?どした?」

「やっぱり怒ってるの?」

「だ、だから怒ってねえって!」

「じゃあなんで黙ってるの?」

「、、、さ、寒いからだよ」

桐島はぶっきらぼうな言い方で顔をそらした

渡部はその桐島の雑な態度に少しカチンときた

「ふうん あっそ!」

渡部も顔をそらした

「今はまあ、、、寒いからよ、、、」

「、、、え?」

桐島は渡部の右手をギュッと握った

「こんぐらいなら、、、ま、いいだろ、、、」

「あ、、、」

渡部は握られた右手を見た後、桐島の顔を見た

桐島は緊張した様子で前を見ていた

(、、、良かった、、、まあまあ自然に手、繋げたか、、、?)

「、、、、、」

桐島のその緊張と勇気と想いは渡部にはっきりと伝わった

「、、、えへへ」

「、、、な、なんだよ」

桐島は、自分の顔を見て笑ってくる渡部を見るとまた、恥ずかしくなってきた


すると、フワリフワリと白いモノが降ってきた


「ん?」

「わぁ!雪!?」

2人は空を見上げた

空は真っ白い水玉模様で埋め尽くされていた

「初雪だよね」

「だろうな」

「ふわ~、綺麗だね~、、、」

渡部はボーっと空を見上げていた

「、、、、、」

(公園か、、、やっぱ言ってみるもんだな、、、)

桐島は、雪に目を輝かせている渡部を見ていた

(一緒にこうして歩いて、、、手も繋いで、初雪も2人で見れて、、、勇気出して言ってみてよかったな)

桐島は優しい目で渡部を眺めていた



「ハックション!!」

「バ、バカ!少しは抑えなさいよ!」

桐島と渡部の後ろからそんな会話が聞こえてきた

「?」

2人はふと後ろを振り返った

「だってさみいんだもん!」

「うるせえなてめえは!静かにしろ!」

「そうよ!歩ちゃんと誠哉君に見つかるでしょ!」

北脇と外山と徒仲はクシャミをした九頭を責め立てる

「だってさ~」

九頭は皆に叱られ小さくなった


「あ、、、お、お前ら、なんで、、、」

桐島は徒仲達を指差した

「麻癒 見つかったぞ」

野波佳は、九頭を責めている徒仲の肩を叩きながら言った

「あ、、、」徒仲は桐島と渡部と目が合った

「な、何してるの?紗菜ちゃんまで、、、」

渡部はとりあえず質問した

「いやね、、、ハハ」

北脇は頭をさすりながら笑ってごまかした


「お前らが学校とかで全然喋んねえからさ 原因調べる為にちょっと尾けてたんだよ」

外山は特に悪びれる様子もなく言った



「だから!ちょっと待ってよ!」

「うむ、全く見えんからイライラするぞ」

「真奈美ちゃんばっかり見すぎよ~」

「シッ!静かにしましょう!見つかりますよ!」

次はそんな声が横から聞こえてきた

「ちょ、、、押さな、うわっ!」

横の道路の陰から突如、安川が現れた

そして隠れて浜が見ている

「いてて、、、もぉ~、何よぉ」

安川はふと顔を上げた


「ま、真奈美さん達もいたんですか!?」

渡部は、腰を押さえている安川に訊ねた


「当たり前じゃない!やっぱり私の予想通りだったけどね!」

安川は得意げにVサインを見せた

「私達の負けですね」

「うむ、、、」

瞬と浜は残念そうに慰めあっていた

「私と真奈美ちゃんの勝ちね~」

片岡は嬉しそうに笑った


「しかも賭けてたのかよ、、、」

桐島は呆れた様子でため息をついた


「俺だって合ってたろ!?てめえら嘘つきやがったな!?」

九頭は悔し紛れに指を差して怒鳴った

「別に嘘はついてねえよ 誰も付き合ってねえとは言ってなかっただろ?」

「だよね♪」

「ぐぬ~!」

桐島と渡部の言葉に九頭は言い返せなかった

「ま、俺は最初っから分かってたけどな!」

野波佳は勢いよく桐島と肩を組んだ

「え、、、マジで?」

一番知られたくない相手に知られているのは桐島としても妙に恥ずかしかった

「まあ、麻癒とか面白いから黙ってたんだけどよ 2人とも結構分かりやすいからな」


野波佳はニヤニヤ笑いながら2人の顔を見る


「しっかり手も繋いじゃってよ?」

野波佳はチラッと2人の手を見た

「い、いや別にこれは、、、!」

桐島は慌てて手を離した

「、、、、、」

すると渡部はぶすくれた表情で桐島を睨んだ

「あ、、、いやさ、、、あの、、、」

「こんぐらい、いいんじゃなかったの?」

渡部はぷいと顔を背け、歩き出してしまった

「だ、だからさぁ!みんな見てたら恥ずかしいんだって!」

「心配すんなー もう見ねえから」

外山は両手を口に添えながら言った

「うるっせえ!」

桐島はそれだけ言い捨て、渡部を追いかけた




「ふん」

みんなが見えなくなるぐらいの場所まで歩いても渡部はまだご機嫌ナナメな様子だった

「悪かったって 別に変な意味で嫌がった訳じゃねえから、、、」

桐島が謝るも渡部はこちらを見ない

「お前だってさぁ、最初は恥ずかしいっつってただろ?」

「、、、、、」

「、、、じゃあ手、繋ぐか?」

桐島は手を出した

「、、、、、」

「あ、、、」

渡部は先ほどの教室の時の様に、桐島の腕を抱き寄せた

「これで許してあげる」

渡部は人なつっこそうな笑顔を桐島に見せた

「、、、んじゃ、これでいっか、、、」

桐島は照れ臭そうにずっと前を見たまま言った

「うん!」

渡部は頭も、桐島の肩に傾けた









「やった!【ケンカしたまま帰るor仲直りして帰る】も私の勝ちだね!」

安川は小さくガッツポーズした

「今度は私も勝てた!」

瞬と安川は喜びを分かち合っている

「あら、今回は負けちゃったわね~」

「2連敗か、、、うむ」









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