過去編~中学校~2
中学3年になるのを目前に控えた桐島、野波佳、菅井の3人はラーメン屋のカウンターにいた
「それにしても、相変わらず汚らしい店だなぁ」
野波佳は冗談混じりに店主に言った
「うるせえ!全く、お前ら3人にはほとほと迷惑してるぜ!」
50歳前後辺りの店主は荒々しくこたえた
[迷惑]と店主が言うのには理由があった
訳あってこの3人は、このラーメン屋では[3杯分=1杯分]の料金しか払わなくていいのだ
「文句言うなよおっちゃん 男らしくねえぞ?」
菅井はイスにもたれ、天井を見上げながら言った
「全く生意気なガキ共だ、、、ケンカばっかりしやがって」
店主はラーメンを作りながら悪態をつく
「ま、もうケンカはしねえよ、、、多分な」
桐島はうっすら笑みを浮かべ、天井を見上げた
「かっこつけてんじゃねえよ誠哉!一番短気なくせによぉ!」
「一番最近ケンカしたのも誠哉だしな」
「~~~!」
桐島はカッコよくキメたつもりだったが、野波佳と菅井の言葉に言い返せなかった
「あ、そういや緋斬 次、妹入ってくるんだっけ?ウチの中学に」
桐島はラーメンをすすりながら訊ねた
「ああ、今はちょっと入院してんだけどな 昔から体弱いから」
「え~っと、確か、、、南ちゃん、だよな?」
桐島は思い出しながら言った 菅井は、ああ、と頷いた
「ふ~ん、緋斬の妹か、、、やっぱお前と同じで性格悪いのか?」
野波佳はニヤニヤしながら言った
ボフッ!
菅井は野波佳の腹を殴った
「うぐっ!いってえな!」
野波佳は腹を押さえながら言い返す
「うるせえなぁお前は」
桐島は呆れた様子でラーメンを食べている
「まあ焦栄みたいに下品なヤツではねえよ 南は」
菅井は桐島の方を向きながら言った
「なんだとてめえ!」
「だからうるせえよ ま、お前らも知ってっと思うけどよ、俺の後輩も今年入学してくんだよ」
桐島は野波佳を黙らせながら言った
「あ~、あの子か」
「鈴科愛、だよな?」
菅井と野波佳は頷きながら確認した
「ああ、緋斬の妹と同じ女の子だし、仲良く出来たらいいけどな」
数週間後 入学式当日
式が終わり、桐島と野波佳は教室にいた
「あ、いた!」
廊下からひょこっと顔を出したのは鈴科だった
「誠哉~!今日から同じ学校だね!」
鈴科は桐島に駆け寄りながら嬉しそうに言った
「あ~、あんま騒ぐなって、、、」
桐島は恥ずかしそうに鈴科をおさえた
「あ、誠哉のお友達ですよね!?」
鈴科は野波佳を見つけた
「ああ、俺は野波佳焦栄な よろしく」
「はい!鈴科愛です!よろしくお願いします!」
鈴科はビシッと頭を下げる
「おう、誠哉とは違ってハキハキしてんな」
野波佳は感心したように言った
すると菅井が教室に入ってきた
「お、誠哉の後輩だよな?」
菅井は鈴科を見つけ、訊ねた
「はい!鈴科愛です!」
「俺は菅井緋斬 んで、こいつが、、、」
菅井は後ろにいる女の子を前に出した
「俺の妹の南だ」
そう言いながらポンと南の肩に手を置く
「こ、こんにちは、、、」
南は少し下を向きながらおどおどしている
「普段はもっと明るいんだが、ちょっと人見知りするヤツでな 誠哉みたいなヤツだ」
菅井は軽く笑いながら言った
「別に俺は人見知りじゃねえよ」
桐島はムッとした様子で言い返す
「え~?自覚ないの?」
「う、、、」
だが、鈴科の言葉には言い返せなかった
「ま、とりあえず、よろしくな」
「うん!南ちゃん!」
野波佳と鈴科は笑顔で南に接した
「は、はい よろしくお願いします!」
南はあたふたしながらも挨拶する
「俺は桐島誠哉 よろしく」
「、、、、、」
だが、桐島が挨拶すると南は菅井の後ろに隠れた
「なっ、、、」
「ははは!お前怖いんだよ!」
「ケンカばっかしてた日々が顔に出てんだよやっぱり!」
菅井と野波佳は楽しそうに笑う
「、、、ふん!お前らにだきゃー言われたくねえな!」
桐島はスネたように顔を背けた
菅井と野波佳はまだ笑っている
「、、、、、」
桐島はチラッと南の方を見た
「、、、、、」
南も菅井の陰から桐島を見ていた
それが、桐島誠哉と菅井南の出会いだった




