寒中ドライブ
渡部と野波佳は場所を決め、待ち合わせていた
野波佳によると、その待ち合わせ場所は[渡部の家から桐島の家に向かう途中の公園]らしい
渡部が公園に着く頃には野波佳はすでに待っていた
「あ、ごめん!お待たせしました!」
渡部は小走りで野波佳の前まで行き、頭をさげた
「いやいいけどよ、、、なんだよそのカッコ」
野波佳は渡部の身なりを眺めながら言った
「え?え?な、なんか変?」
渡部は自分の服や髪を触った
「変っつうか、、、ずいぶん気合い入ってんなぁって思ってよ」
野波佳はニヤニヤ笑いながら言った
「え、、、べ、別にこれぐらい普通だよ!男と女子は違うの!」
渡部はやっきになって言い返した
「男と女子っつうか、、、誠哉は特別なんじゃねえの?」
野波佳はまた笑いながらヘルメットを渡部にかぶせた
「~~っ、、、、、」
渡部は顔を真っ赤に染め上げながら不満そうな表情を見せる
「ま、とりあえず乗れよ」
野波佳は原付にまたがり、渡部を誘導した
「え、、、?」
「この方が早えだろ?」
「、、、、、」
渡部はバイクの後ろというポジションが怖かった
ブロォォ、、、、、
結局渡部はヘルメットの顎ヒモをしっかり止め、後ろに乗った
「ちょちょ!ちょっと!は、速いよ!速い!」
「速くねえって!普通に30キロだぞ?遅いぐらいだっつうの!」
野波佳は声を後ろに届けるために少し横を向きながら言った
「30キロが速いのか遅いのかも分かんないよ!」
渡部は野波佳にしがみつきながら言い返した
「遅いんだよ!じゃあもう少しスピード出すぞ?」
「え?なんて?」
風をきる音のせいで渡部は桐島の声が聞き取れなかった
ブロォー!!
「ちょ、、、」
渡部は一瞬、体が後ろに持っていかれそうになった
「さ、寒い寒い寒い!!もっとゆっくりでいいよぉ!」
「俺の方が寒いっつうの!前だしヘルメットも渡部に貸したからな!」
「じゃあなおさらゆっくりでいいじゃない!」
「今日は渡部のせいで時間遅れてんだからな!文句ばっか言うなよ!」
「うぅ、、、」
渡部はそこを突かれると言い返せなかった
(でも速いし寒いし、、、怖い、、、!)
渡部は出来るだけ野波佳の背中に身を隠し、風を浴びないようにした
この物語では原動機付自転車を2人乗りする描写がありますが、法律で禁じられています




