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  作者: 外山
29/216

車酔い

12月25日 クリスマス


時刻は18時頃





デパートを出た桐島達一同はバスに乗っていた

クリスマスイベントがあるという噴水広場にバスで向かっているのである



ちなみに渡部は、あれから何度も挑戦したがその数だけ邪魔が入り、全く声をかけれていなかった

もうすっかり諦め、いじけたようにずっと窓の外を眺めていた




「あー!見えてきたー!」

徒仲は窓の外に見える噴水広場を指差した

噴水広場の周りには、円を描くようにツリーが並んでいた

「いっぱい人いるじゃん!なあ!なあ!」

九頭は目を輝かせながら隣の北脇の肩を揺らす

「ああもう!うっとうしい!」

北脇は九頭の腕を振り払った

「ここは確か、クリスマスに関する噂がある場所だったな」

浜は噴水広場の景色を見ながら言った

「どんな噂なの~?」

片岡は少し興味ありそうに訊ねた

「うむ、確か男女があのツリーの下で、、、」

浜は言葉を止めた

「?」

一同、浜に注目する

「、、、う~む、、、?」

どうやら浜は忘れているようだ

「、、、まあ着けば思い出しますよ」

瞬はフォローするように言った

「、、、単純な内容だったと思うんだがな、、、」

浜はモヤモヤしながら頭をさすった







噴水広場前のバス停についた



「うむ!先ほどの噂の話、思い出したぞ!」

浜は嬉しそうに声に出した

「どんな噂なんですか?」

野波佳は財布から運賃を用意しながら浜に訊ねる

「確か、、、あのツリーの下でキスをした男女は、なかなか別れないらしい」

浜はバスを降りる準備をしながら嬉しそうに言った

「なかなかって何なんですか?」

「知らん」

外山の質問をテキトーにいなし、浜は降りる準備をする



「、、、ん?」

桐島は一番後ろの席の渡部を見た

渡部は窓の外を見たまま降りる気配がない

(、、、寝てんのか?)

「、、、おい、渡部、着いたぞ」

桐島は渡部に声をかける



「でも、先輩なんでそんな噂知ってるんですか?」

安川は何気なく訊ねる

「、、、うむ、まあたまたまだ」

浜は運賃をバスの機械に入れる



「、、、、、」

渡部は桐島の呼びかけに反応しない

「、、、? おい、何してんだよ?」

桐島は渡部の近くまで行った

「、、、気持ち悪い、、、」

渡部は苦しそうに呟いた

「は?」



「あー!もしかして先輩、ここ一緒に来るような人がいるんじゃないですか!?」

安川は浜を指差しながら言った

「うむ、いるぞ」

浜はバスから降りる

「えー!だ、誰々!?どんな人!?どんな関係!?」

徒仲は浜にまとわりつきながら訊ねる

「私も初耳ですよ!!」

瞬も浜の肩にしがみつく



「もしかして、、、車酔いか?」

「うん、、、慣れた車じゃないと、、、」

桐島の問いに渡部は必死で答える

「先に言っとけよそんなの!」

桐島は慌てて皆の方を見る

桐島と渡部以外は全員バスを降りていた

「なっ、、、なんで俺らに気づいてねえんだよ!」

桐島は次に運転手の方へ向かう

だが同時にドアが閉められてしまった

「あっ!す、すいません!ちょっと待っ、、、」

桐島が言い切る前にバスは動き出してしまった

「あ、、、」




「ねーねー!誰なんですかぁ!」

「教えてくださいよ!」

「ホントに全然聞いた事ないですよ」

安川と徒仲と瞬はしつこく浜に言い寄る

「う、むぅ、、、またいつかな」

浜は早歩きで逃れようとする


「、、、あれ?桐島は?」

九頭はキョロキョロ周りを見ながら言った

「、、、歩さんもいないわよ」

北脇も同じよう周りを見渡す

「、、、、、」

外山はふと、横で動き出したバスを見た

「、、、あ」

外山は中で慌てた表情をしている桐島を見つけた

「、、、あ!」

野波佳も続けて桐島と渡部を発見する

だがバスはそのまま次のバス停へ走り出してしまった


ブロォォォ、、、、、


「、、、、、」

「、、、、、」

野波佳と外山は呆然とバスを見送った

「あの子達はどこまで行くのかしらね~」

片岡はバスに手を振りながら呟いた








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