前よりも
「いや〜、桐島君の作るつまみはスマートねぇ〜!」
早乙女はビールをくぐっと飲んだ後、噛みしめるように首を振りながら大きく息を吐いた
南涯高校の学園祭から数日後の夜、桐島の部屋には秋本、そしてこのアパートの大家である早乙女がいた
早乙女は大家以外の普通の仕事もしているのだが、翌日が休みなのをいい事に桐島の部屋でビールを飲んでいた
「もう、葵さん最近飲み過ぎちゃいますか?」
秋本はため息混じりにそう言うと、桐島の料理をつまんだ
「いいのいいの!明日はお休みよ〜?」
早乙女は缶ビールを横に振りながらアハハと笑った
「俺は学校あるんですけど?」
桐島はキッチンから居間に追加のつまみを運びながら言った
「おお〜、そそる香りね〜」
早乙女はそう言うと、さっそく出来たてのつまみに手を伸ばした
「ところで、、、どんな子よ?桐島君の彼女って」
早乙女はニヤッと笑いながら桐島にぐっと顔を寄せた
「えっ、、、どんな子って、、、」
桐島は渡部の顔を思い浮かべ、照れたようにニヤついた
「かわいらしいですよ〜、メガネかけてて細身で綺麗な黒髪で、、、女の子って感じです」
桐島に変わって秋本はサラッと渡部の特徴を述べた
「へ〜、ついこないだのゴールデンウイークから付き合い始めたんだっけ?」
「はい、まあ、、、」
桐島は頭をかき、照れ臭そうに答えた
「なんかもともと付き合ってて、別れたらしいですよ だからヨリ戻したって感じなんやんな?」
秋本は早乙女に言った後、桐島に確認するように訊ねた
「ああ、、、ちょうど一年前の学園祭で別れたんだよ、、、色々あってな」
桐島は一年前を思い出し一瞬暗い口調になったが、今の渡部との関係性を思うと幸せそうに笑った
「へ〜、別れた場所で復縁ねぇ、ロマンチックなんだかどうなんだか」
早乙女は胡散臭そうにそう言うと、更にビールを飲んだ
「で?なんでやり直そうと思ったの?」
早乙女はぷはぁ〜と息を吐きながら言った
「え、、、?」
「一回別れて、ヨリ戻したんでしょ?なんで?別れた時はもう付き合えないと思って、今は付き合いたいって思ったって事よね?」
聞き返す桐島に早乙女は一つずつ順番に説明した
「なんで、、、?えぇ、なんでって言われると、、、」
桐島は腕を組み、俯いて考え込んだ
「、、、んん?」
秋本は今までの会話を聞き、首をかしげた
「どうしたの梓ちゃん?」
「元々付き合ってたんやんな?歩ちゃんと桐島が」
秋本は確認するように桐島を見た
「え?あ、ああ、、、」
「じゃあもしかして桐島って、、、歩ちゃんの事追っかけて名古屋まできたん、、、?」
秋本は恐る恐る桐島と早乙女の表情をうかがった
「え、、、っと、、、」
桐島は目を泳がせながら動揺した
2人は黙って桐島の言葉に注目する
「、、、まあ、、、その、、、ちょっと、そういうところも、、、うん、、、あったかな、、、」
桐島は2人と目を合わさず、少し下を向きながら恥ずかしそうに言った
「うわぁ、、、怖っ、、、」
秋本は桐島から少し離れ、ドン引きしていた
「そんな理由だったのアンタ、、、鈴科さんとこからのアレだったからよっぽどの事情があんのかと思ってたら、、、」
早乙女は呆れ果てた様子でタバコに火をつけた
「もうなんか酔いも冷めたわ、、、」
「ホンマですよ、、、って葵さんも知らんかったんですか!?」
秋本は目を桐島から早乙女にうつした
「へ?知らないわよ 一住人の事情なんて」
「え、、、で、でも桐島が引っ越してきたばっかりの時、なんか知ってはる感じやったじゃないですか!」
その言葉をきっかけに、3人は去年の夏、つまり桐島がこのアパートに引っ越してきた日の事を思い出していた
『梓ちゃん、、、この子、私のツテで入ってきた子だから』
「あ〜、そういえばそんな事言ったよ〜な、、、」
早乙女はタバコを吸いながら首をかしげた
「テキトーに言ってたんですね、、、」
「テ、テキトーって訳じゃないわよぉ、桐島君が困ってたから言いにくい事情があるのかもと思って、、、、、」
そんな2人の会話を聞きながら、桐島は1人、黙って考えていた
(なんでもう一回付き合おうって思ったんだろうな、、、まあ、勢いみたいなのもあったのはあったけど、、、)
桐島は数日前の学園祭、渡部とした様々な会話を思い出していた
(でも、、、何も後悔してねえから、勢いだけな訳ないよな、、、)
桐島はもう一度落ち着いて考え直そうと試みた
「じゃあ、そもそもなんで歩ちゃんって名古屋に引っ越してきたん?」
秋本は早乙女の会話を一旦止め、桐島に質問した
「え?ああ、歩は、、、」
桐島は一年前まで記憶を遡らせた 渡部の両親や凛、渡部本人から聞いた話を情報として一気に頭に並べる
「歩は、、、元々名古屋出身なんだよ 家の都合で埼玉にいただけなんだと」
両親や親戚、凛などややこしい事情は一切交えずに簡潔に説明した
「あ、そっか 緋斬君とか浩二と幼馴染なんやもんな」
秋本はその事を思い出し、桐島の説明に納得した
「ふ〜ん、で、その家の都合ってのが終わったから名古屋に帰ってきたって事?桐島君の彼女は」
説明に納得した秋本に代わり、早乙女は続けて桐島に質問した
「はい、まあ、、、そんな感じっすね」
(確か、、、親戚との仲が改善してきたから、って話だったよな、、、)
桐島は心の中でうんうんと頷きながら返事した
ヘぇ〜、と2人は小さく相槌を打った
翌日の夕方
桐島は学校から直接バイト先の喫茶店に行き、いつも通り働いていた
ただいつもと違う事が一つあった それは、カウンターに渡部がいるという事である
大通りから一本外れた落ち着いた場所にあるその喫茶店は客入りのピークがちょうど過ぎたところで、いるのはマスターと雑談している常連客と渡部だけだった
「すごいね、、、忙しいんだね やっぱり、、、」
少し落ち着いてきた桐島に、渡部は感心した様子で声をかけた
「おう、今の時間と昼時が一番忙しいんだよ」
桐島は水で濡らした布巾をぐっと絞り、テーブルを拭くためにカウンターを出た
「そうなんだ、、、」
渡部はそう呟きながらボーッとした目で桐島の姿を眺めていた 桐島は布巾で手早く窓際のテーブルを拭いていた
「、、、ん?どうした?」
じっとこちらを見る渡部に桐島は手を止めずに訊ねた
「う、ううん!なんでもないよ、、、」
渡部は慌てて首を振りながらカウンターの方を向き、桐島に背中を向けた
「、、、そうか、、、?」
桐島は少し不思議そうにしながらも、気にせずテーブルを拭き続けた
「、、、ところでさぁ、誠哉君はもう進路とか決めた?」
渡部は手元のオレンジジュースを飲みながら、先ほどの慌てた様子を誤魔化すために話を切り出した
「え?進路?」
「うん 高校卒業してから、、、誠哉君はどうするのかなって思って」
「、、、う〜ん、、、」
桐島はチラッとマスターの方を見た マスターは話を聞いていたのか、一瞬桐島と目があったが思わせぶりな表情で目を離した
「いや、、、まあ、特に決めてねえけど、、、」
「そうなんだ、、、でもそろそろ決めないとねえ、、、」
渡部はため息混じりにぐーっと伸びながら呟いた
「、、、歩はどうすんだよ?なんかやりたい事でもあんのか?」
「やりたい事、、、かぁ、、、」
渡部は感慨深そうに呟き、目の前のカウンターをゆっくり見つめた
「、、、でも、やっぱり大学かなぁ、、、まだ何にも決まってないけど」
「そっか、、、やっぱそうだよな」
桐島はカウンターの内側に戻り、いつも使っている椅子に座った
「、、、もし何も決まってないんなら、誠哉君も大学とかどう?」
「大学、、、大学か、、、でも勉強出来ねえからな、、、」
桐島は首を傾げながら苦々しい表情になった
「同じ大学に行けたらいいね、、、」
「え、、、?」
「そしたら、、、もっと誠哉君と一緒にいれるから、、、」
渡部はマスターには聞こえないように口に手を寄せ、小声で桐島に言った
「あっ、、、お、おう、、、」
桐島は急な渡部の言葉に照れながら目をそらした
(大学、、、か まあもし行けるんなら、別に大学に行ってからでもいいかもな、、、)
渡部の楽しそうな顔を見ると、桐島は自然とそう思えた
「、、、、、あ」
桐島は窓から外を見て思わず声を出した 次に慌てて時間を確認したあと、マスターを見る
「、、、? どうしたの?キョロキョロして」
渡部は小首を傾げながら桐島の表情をうかがった
「ん、いや、、、あっ、もう外が薄暗くなってきたからよ 暗くならねえ内に帰った方がいいんじゃねえか?何かと危ねえし」
桐島は窓の外と時計を指差しながら言った
「え、、、もうこんな時間かぁ、、、」
時刻は18時半を回りかけていた 渡部は時計を見ながらため息をついた
「ごめんね?バイト先にくるのって、、、やっぱり迷惑かな?」
渡部はまた小声で桐島に訊いた 桐島が先ほどからしきりにマスターの目を気にしている事に渡部は気づいていた
「えっ?い、いやいや!迷惑って訳じゃなくて、、、」
桐島はそう言いながら再びマスターの方を見た マスターは常連客との雑談も止め、いつの間にかカウンターの奥の調理場にいた
「えーっと、、、なんつうか、、、」
桐島は言い淀みながら後頭部をさすった
「とりあえず、、、今日は帰るね!」
渡部はイスから立ち上がり、笑顔で言った
「、、、おう」
「じゃあまたね」
渡部はそう言いながら小さく手を振り、クルッと振り返って出口に向かった
「ああ、また、、、」
桐島はそこまで言って息を止めた 去って行く渡部の背中を見つめる
「、、、あ、あのさ!」
渡部がドアに手をかけた瞬間、桐島は反射的に声を出した
「、、、?」
渡部はドアを離さずに振り返った
「やっぱ、、、もうちょいいるか?どうせ閉店まであと1時間もねえぐらいだし、、、俺も上がるからよ」
桐島は慌てた口調で呼び止めた
「、、、ダメだよ あんまり遅くなっちゃうと何かと危ないしね」
渡部はフフフと笑いながら先ほどの桐島の言葉を引用する
「、、、だ、だよな 親も心配するだろうし、、、」
桐島は照れ笑いしながら頷いた
「うん、だから、、、またね」
「、、、ああ、またな」
渡部はドアを開け、閉めるギリギリまで手を振った
ガチャン
「、、、、、」
桐島は渡部が出て行ったドアをそのまま見つめていた
「、、、帰ったの?彼女?」
マスターは調理場から顔を覗かし、桐島に訊ねた
「あ、はい、、、」
桐島は慌てて振り返り、座っていた椅子を端に寄せた
「そんなに名残惜しいなら、彼女に言っちゃってもいいんじゃない?」
「なっ、、、別にそういうわけじゃ、、、!」
からかうように言うマスターに桐島はつまりながらも言い返す
「まだ、、、ちゃんと出来てないですし、、、」
「殆ど出来てるけどなぁ そんなに焦らなくても」
マスターは調理場に顔を引っ込め、笑いながら言った
「それより、、、学生なら体は大事にな」
「は、、、?はぁ、、、」
桐島はよく分からないまま頷いた
「ほら、よく学生なのに妊娠しちゃって、、、みたいなのあるだろ?」
「は、はぁ!?アホですか!?ないです!」
桐島はやっきになって言い返した
「ゴムぐらい常備しときなよ?なんなら俺がプレゼントしてあげようか?」
「うるせえです!」
1時間半後 時刻は20時前
仕事を終えた桐島は喫茶店を出るところだった
「お疲れ様でした」
裏口のドアから外に出た桐島は、まだ中に残っているマスターに挨拶した
調理場の方からお疲れぇ、とマスターの声だけが聞こえてきた その声を確認した桐島はドアを閉め、歩き出した
辺りはとっくに真っ暗で、大通りの明るさがこの喫茶店の近くにもわずかに差し込んでいた
(、、、なんでやり直す事になった、、、か)
一人になった桐島は昨日の早乙女の言葉を思い出していた
そしてその後、約8ヶ月前のある日の事を思い出していた
『、、、今まで、、、ホントにありがとう!』
それは菅井の葬儀の後、桐島と渡部が本当の意味で別れた日だった もう二度と会う事はないという覚悟を決めた、その日だった
(あの時、、、もう会わないって決めた時の事情が、、、今、無くなった訳じゃねえ、、、)
菅井が亡くなった事や、その周りで起きた事、結果として互いを傷つけあってしまった事など、思い出したくない事が桐島と渡部の間には山程あった
(もしかしたらまた、、、一緒にいる事で辛い思いするかもしんねえよな、、、)
桐島の思考回路は少しずつマイナスな方向へ向かっていた
そしてふと先ほどの、渡部の帰り際の背中を思い出していた
(、、、歩の背中見てたらなんか、、、もう、二度と会えねえような、、、変な気分になる、、、)
一年前の学園祭で別れを告げられた時、先ほど思い出していた菅井の葬儀の後の本当の別れの時、渡部の背中を見るとその時の事が無意識に桐島の脳裏をよぎる
「はぁ〜、、、」
(やっぱ、、、歩に会いてえなぁ、、、)
桐島は深くため息をつきながら、細い道から大通りに出た
「なにため息ついてるの?」
大通りに出たすぐ角から、そんな声が桐島の耳に届いた
「えっ、、、、、」
桐島は声のする方へ振り向き、驚いて言葉を失った
その角には、小さく笑いながら首を傾げている渡部の姿があった
「はっ、、、?お、お前、帰ったんじゃ、、、」
「うん、、、帰ろうと思ったんだけど、、、やっぱり、もうちょっとだけ一緒にいたくて、、、」
渡部は目線を下げ、もじもじと手を絡ませながら呟いた
「そ、それでずっとここにいたのかよ、、、?」
「そうだよ?なんとなくもう一回は入りづらいなって思って」
「バカかお前!こんなとこ一人でいたら危ねえだろ!」
桐島は心配のあまり思わず声を荒げて注意した
「ば、ばかって事ないでしょ!私と誠哉君がいつまでも話してたらマスターさんがあんまりいい顔しないだろうと思って気を遣ったんだよ!?」
バカという言葉にカチンときた渡部は強く言い返した
「あの人はンナ事気にしねえよ マスターだって常連客と喋ってばっかりだし」
渡部とは反対に少し落ち着いた桐島は呆れたように言った
「それに私、一時間って聞いてたんだけど?」
スネた口調でそう言うと、渡部はプイッと顔をそらし、頬を膨らませた
「あ、、、いやそれは、歩がいたらすぐ出てくるつもりだったんだよ!」
「ふん、そうですか〜」
渡部は胡散臭そうにそう言うと、背中を向けて歩き出した
「あ、、、ちょ、ちょっと待てよ!」
桐島は小走りで後を追い、渡部の横に並んだ
「本当だぞ?さっきまで普通の仕事じゃなくて、なんつうか、、、余裕がある時にやりゃいい事やってただけでだな、、、」
「へぇ〜、そうなんだ」
桐島は必死で言い訳するが、渡部はまだスネた口調のままだった
「ホントはちょっと後悔してたんだよ お前を呼び止めときゃ良かったって、、、」
「、、、、、」
その言葉を聞き、渡部は歩くスピードをゆっくりにした
「今だって、歩に会いたいって思ってたらちょうど出てきて、、、すげえ嬉しかったし、、、」
「ホントにぃ?」
渡部は先ほどまでの口調のまま、立ち止まりながら言った
「ホントだって、、、」
そう答えたと同時に、渡部は桐島の腕を抱きしめた
「、、、私も、、、嬉しい、、、」
渡部は桐島の肩に頬を寄せ、幸せな笑顔を浮かべながら呟いた
「っ、、、お、おう、、、」
その言葉と行動に、桐島は思わずドキッとした
「、、、良かった、、、誠哉君、怒ってるのかと思った」
渡部は腕を抱きしめたまま、桐島の顔を見て笑った
「、、、別に怒ってねえよ ちょっと心配だっただけだ」
「、、、今までね、誠哉君とすごく色んな事、あったでしょ?」
桐島のその言葉に安心した渡部は、ゆっくりと話し出した
「ああ」
「だから私にとっては、誠哉君といれるって事だけでスゴく幸せでね、、、」
渡部はそう言いながら、更にギュッと強く桐島の腕を抱きしめた
「普段の姿を見てるだけで、なんか信じられなくて、、、こうして寄り添えるなんて、夢みたいなんだ、、、」
渡部は目を瞑ってそう言い切ると、恥ずかしそうに少し笑った
「そっか、、、、、」
(やっぱ、、、歩も不安なんだよな、、、)
渡部の言葉を聞き、同じような不安を抱えているという事を改めて認識した
(でも、、、)
「大丈夫だよ」
桐島は前を向いたまま、優しい声で呟いた
「え、、、?」
ふいに呟く桐島に反応し、渡部は顔を上げた
「俺はいなくなんねえから、、、こうしてんのも、夢でもなんでもねえからよ?安心しろ」
桐島は優しく微笑み、抱きしめられた腕に渡部の温度を感じていた
「、、、うん ありがとう、、、」
渡部は桐島の腕を離さず、寄り添いあったまま2人は歩き出した
(、、、そっか、、、なんとなくわかった気がする、、、なんで、もう一回付き合いたいって思ったか、、、)
「ねえ、もう暗いね」
渡部は明るく楽しそうな口調で言った
「ん?ああ、もう8時だしな」
桐島はパカッと携帯を開き、時間を確認した
(辛い事も思い出したくない事も嫌だった事も全部、今もあの時と同じようにあるけど、、、)
「暗い夜だからさぁ、、、危ないよね?」
「え、、、?」
「、、、ふふふ、、、」
渡部ニコニコ笑いながら桐島の表情をうかがった
(それ以上に今は、、、ただ、歩の事が好きだ、、、)
「だから、、、送ってくださいっ!」
渡部は桐島の肩に頭を預け、思いっきり甘えた声で言った
「、、、っ、、、!」
「んふふー いい?」
桐島の照れた表情や反応を見て、渡部は更に楽しそうに笑った
(今までの事、全部気になんねえぐらい、、、ただ前よりも歩の事を、好きになっただけなんだな、、、)
「、、、言われなくても送ってくっつーの、、、」
「えへへ ありがとうございますっ」
2人はそんな会話をしながら、夜の街を寄り添いながら歩いて行った