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  作者: 外山
17/216

バカ

都会の歩道橋を2人の男と、小さい男の子が歩いていた

「やっと明日式挙げれんのか やったな」

男は父に祝いの言葉をかけた

「おう やったなー!」

父は子供の頭を撫でながら嬉しそうに言った


「まあ明日は俺も行くからよ 楽しみにしてるよ」

「ああ、、、、、、、っっ!!」

父は男の言葉に返事をした後、急に歩道橋から下を見だした

「? どうかしたか?」

「な、、、、、」

父はひたすら呆然とした表情で歩道橋の柵に手をかけていた

「なんだよ?何があるんだよ?」

男も歩道橋から下を見たが、なにがなんだか全く分からなかった

「、、、、、」

父は困惑した様子だが、口に出せないまま子供を抱きかかえ、重い足取りで歩き出した



「、、、帰ろう、誠哉、、、」







桐島は教室で目が覚めた


「、、、また、、、変な夢か、、、」


文化祭から1ヶ月ほど経ったある日 もう冬も近いというのに桐島はかなり汗をかいていた

(んで、、、また内容を覚えてねえ、、、なんなんだ一体、、、)


ズキッ!


桐島の頭に鋭い痛みが走った

「うっ!」

桐島は思わず頭をかかえた

(、、、なんなんだよ 昔からだな この、よく覚えてないけど気分が悪い夢と、頭の痛みは、、、)

はぁ、と桐島は息をついた

「、、、あれ?なんで誰もいねえんだ?」

桐島は周りを見渡した 教室に生徒が一人もいない事に気がついた

「あ、、、次は体育か もう始まってんな」そう言いながら桐島は全く急ぐ事なく席を立ち、教室を出た

「しまったー!!次は理科室だったー!」

すると隣の教室から誰かが走ってきた

そして思い切り桐島とぶつかってしまった

「うわっ」

「ダァァーーー!!」

桐島とぶつかった男はそのまま前に転がっていった

「、、、、、」

男は倒れたまま動かない

「あ、わりぃな」

桐島は一言謝ると、そのまま歩いていこうとした

「待てぇぇ!!」

男は桐島に向かって叫んだ

「?」

桐島は男がいる方を振り返った

すると男が桐島に殴りかかってきていた

「はっ!?なんでだよ!」

桐島はすんでのところでよける

男のパンチはそのまま廊下の壁に放たれた


バキッ!!



鈍い音が響いた

桐島はおそるおそる壁を見る

パンチが当たった周辺の壁が割れ、へこんでいた

「な、、、!!」

(あんなもん直接当たったら、、、)

桐島はゾッと寒気がした

「てめぇぇぇ!!」

男は怒りに任せ、また桐島に殴りかかる

「お、おい!お前!落ち着いて考えろ!!ぶつかってきたのはお前だ!!な!?」

桐島は男の攻撃をかわしながら説得しようとした

「、、、?ど、どういう事だ、、、?」

男は手を止め、桐島の話を聞こうとした


「いやだからな、俺は教室から出てこようとしただけだ んで、お前が走ってきて俺にぶつかったんだ な?お前が当たってきたんだよ」

驚異的なパンチを放ってくるこの男と揉めるのは面倒だと思った桐島は納得してもらえるように順を追って話した

「、、、?」

男は黙って首を傾げている

(あれ、、、なんで納得いってねえんだコイツ、、、?)

「わ、分かった お前が悪い訳じゃねえ 事故だ 事故 2人ともに責任がある」

桐島はなだめるように言った

「、、、お前 そうやって俺を騙す気だな、、、」

男は桐島をキッと睨みつける

「、、、は?」

「俺は騙されねえぞ!」

男は拳を構え、桐島を警戒する

(、、、ま、、、まさかコイツ、、、)

桐島は驚愕の事実に感づき、2、3歩後ずさった

「おらこいよてめー!!俺を騙そうなんてめちゃくちゃ早いんだよー!!」

(コイツ、、、、、バ、バカだーー!!)

桐島がそう思ったと同時に男はケリを入れてきた

「ちっ!」

桐島はギリギリでかわした

「チョーシこいてんじゃねえ!!」

元不良の血が騒いだのか、桐島は男の腹を殴る

「ぐふぅ!!」

かなり深くヒットしたようだ 男は後ろによろめきながら倒れた

「、、、はぁはぁ、、、相手見てケンカ売れよな、、、」

桐島はさっさとその場を去ろうとした

「てめー痛えじゃねえか!」

「なっ!」

桐島は慌てて振り返った

完璧に決まったと思ったパンチだったが、男は腹をおさえるだけでなんなく立っている

(ちっ、、、なんつー打たれ強さだよ 焦栄並みじゃねえか そういや思いっ切り壁殴ったくせに手は全然大丈夫そうだな)


桐島は相手を冷静に分析した

すると廊下の角から誰かが歩いてきた

「、、、あっ!誠哉!お前なにサボってんだよ」

野波佳だった いつまでも授業にこない桐島を心配して教室まで戻ってきたのである

そして、もし桐島がサボるつもりだった時の説得用に北脇も来ていた

「ぐぬぬ、、、お前!仲間を呼ぶとは卑怯だぞ!」

「別に呼んだ訳じゃねえよ!」

男と桐島が言い争っている2人の間に、ジャージ姿の北脇が割って入った

「大声で騒いでんじゃないわよ 授業中に」

北脇は2人を睨みつける

「は、はい、、、」

2人は北脇の威圧感に黙る事しか出来なかった








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