修羅場
「えっ、、と、、、2人は知り合い、、、?」
渡部は桐島と西野に訊ねる
「いや違うよ、え~、桐島君?だっけ?彼の落とし物を拾っだけだ」
「ああ、、、」
桐島は2人の様子をうかがいながら返事をする
「2人は?」
次は西野が訊ねる
「私達は同じクラスで、、、はい」
渡部はたどたどしくも説明する
「2人はなんなんですか?」
桐島は西野の方を威圧的な目で見ながら訊ねる
「歩は俺の中学の時の後輩だ、な?」
西野は渡部に笑いかけながら話をふる
「は、はい、、、」
渡部はどうしていいか分からずオロオロしていた
「、、、ふ~ん、そうですか 拾っていただいてありがとうございました 渡部、教室戻ろうぜ」
桐島は西野に背を向け、渡部にそう言いながら歩き出した
「あ、、、で、でも、、、」
「俺は歩と待ち合わせしてたんだよ 悪いな」
西野は桐島の背中に向かって言った
(、、、待ち合わせ、、、?それに歩、歩、って、、、)
桐島は自分でもよく分からない苛立ちを感じていた
「そうですか じゃあお好きなように」
桐島は背を向けたまま冷たく言い放ち、その場を去った
渡部と西野はまだ騒がしい学校の周りを歩いていた
「なんかすげえ自由な学校だよな~、提灯とかあるし」
西野は笑いながら提灯を触る
「確かに自由な感じですね ゴールデンウイークにも学園祭みたいなのあるんですよ?」
渡部は少し得意気に話した
「ははっ、遊んでばっかりだな!」
「勉強もちゃんとしてます!」
2人はそんなたわいもない会話をしていた
「ところでさ、歩って今、彼氏いる?」
西野は先ほどまでに比べ、真面目な声のトーンで言った
「えっ?か、彼氏ですか?」
「おう、ちなみに俺は彼女いないんだけどね」
「そ、そうなんですか、、、私もいないです、、、」
渡部は小さく首を振りながら言った
「そうか、、、良かった!」
「えぇ?」
「じゃあ今狙い目って事じゃん!」
西野は冗談っぽく、ニカッと笑った
「ふぇっ?ね、ねら、いえあの、、、も、もう!からかわないでください!」
渡部は顔を真っ赤にしながらぷいっと顔をそらした
「からかってねえって 本気だよ俺は」
「、、、え、、、?」
渡部は真剣な顔と声の西野に驚いた
「、、、歩」
西野は渡部の両肩に手を置いた
「は、はい、、、」
渡部は緊張気味に返事をする
「、、、久々に会っていきなりなのは分かってっけど、、、、、俺と付き合ってくれ」