短編2
夕方の放課後は罵声が飛び交っている。
長髪の目つきの悪い紗希は、足を組みながら、喋りだす。まさに気の強い女、そのものである。一方の未樹はいつも話しながら、メールをしている。器用だが、話は真剣に聞くことはほとんど少ない。会話をしている相手なら、不愉快に感じるだろう。
「直ってうざくね。いつもニコニコしてさ」
「そうかなー、ノートだって見してくれるし、困った時結構助かってるし」
「そこがムカつくんだよ。誰にでもホイホイ笑顔でさー、気味悪い。何だっけ、文学作品でいつも愛想笑いしている内容の本。」
あめを舐めながら、話すのが特徴的な亜季は、未樹と違って話を聞いている。いつも口の中はあめやらガムが隠れている。
「言われてみれば、たまに何考えているか分からない時あるよね」
「あたし、直のナナメ横なんだけどさ。たまに紙の切れ端に何か書いているの見かけるよ」
「名前を書くと呪われるとか?」
「今時そんなの流行ってるの?ありえないっしょー」
「でもさ、こっくりさんとか藁人形とかあるって言うし。油断はできないよ?」
「だとしたら、あいつ相当病んでんな、ギャハハハ」
「あはは、病んでるのは君たちの脳みそなんじゃない?」
下品な笑い声が教室に響き渡る中、一人の少年が会話に入り込んできた。ちゃっかりと席に座り、腕を組みながらうなづいていた。
二人は一斉に声にする方へ振り返るが、その後は見なきゃよかったと後悔する。なぜなら少年は何故かひょっとこのお面をつけていた。
「え?!!!!!」
「何こいつキモ。引くわ」
相変わらず、未樹はひょっとこのお面に目もくれず、携帯とにらめっこしていた。会話が途切れたのを疑問に感じた未樹はようやく、ひょっとこ姿の少年を目にした。
「・・・」
ところが無言のまま、また携帯に集中し始めた。
「そうそう、紗希さんの家の近所のお兄さんが彼女連れて歩いてたよ。残念だよねー中学生からずっと片想いだったのにね」
「へ!?どういうことよ!」
「亜季さん、最近体重増えたんだって?そりゃあ、毎日糖分取ってれば、太ってもおかしくないよね。うんうん」
「なんで私のプライベートなこと知ってんのよ!」
二人は急に立ち上がり、目頭を立てながら少年を睨みつけた。
俺、人の心が何でも読める超人だからと一言言って、二階の外から飛びおりたのだった。
初めて小説を書きます。
まだまだいたらぬところはありますが、大目にみてくれるようお願いします。
果たして長編になるのか、短編になるのかもわかりません。
追伸 「顔のみえない君」長編に移行しました。
お手数おかけしますが、お願い致します。
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